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2005年04月05日
人事と組織の経済学
■ 書籍情報
エドワード・P. ラジアー (著), 樋口 美雄, 清家 篤 (翻訳)
価格: ¥4,725 (税込)
日本経済新聞社(1998/09)
本書は、経済学の視点から人事制度を分析し、それを分かりやすく解説しています。原題は『Personnel Economics for Managers』、つまり学術書ではなくマネジャー向けの解説書として書かれています(本書の前には同著者による『Personnel Economics』が出版されています。)。各章の頭には人事制度に対する様々な立場からの意見を収めたディスカッションが配され、大抵の人の意見は(大経済学者たちの名が冠された)ディスカッション参加者の誰かが代弁してくれているのではないかと思います。このような読みやすさの工夫の結果、厚さは約600ページにも及ぶ辞書並みの容貌を持ってしまいましたが、各章に重複する部分もありますので、自分の関心のある章から読んでいけば、30ページ程度に収まった各章を読むのにそれほど時間はかからないと思います。
主な内容は、以下のようになっています。
・適任者の採用―――自己選択
・労働者の生産性を知る―――非対称的情報
・変動給与それとも固定給与?―――インセンティブ
・人的資本理論―――学校教育の経済効果
・離職、解雇および希望退職―――企業特殊的人的資本
・情報、シグナル及び引き抜き―――シグナリング仮説
・動機づけとしての昇進―――トーナメント
・年功型インセンティブ制度
・チーム―――インセンティブ、モニタリング、フリーライダー
・職務:課題と権限
・評価―――評価のルール、アップ・オア・アウト
入社から退社までの各イベントを、人事に関する経済理論でそれぞれ解説していて、マネジャーだけでなく雇う側の考え方を知るという意味ではマネジャー以外の人にとっても大変役に立つものになっていると思います。
■ 個人的な視点から
この本は最初に図書館で借りて、メモを取りながら最後まで通して読んだ後、自分で買い直しました。そんなわけで手元の本書は非常に美しい状態のままです。現在は必要な部分は一度テキストファイルのメモを検索し、さらに詳しく知りたい場合だけは本書を開くようにしています。こうすることで、本自体はきれいなままですが、マーカーと付箋がベタベタ貼ってある状態のように本書の内容についてのインデックス付けをしています。
この方式のメリットは、フォルダ内のテキストを検索すると同じキーワードで何冊もの関連する本がヒットすることです。特に同じ著者の本が何冊もあるときには、記憶だけではどの本かを特定できないので有効です。
この方法のデメリットは、非常に時間がかかることとコンピュータが必要になることです。普段はDoCoMoのシグマリオンを持ち歩いているのでやろうと思えば新幹線の中でもできますが、紙とペンの機動性にはかないません。県内在住の松山真之助さんは都内までの始発電車の中で「マインドマップ」を書きながら本を読み、毎日メルマガで紹介しています。この「百夜百冊」も松山さんの『早朝起業』を読んで真似して始めたものですが、過去に読んだ本を紹介しているので、毎日読んでアウトプットしている松山さん方式に比べるとサステイナブルでないことが難点です。
○解決策
1.在庫が尽きるまでやる。
2.ペースを落とす。
3.毎日1冊きちんと読む(ペースを上げる)。
もっとも前向きな選択肢は「3」ですが、朝から晩まで読んでも1週間も2週間もかかるような本もあるのでバランスをとらないといけないですね。
■ どんな人にオススメ?
・人事を体系的に理解したいマネジャー。
・雇う側から自分がどう見えるのかを知りたい人。
■ 関連しそうな本
樋口 美雄 『人事経済学』
ポール・ミルグロム, ジョン・ロバーツ (著), 奥野 正寛, 伊藤 秀史, 今井 晴雄, 八木 甫(翻訳) 『組織の経済学』 2005年01月24日
八代 尚宏 『日本的雇用慣行の経済学―労働市場の流動化と日本経済』 2005年03月23日
稲継 裕昭 『日本の官僚人事システム』 2005年02月10日
伊藤 秀史, 小佐野 広 『インセンティブ設計の経済学―契約理論の応用分析』 2005年02月26日
■ 百夜百マンガ
連載開始の時点(1995年)でも相当古い車だったAE86ですが、連載から10年経つともはや旧車どころでは済まないような・・・。
学園ものでは必ず問題になる「作中と現実の時差」の問題ですが(『コータローまかりとおる』では作中で自ら突っ込んでました)、車のマンガでもそういうずれは生じるもんなんですね。
投稿者 tozaki : 2005年04月05日 07:00
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