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2005年04月13日

横浜市改革エンジン フル稼動 中田市政の戦略と発想

■ 書籍情報

横浜市改革エンジン フル稼動 中田市政の戦略と発想   【横浜市改革エンジン フル稼動 中田市政の戦略と発想】

  南 学, 上山 信一
  価格: ¥1,890 (税込)
  東洋経済新報社(2004/12/22)

 本書は、2002年の中田市長就任から始まった横浜市役所の改革に、当事者として携わった著者自身(参与である南氏)が、2年半の改革の成果と課題を振り返る内容となっています。
 中田市長は、それまで24年間続いてきた役人出身の市長とは明らかに異なる「政治家としての市長」というスタンスを取ることを強調しました。そして、1年でできない改革は4年経ってもできない、と言ってスタートダッシュに力を入れ、それまでの行革担当セクションである「総務局」の改革案づくりに「営業停止」を宣告し、新たに改革の事務局となる「エンジンルーム」を設置しました。これらのことから、中田市政というと、やり手の新市長がトップダウンで独裁的に改革を進めている、というイメージを持たれがちですが、本書は、中田市長のリーダーシップのスタイルがそのような意味での「トップダウン」ではないことを示しています。それは、中田市長が持っている「市長と職員の役割分担」の考え方にあります。
 中田市長は、最終的な政策判断をするのは市民からの信任を受けた市長の責任だが、そのためのオプション(選択肢)を用意するのは職員の責任、という役割分担の意識を持っていて、市長自身から「正解」を示すのではなく、徹底的に職員自身に考えさせるための問題提起をする役割に徹しています。ドラスティックに見える横浜市の改革の数々も、業務に精通している職員自身が徹底的に考え、議論したものであるからこそ、実効を挙げることができるのです。
 このような改革は、日本最大の市役所である横浜市役所だからできたことで、特別なもの、という見方があるかもしれませんが、日本最大の市役所が自ら変わることができるのであれば、日本が変わることができる、もしかしたら自分のところも市役所も変わるかもしれない、という期待を持たせてくれる一冊です。


■ 個人的な視点から

 中田市長は、総務局作成の行革案に対して営業停止を宣告したときに、「役人の限界」という言葉を使いましたが、この言葉がマスコミを通じて独り歩きして、「中田市長は市役所職員を見限った」というイメージが流布しました。しかし、横浜市の職員は2年後、「役人の限界」という言葉に対して「役人の底力」という言葉とともに無数の実行という形で回答をしました。それが2005年2月に開催された「ハマリバ収穫祭2004~役人の底力~」です。

 「ハマリバ収穫祭2004~役人の底力~」 

 これは、職員自身の手によって「ハマリバ=横浜リバイバルプラン」の成果、市役所の各現場で取り組まれた改革の「果実」を持ち寄って、発表しあおうというイベントです。このイベントの冒頭で市長は、「このタイトルを聞いて小躍りするほどうれしかった」とあいさつしています。役人が現場で底力を発揮し、一方で役人の力ではどうしようもない制度の壁は市長の責任で変えていく、この両輪が上手く機能することで改革を進めて行くという手法は、日産のカルロス・ゴーン氏の改革に通じるところがあると感じます。


■ どんな人にオススメ?

 ・自分の住んでいるところの市役所にも変わってほしいと思っている人。
 ・自分が勤めている役所を変えたいと思っている公務員。


■ 関連しそうな本

 山田 宏, 中田 宏, 長浜 博行 『ニュージーランド行革物語―国家を民営した国』 2005年03月04日
 北川 正恭 『生活者起点の「行政革命」』 2005年03月07日
 カルロス・ゴーン, フィリップ・リエス 『カルロス・ゴーン経営を語る』 2005年03月05日
 石井 幸孝, 上山 信一 『自治体DNA革命―日本型組織を超えて』


■ 百夜百マンガ

ヨコハマ買い出し紀行マ【ヨコハマ買い出し紀行】

 ということでヨコハマを舞台にした作品を紹介します。
 残念ながらこの作品中では水没してしまっていますが・・・(>_<)
 ハマリバでも地球温暖化防止の取り組みがいくつか取り上げられていましたのでちょうどいいかもしれません。

投稿者 tozaki : 2005年04月13日 07:00

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