« 民意民力―公を担う主体としてのNPO/NGO | メイン | 人的資源 リーディングス 日本の企業システム »
2005年05月19日
秩禄処分―明治維新と武士のリストラ
■ 書籍情報
落合 弘樹
価格: ¥693 (税込)
中央公論新社(1999/12)
本書は、前政治体制の支配階層だった士族に与えられていた家禄を、一定額の国債を与えることで打ち切る「秩禄処分」の経緯を当時の時代背景とともに解説したものです。
現代で言えば、公務員をいったん全員解雇して退職金を国債で支払うようなものに喩えられますが、現代の公務員と違って「戦士」である彼らから生活給を奪うようなことがスムーズにできたのでしょうか。本書は、処分に至るまで交わされてきた様々な激論を紹介しながら、現代に生きる我々が失ってしまった「武士の気概」や公と私のあり方など多くの示唆を与えてくれます。
「休まず遅れず働かずで一生安泰」が揺らいできた現代の公務員にもオススメの一冊です。
■ 個人的な視点から
「座食」「居候」「平民の厄介」「無為徒食」・・・。士族の俸禄打ち切りは一気に行われたわけではありません。まず、段階的に俸禄が削減されていき、下級士族は生活できるぎりぎりまで追い込まれます。その後、国民皆兵によって徴兵された国民が国防の中心を担うようになり、士族の本分である「戦士」としての役割が奪われます。これによって、士族は国民から冒頭のような「ただ飯食い」との非難を受けるようになるのです。
しかし、全ての士族が職を失い路頭に迷ったわけではなく、新政府の官僚になる者もあれば、国債を元手に事業を起こした者も多くいます。俗に「士族の商法」といえば下手な商売を指しますが、現代のベンチャー企業も「千三つ」と言われるように起業にはリスクはつき物で、繊維産業や原野開拓において士族が果たした役割は小さくありません。
現代の「士族の商法」は、資金もリスクも役所丸抱えで大赤字を出していますが、退職した公務員が自らリスクを負って社会的起業をするのであれば、千に3つくらいは社会を変えるような出来事が起きるかもしれません。
■ どんな人にオススメ?
・社会起業家を目指している公務員。
■ 関連しそうな本
町田 洋次 『社会起業家―「よい社会」をつくる人たち』 2005年02月16日
D. ヘントン, K. ウォレシュ, J. メルビル (著), 加藤 敏春 (翻訳) 『市民起業家―新しい経済コミュニティの構築』 2005年03月15日
上山 信一 『「政策連携」の時代―地域・自治体・NPOのパートナーシップ』 2005年03月28日
稲継 裕昭 『日本の官僚人事システム』 2005年02月10日
■ 百夜百マンガ
時代劇なのにキャラクターのネーミングが秀逸です。シドやロットン、ブラック・サバスにシンリジイまでハードロック系のミュージシャンが中心です。
キャラクターの名前がミュージシャンと言えば『ジョジョの奇妙な冒険』が有名ですが、「むげにん」のネタ元一覧とかもあるのでしょうか。
投稿者 tozaki : 2005年05月19日 07:00
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.pm-forum.org/MT3/mt-tb.cgi/248

【無限の住人 】