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2005年03月19日
ネットワーク組織論
■ 書籍情報
今井 賢一, 金子 郁容
価格: ¥2,205 (税込)
岩波書店(1988/01)
本書は、企業組織、組織産業社会を「ネットワーク」という切り口から問い直し、組織とは何か、という問題に正面から取り組んでいます。
本書の導入部は、18世紀イギリスの「コーヒーハウス」の描写から始まります。そこは多種多様な人が集まり情報が伝播される市民の情報革命の場でした。このコーヒーハウスこそが、産業革命後の新秩序の背景となった情報インフラだったのです。
本書では、取引コスト論やカオス論などの概念を鍵に、企業組織と市場、そして個人のあり方を論じており、教科書的な構成をしていないので、斜め読みするには向いていませんが、18世紀のイギリスと現代の日本企業とを行き来しながら「ネットワークとは何か」という問題にじっくり取り組みたいという方にお奨めします。
■ 個人的な視点から
現在、インターネットが社会の隅々に浸透し、「ネットワーク型組織」、「ネットワーク型企業」という言葉にも違和感がなくなりましたが、「ネットワーク」という言葉を、単なる技術的な問題だけでなく、組織の本質に立ち返って捉えなおす本書の役割は、出版された17年前よりも増しているのではないかと思われます。
本書が出版された1988年には、インターネットがこれだけ社会のインフラになるとは予想されていなかった時代ですが、「ネットワーク組織とインターネットとコーヒーハウス」というテーマでもう一度『ネットワーク組織論パート2』が執筆されたらぜひ読んでみたいものです。1995年に出版された『インターネット ストラテジー』などはそれに近いのかもしれません。
また、コーヒーハウスに関心を持たれた方は『知の編集工学』でもコーヒーハウスが取り上げられていますので、こちらを読んでみてもいいでしょう。
■ どんな人にオススメ?
・新しい組織論に関心のある人。
・インターネットで世の中がどう変わるのかに興味のある人。
■ 関連しそうな本
小池 和男 『仕事の経済学』
今井 賢一, 伊丹敬之, 小池和男 『内部組織の経済学』
オリヴァー・E.ウィリアムソン 『市場と企業組織』
ロナルド・H. コース (著), 宮沢 健一, 藤垣 芳文, 後藤 晃 (翻訳) 『企業・市場・法』
松岡 正剛 『知の編集工学』
松岡 正剛, 吉村 伸, 金子 郁容 『インターネットストラテジー―遊牧する経済圏』
■ 百夜百マンガ
日本国内でもそれほどメジャーではない本作品ですが、なぜか台湾の地方都市、嘉義で入手しました。タイトルは『脱線美眉』。どういう基準で翻訳書が出るのかが謎です。ネタ元が分からないと、なんだか分からないギャグ満載(ドリフの大爆笑、科学特捜隊、木村太郎他)の本作品が、現地の読者にどのように受け止められたのか。ネタ元みんな知ってたらそれはそれで怖いです。
投稿者 tozaki : 2005年03月19日 05:00
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