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2005年07月02日

痛快!コンピュータ学

■ 書籍情報

痛快!コンピュータ学   【痛快!コンピュータ学】

  坂村 健
  価格: ¥1,785 (税込)
  集英社インターナショナル(1999/11)

 本書は、日本のコンピュータ界の権威である著者が、「大学で教えているコンピュータ科学の講義をレベルを下げずに分かりやすく解説する」という無茶なお題にチャレンジしたものです。
 「コンピュータ学」と銘打たれていますが、決してパソコンの解説本ではありません。むしろ、我々が「コンピュータ」という言葉から想像するデスクトップ型やノート型などのパソコンは「あと10年で滅びる?」(本書の出版が1999年ですのであと4年?)とまで言っているくらいです。本書で取り扱う中心は、スーパーコンピュータから携帯電話まで含めた広い概念の「コンピュータ」そのものです。今から6年前の本書が発売された時点でも、我々の生活はコンピュータに囲まれ、コンピュータのない生活など想像もできないものでした。商品についているバーコードを読み取るレジスター、24時間お金が下ろせるATM、ビデオデッキやエアコン、自動車などもコンピュータ無しでは動きません。「コンピュータとは何か」を知らなくても、分厚いマニュアルを読まなくても、快適に生活を送ることができますが、コンピュータの本質や原理を知った上でうまく付き合う方が、より豊かな人生を送ることができる、というのが本書のメッセージです。
 著者はコンピュータを「無色透明の道具」と説明しています。同じコンピュータが計算機やゲームや電話など様々な用途に使われるからです。しかし、この「無色透明さ」がコンピュータを難しいものにしている要因でもあります。コンピュータ以前の発明品、例えば自動車や時計は、中を覗けばその基本原理と実際の働きとの関係を直感的に理解しやすくなっていますが、コンピュータのマザーボードをいくら眺めてもコンピュータの働きは直感的に理解できません(だから昔の映画やアニメに登場する「コンピュータ」は赤や黄色や緑の様々なランプがチカチカ点滅するという映画的な表現をしているとも言えます。)。こうした分かりにくさを「セマンティック・ギャップ」(Smantic:意味的な)と呼ぶそうです。つまり、「一を聞いて十を知る」ことが難しいと言うことです。
 本書では、このギャップを克服するために、情報のコード化から始まり、論理回路の仕組み、アルゴリズムなど、大学の「情報処理論基礎」の講義とも言えそうな内容を図解入りで分かりやすく説明しています。易しく書いたとは言え、ちょっととっつきにくい部分ではありますが、ここを通過すると、CPUやOS、インターネットなど、今コンピュータを使っている人にとっては馴染みのある言葉の意味が非常に理解しやすくなります。
 要所要所に著者が開発した「TRON」というOSの宣伝も出てきますが、「コンピュータとは」から考えて行くと、TRONが欲しくなってしまうかもしれません(実際には多くの人が気づかないうちに複数のTRONを使用しているのですが。)。


■ 個人的な視点から

 個人的には、ミーハーな坂村ファンなので、ユビキタス関係の講演を聴きに行ったり、ノートパソコンに B-Right/Vをインストールしたり、TiPOを使っていたりと、すっかりTRON漬けの生活を一時送っていたのですが、互換性の問題や入力効率の問題などで、あんまり使わなくなってしまいました。(^^;
 B-Right/Vは文書の中に文書をどんどん入れ子状に作成できるので、論文を一から構想するのにはとても便利でした。また、TipoはPDAの形状ながらハイパーメディアを使うことができるので、記憶に近い形で思いついたことをどんどん入力できるのが魅力でした。ただし、キーボードがなくペンによる手書き入力なので入力速度が低く、結局Windows CEが乗ったSigmarionを愛用しています。
 速いCPUにカラーモニターとキーボードが付いた「新TiPO」とかがあれば速攻で買ってしまうのですが・・・。Sigmarionやモバギにインストールできる「超漢字」とかないものでしょうか。クリックすると拡大します。

TRON PROJECT
BTRONとは
通信用語の基礎知識 - #BrainPad TiPO
ハイパーメディア 【hypermedia】


■ どんな人にオススメ?

・コンピュータはブラックボックスだと思っている人。


■ 関連しそうな本

 坂村 健 『痛快!コンピュータ学 集英社文庫』
 相田 洋 『電子立国日本の自叙伝』
 PMC研究所 『はじめてみようBTRON―考えることを助ける国産OS』
 鹿嶋 育朗 『WindowsユーザーのためのB‐right/V入門―発想を形にシンクロするコンピュータ活用術』
 美崎 薫 『TiPO PLUS究極活用術―TiPO TIPS ULTIMATE』
 美崎 薫 『ハイパーメディア徹底活用術―情報が知恵になる』


■ 百夜百音

シングルス【シングルス】 ジューシィ・フルーツ オリジナル盤発売: 1992

 「ジェニーはご機嫌ななめ」は有名なジューシー・フルーツのベストアルバムです。やっぱり前半の近田春夫が手がけた頃が一番勢いがあります。「恋のぼんちシート」の元ネタの「3.恋はベンチシート」も収録。後半の桑田メロディも名曲ですが、バンドの個性としてはやはり弱い感じです。
 何気にShi-ShonenやFair Childの戸田誠司が「9.夢見るシェルター人形(夢見るシャンソン人形)」をプロデュースしています。


『DO DO DO Plus』DO DO DO Plus

投稿者 tozaki : 2005年07月02日 07:00

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