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2005年03月30日
虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ
■ 書籍情報
高橋 伸夫
価格: ¥1,680 (税込)
日経BP社(2004/01)
本書は、経営学者である著者が、内発的動機づけ理論などをベースに、日本国内でお手軽に、そして浅い考えで出回っている、いわゆる「成果主義」を痛烈に批判している本です。
日本型の雇用慣行に対する批判として、競争が無い年功賃金は非効率だ、というものがありますが、果たしてどれほどの人が、成果を測定するコストや年功制の競争の厳しさ、モチベーションの仕組みなどについて、理解したうえで批判しているのでしょうか。
本書の導入部は、著者による講演の再録ということもあり、若干大げさな部分もありますが、派手なことを言っておきながらも学者としては突っ込まれない逃げ道をきちんと作っている点はさすがに上手だと思いました。
■ 個人的な視点から
本書は各界に様々な議論を巻き起こしましたが、どうも「理念や理想としての成果主義」と「現実の運用としての成果主義」との間で話が噛み合っていないような印象を受けます。
理念としては、個々人が挙げた成果に応じて報酬が支払われることが公正で効率的らしいような気がしますが、現実には、個々人が挙げた成果を正確にモニタリングすることは言うほど簡単ではありません。そもそも個々人の成果を正確に報酬に反映する仕組みがあるのならば、わざわざ組織に所属している必要もありません。実際には、環境からのリスクへの対応など、組織に所属するメリットがあるからこそ、組織の中で働いているのです。
個々人の努力と成果との間にロスの無い因果関係を説明することができないので、「成果主義」と言いながらも、現実には環境変動(景気など)や経営の失敗などのリスクを、個人に転嫁するタイプの「成果主義」が多いのではないでしょうか。実際には、個々人のやる気の源は「馬ニンジン」ほど単純ではなく、上手くいっていないケースが多いと聞いています(「問題ありが9割」の新聞の見出しにはマスコミによる情報操作の怖さを感じましたが。)。
一方で、日本型の年功制の仕組み自体も、ネズミ講的なところがあり、経済の規模拡大を前提に設計されている、という問題点があると思います。
今後求められるのは、日本型年功制のエクセレントな部分(多くの参加者のやる気を保ち続けるランク・オーダー・トーナメントなど)を活かしながらも、サステイナブルな仕組みを構築して行くことではないかと思います。
■ どんな人にオススメ?
・「成果主義」ってなんか損しているような気がしているサラリーマン
・やってもやらなくても同じ、とあきらめてしまっている公務員
■ 関連しそうな本
八代 尚宏 『日本的雇用慣行の経済学―労働市場の流動化と日本経済』 2005年03月23日
小池 和男 『仕事の経済学』
エドワード・P. ラジアー (著), 樋口 美雄, 清家 篤 (翻訳) 『人事と組織の経済学』
青木 昌彦 (著), 永易 浩一 (訳) 『日本経済の制度分析―情報・インセンティブ・交渉ゲーム』 2005年04月01日
ステファン・P. ロビンス (著), 髙木 晴夫, 永井 裕久, 福沢 英弘, 横田 絵理, 渡辺 直登 (翻訳) 『組織行動のマネジメント―入門から実践へ』 2005年02月17日
二村 敏子 (編集) 『現代ミクロ組織論―その発展と課題』 2005年03月26日
ポール・ミルグロム, ジョン・ロバーツ (著), 奥野 正寛, 伊藤 秀史, 今井 晴雄, 八木 甫(翻訳) 『組織の経済学』 2005年01月24日
■ 百夜百マンガ
作者は女性なんですが、無類の「メガネくん」好きなんです。各作品に出てくるのはことごとくメガネくん。松沢タヌキ先生は毎週、多種多様かつ夢のようなイジメの数々にあうわけですが、すげこまくん、すぐ赤くなって照れ屋さんなところが楽しそうです。
一方、眞鍋かをり以来、メガネっ娘ブームはとどまるところを知らず、石をひっくり返した日陰の虫のごとく、メガネっ娘好きがワラワラと世に這い出し、一方の女性側も合コンの途中にメガネをかけると印象が変わってもてるらしい、という話もあるところです。
投稿者 tozaki : 2005年03月30日 05:00

【GOD SAVE THEすげこまくん】