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2005年06月23日
情報と政治
■ 書籍情報
高瀬 淳一
価格: ¥2,940 (税込)
新評論(1999/06)
本書は、米国の事例、特に大統領選挙に関する研究を中心に、政治に対するマスメディアによる報道の影響を解説した「テレビ・デモクラシー」研究の概説書です。
「メディア・イベント」として選挙を捉えたときに、重要となるのは「競技」「制覇」「戴冠」の3つの構成要素です。そして、日本における近年の選挙報道は、候補者個人に関するもののが減少した代わりに、政党のリーダーの発言・動静がクローズアップされるようになっています。また、開票情報はニュース・ショー化が著しくなっていて、「ニュース・ショー」の文化特性としては、(1)映像化、(2)即時化、(3)人物化があることが述べています。
また、マスメディアの長期的影響としてのシニシズムの蔓延に関しては、マスメディアはプロの政治家を「党利党略や私利私欲のためならば公約破りの嘘までつく存在」としてイメージ化する傾向があり、米国では政治報道における過剰な「ゲーム・スキーマ」がこの傾向を後押ししています。「冷笑の螺旋」理論によれば、戦略的対決というニュースのフレームが否定的な性格付けを招き、シニシズムと政治不信につながる、という説明がされています。
政治運営の手段としての情報提供に関しては、議会対策としての世論の動員という手法が一般化し、「サウンドバイト政治」と呼ばれるテレビニュースに取り上げられやすい短いセリフを多用した政治手法が解説されています。
私たちが政治に関する情報を最も多く入手するソースがマスメディアです。本書は、メディアを通じた政治情報の噛みこなすためのメディアリテラシーを身につける上で、有用な参考書になると考えられます。
■ 個人的な視点から
「メディア・リテラシー」や「有権者教育」と言うと、情報の受け手である消費者や有権者がどのように情報を受け取るべきか、という受動的なイメージや啓蒙主義的なイメージがありますが、本書のような「情報の送り手側が何を考えているか」を学ぶことがメディア・リテラシーを身につける近道なのではないかと思います。
テレビニュースでキャッチフレーズとして面白おかしく取り上げられる政治家の一言一言が、どのような計算や意図に基づいているのか、また意図していない受け止められ方をしているのか、ということを考えながらテレビニュースや新聞を読むと面白いのではないでしょうか。
■ どんな人にオススメ?
・メディア・リテラシーを身につけたい人。
・キャッチフレーズを多用した「サウンド・バイト政治」には踊らされたくない人。
■ 関連しそうな本
横江 公美 『判断力はどうすれば身につくのか―アメリカの有権者教育レポート』
横江 公美 『Eポリティックス』 2005年02月11日
岩崎 正洋 (編) 『サイバーポリティクス―IT社会の政治学』 2005年04月09日
岩崎正洋(編) 『eデモクラシー』 2005年05月02日
■ 百夜百マンガ
「からだの皮をはぐ話」ではF先生の得意な同アングル一人芝居を7コマ続けてジャイアンが好演しています。落語を観ているようなジャイアンの喜怒哀楽の七変化は必見です。
「人食いハウス」はSF(少し不思議)テイスト溢れる作品で、炎天下の「シ~ン」には乾いた冷たさがあります。
10年の時を描いた「無人島へ家出」では、のび太は成人してしまうわけですが、タイムふろしきで10歳の体に戻ったとは言え、人間的な成長は無かったのでしょうか。
「ラジコン大海戦」に登場するいとこの大学生「スネ吉にいさん」はワンポイントキャラなのですがいい味を出しています。
投稿者 tozaki : 2005年06月23日 07:00
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