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2005年01月27日

地方交付税の経済学―理論・実証に基づく改革

■ 書籍情報

地方交付税の経済学   【地方交付税の経済学―理論・実証に基づく改革 】

  赤井 伸郎 (著), 山下 耕治 (著), 佐藤 主光 (著)
  価格: ¥2,940 (税込)
  有斐閣(2003/11)

 地方交付税制度に内在するインセンティブの歪みや過剰な財源保障などの問題に、理論と実証の両面からの分析に基づいた鋭いメスを入れる一冊です。
 現状の地方交付税制度の分析をベースに、三位一体改革を含めた制度改革への提言を行っています。


■ 個人的な視点から

 著者は、私と同じ30代の研究者の皆さんです。
 用いているのは経済学、特に情報やインセンティブの問題などの「鋭い刃物」によって、地方交付税という現実の問題に切り込んでいます。
 経済学者、特に財政学の研究者は、「御用学者」と呼ばれ、総論的な財政理論や海外の政策の分析など当たり障りのないことしか言わない、というイメージ(私の偏見かシら?(^_^; )があって、「研究室のドアの向こう」から現実の政策を見ている、という気がしてなりません(研究者とは本来そういうスタンスにあるべきだ、という考えもあると思いますが。)。
 その点で、本書の著者の皆さんや『三位一体改革ここが問題だ』の土居氏らは、「経済学」という斬鉄剣を持って現世に乗り込み、現実の政策(霞が関や地方の役人)を斬りまくっていて痛快です。
 「バイオハザード」でゾンビをバッタバッタ斬りまくるというか、「エコノ侍」が「基準財政需要額の算定なんて匙加減一つでどうにでもなりますから~! 残~念! ソフトな予算制約斬り!」とか言っているような感じというか・・・(古!)?

 こうしたスタンスの取り方というのはこれから重要になって行くと思います。
竹中さんじゃないですが、財政・金融・行革などに限らず、社会保障政策を担当する厚生労働大臣や教育問題を担当する文部科学大臣なんかは経済学者に任せてみてはどうでしょうか。俗議員や官僚にはめちゃくちゃ嫌われると思いますが。


■ どんな人にオススメ?
 ・「三位一体改革」と言っても数合わせの政治ゲームのニュースしか流れないので本質が見えない、と思っている人
 ・地方交付税ってこの先どうなっちゃうんだろう、と漠然と不安に思っている公務員

■ 関連しそうな本

 土居 丈朗(編著)『地方分権改革の経済学―「三位一体」の改革から「四位一体」の改革へ』
 土居 丈朗『三位一体改革ここが問題だ』
 井堀 利宏『公共部門の業績評価―官と民の役割分担を考える』
 山内 弘隆, 上山 信一 (編)『パブリック・セクターの経済・経営学』 2005年03月01日
伊藤 秀史, 小佐野 広『インセンティブ設計の経済学―契約理論の応用分析』 2005年02月26日

■ 百夜百マンガ

MW【MW】
 一般的に手塚治虫というとアトムやレオのイメージが強いわけですが、読み始めたら止まらないグイグイ引っ張る力はさすがなのです。
 風呂敷が大きいだけに最終回へのまとめ方が納得いかない人もいると思いますが、漫画を読む楽しさはストーリーの一貫性や謎解きではなく、作品の世界観の中にむんずと首根っこを掴んで引きずって行く豪腕にこそあるような気がします。
 『デビルマン』なんかもそうですし。永井豪の場合は世界観が広がって収拾がつかなくなって行く過程を楽しむ、というのが正しいとも思います。

投稿者 tozaki : 2005年01月27日 05:48

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