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2005年02月16日
社会起業家―「よい社会」をつくる人たち
■ 書籍情報
町田 洋次 (著)
価格: ¥693 (税込)
PHP研究所(2000/11)
イギリスのシンクタンク「DEMOS」の2冊の報告書(『Civic entrepreneurship』、『The rise of the social entrepreneur』)から著者がインスピレーションを受けて執筆したという、「社会起業家」という生き方を紹介する本です。
本書では、「社会起業家」を「医療、福祉、教育、環境、文化などの社会サービスを事業として行う人たち」と説明しています。
イギリス(病院、都市再開発、役所内の企業家)、アメリカ(自治体の再生)、日本(老人向け緊急通報サービス、ネット高校、チャータースクール)などの事例を紹介しながら、新しい「よい社会」をつくる社会起業家の役割について論じています。
■ 個人的な視点から
世間には起業を煽る情報が洪水のように溢れています。本もたくさん出版されていますし、メルマガやHPやスパムメールも山のようにあります。でも、実際に起業するのは大変です。貧乏です。休みがありません。胃が痛いです。自分ひとりならまだしも家族を抱えているとなお辛いです。だから、起業を煽るなら、「儲かる」「独立」「社長」といった志の低い言葉ではなく、「よい社会をつくるために起業しよう」という言葉で煽って欲しいものです。
「奇麗事を言うな」という批判もありますが、本来、起業するのは「商売の相手が喜んでくれるから自分にもその分け前がもらえる」という商売の原則、起業する必然性があるからです。つまり、起業の目的が直接社会的なものであるかどうかを問わず、起業には多かれ少なかれ「社会貢献」的な性格を持っているのです。そのため、長く商売をしている人、実際に起業した人は、「社会起業家」という概念は知らなくても、実感として「世の中のお役に立つ」ことの大切さを感じているようです。
そこで本書ですが、この本の役割は、「社会起業家」という新しい概念を生み出すことではなく、「翻訳者」や「通訳者」的な部分にあるように感じます。つまり、雑誌の特集やパンフレット的な位置づけです。しかし、本書を通じて、「自分のやろうとしてたことは『社会起業家』って言うんだ」ということに気づき、行動に移す人が増えるのであれば素晴らしいと思います。
■ どんな人にオススメ?
・「こういうのがあれば世の中がもっとよくなるのに」という起業のタネを持っている人
・「役所の中でイノベーティブな活動はできない」という勝手な諦めを持っている公務員
■ 関連しそうな本
谷本 寛治, 田尾 雅夫 (編著) 『NPOと事業』 2005年01月28日
D. ヘントン, K. ウォレシュ, J. メルビル (著), 加藤 敏春 (翻訳) 『市民起業家―新しい経済コミュニティの構築』 2005年03月15日
斎藤 槙 『社会起業家―社会責任ビジネスの新しい潮流』
上山 信一 『「政策連携」の時代―地域・自治体・NPOのパートナーシップ』 2005年03月28日
HotWired Japan 「社会起業家という生き方」
■ 百夜百マンガ
言わずと知れた超長寿連載。初期の頃の両さんは見た目も行動もガラが悪くて、不良警官ぶりが笑いどころだったんですが、これだけ長く続くと両さんの存在自体は当たり前になってしまって、楽しみ方が変わって来ているように感じます。それはそれで面白いんですが。
約30年連載されているので、4年に一度登場する「日暮」も真っ青なくらいに両さんも歳をとりません。初期の頃は終戦直後の思い出話が出てきたりしましたから。
投稿者 tozaki : 2005年02月16日 05:00
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