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2005年02月05日
組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために
■ 書籍情報
沼上 幹(著)
価格: ¥735 (税込)
筑摩書房(2003/03)
元が雑誌の連載だったこともあり、各章は読みやすいコンパクトな長さにまとまっています。
第1部「組織の基本」では、組織設計の基本としての官僚制の重要性やボトルネックへの対応、欲求5段階説の誤用の指摘など、本のタイトル通りのオーソドックスな内容をサクッと読める簡潔な文章でまとめています。
第2部「組織の疲労」では、「組織の中のフリーライダー」や「厄介者の権力」「キツネの権力」「スキャンダルの生まれ方」など、誰でも思い当たるような組織の中で発生する現象を、わかりやすい言葉で明快に解説していています。読み物として読むにはここが一番面白いです。ここから読み始めても全く問題ありません。
第3部「組織の腐り方」では、「ルールの複雑怪奇化」、「宦官VS武闘派(「舞踏派」ではないので念のため。青島巡査部長は登場しない。)の抗争のゆくえ」、「成熟事業部(かつての花形)の暇」など、歴史の長い組織ならば必ず身に覚えのある腐り方の実例が解説されています。
これだけのトピックが新書に収まっているのですからありがたい。人に薦めやすい良書です。
■ 個人的な視点から
「神は細部に宿る」ではないですが、「うちの組織は腐っている」と感じるときには実はその人自身も少なからず腐敗に貢献している、という場合が多いのではないでしょうか。確かに表面に出ている部分は直接自分のせいではないかもしれません。だから臭いに気づくわけです。自分のおならじゃないわけですから。しかし、その水面下の部分、「組織の風土」や「慣習・規範」の構築や維持には自分が大きく関わっているのは確かです。
同様に、「うちの上司はバカで」と感じたならば、そのように上司をバカに育てた要因の多くとして自分を疑った方がいいかもしれません。上司は生まれつき上司だったわけではありません。上司を上司として育てているのは他ならぬ部下自身なのです。(『究極超人あ~る』第4巻p.91の「えりかちゃん」のエピソードを参照のこと)
自分の上司や組織を批判的な目で見ることは大切なことです。しかし、それ以上に大切なことは、自分はどうなんだ、という目を持つことです。「心に棚を作れ!」(by伊吹三郎)という格言は、自分自身を見つめることができて、初めて生きてくるのです。
■ どんな人にオススメ?
・「うちの上司はバカ」と思っていてもなぜバカなのか説明できない人
・「うちの組織は腐っている」と感じていても自分がその原因の一人だとは気づいていない人
■ 関連しそうな本
戸部良一, 寺本義也, 鎌田伸一, 杉之尾孝生, 村井友秀, 野中郁次郎『失敗の本質』 (文庫) 2005年03月09日
ハーバート・A. サイモン (著), 稲葉 元吉 , 吉原 英樹 (翻訳)『システムの科学』
高橋 伸夫『日本企業の意思決定原理』
金井 壽宏『変革型ミドルの探求―戦略・革新指向の管理者行動』 2005年03月12日
■ 百夜百マンガ
『ドラえもん』の中にも、現実と虚構を行ったりきたりする話(第5巻「うつつまくら」)や、タイムパラドクスをいたずらしたような話(第3巻「あやうし!ライオン仮面」、第5巻「ドラえもんだらけ」)のようなSF色の強いエピソードがいくつかありますが、それを凝縮した感じです。
投稿者 tozaki : 2005年02月05日 06:00
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