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2005年01月29日
市場(スーク)の中の女の子
■ 書籍情報
松井 彰彦 (著), スドウ ピウ (イラスト)
価格: ¥1,575 (税込)
PHP研究所(2004/10/21)
『ミク戦』の名で知られている教科書の著者の最新著作がなぜかファンタジー?
中世のベネチアからアラビア、そして日本へと舞台を変えながら、貨幣の機能や成り立ち、市場の役割など、普通に経済学っぽく話をすすめるうちに、言語や慣習、規範、文化、正義など、通常は経済学では扱わなかったエリアまでその分析を拡張して行きます。
■ 個人的な視点から
『ミク戦』という教科書は、各章はパン屋の話や新米教員の話などのエピソードが導入部分になり、本文はエピソードの解説のような形で展開され、最後に練習問題、という構成でした。最初に人間同士のドラマを見せることで、登場人物各々の動機や目論見を思い浮かべながら、ゲームや情報、市場取引や契約の解説を読むことができるので、それぞれの立場からものを考える、というスタンスを自然にとることができる良書でした。
そんな教科書に慣れていたせいでしょうか。本書を読んでいて、物々交換の市場や奴隷売買、交易ルートの盛衰、バスク語の構造などのエピソードが語られるたびに、各章末には解説が載っているんじゃないか、ということを思い浮かべてしまいました。ファンタジーの読み方としては良くないですね。
ところが、本書には種明かしはついていません。日経の書評コーナーで取り上げられたこともあり、「やさしい経済学の本」だと思って読んでみた人にとっては「なんだかよく分からない本」に感じられるかもしれません。もし、種明かしも読まないと気分が晴れない、と思われるのであれば、参考文献に挙げられている『慣習と規範の経済学』や『経済システムの比較制度分析』を読んでみてください。
■ どんな人にオススメ?
・「経済学ってお金の話でしょ」と思っている人
・一般向けゲーム理論の本がたくさん出版されているけど、どれも同じような本だな、と感じた人
■ 関連しそうな本
松井 彰彦『慣習と規範の経済学―ゲーム理論からのメッセージ』
青木 昌彦, 奥野 正寛『経済システムの比較制度分析』
梶井 厚志, 松井 彰彦『ミクロ経済学 戦略的アプローチ』
星野 秀利 (著), 斎藤 寛海 (翻訳)『中世後期フィレンツェ毛織物工業史』
ダグラスC. ノース (著), 竹下 公視 (翻訳)『制度・制度変化・経済成果』
スロウイン エッゲルトソン (著), 竹下 公視 (翻訳)『制度の経済学―制度と経済行動』〈上〉〈下〉
■補足情報
【絶版本はアマゾン・マーケット・プレイスで探してみましょう。】
先日ご紹介した『わかりたいあなたのための経営学・入門』はすでに絶版になっているようですが、アマゾンマーケットプレイスで購入することができます。
本体価格+送料で500円ちょっとで買えるようです。
商品は出品者(古本屋さんの場合が多いです)から直接発送されますが、支払いはアマゾンを通じてクレジットカードで行います。
詳しくは「マーケットプレイスでの注文」をお読みください。
■ 百夜百マンガ
【アズマニア】
数年前、ローマで「ななこSOS」が放送されているのを見てしまいました。
まだ「北斗の拳」や「タイガーマスク」くらいまでは理解できたのですが、どういう基準で買い付けが行われているのか謎のままです。
まあ我々も「トムとジェリー」を見てアメリカ人は何十センチもある分厚いサンドイッチを食べてる、と思ったんですからお互いさまなのでしょう。
投稿者 tozaki : 2005年01月29日 03:00
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