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2005年07月04日

マネジャーのための交渉の認知心理学―戦略的思考の処方箋

■ 書籍情報

マネジャーのための交渉の認知心理学―戦略的思考の処方箋   【マネジャーのための交渉の認知心理学―戦略的思考の処方箋】

  マックス H・ベイザーマン (著), マーガレット A・ニール (著), 奥村 哲史
  価格: ¥3,045 (税込)
  白桃書房(1997/01)

 本書は、ノースウェスタン大学ケロッグ・ビジネス・スクールとスタンフォード大学ビジネス・スクールで教えられている交渉論の内容、交渉における合理的思考を、マネジャーなどの実務者向けに噛み砕いて解説したものです。
 構成は以下のような3部構成になっています。
・「第1部 交渉における共通ミス」:交渉において陥りやすいミスを事例を挙げて解説し、二者間交渉における自分自身の意思決定プロセスのチェックを行います。・・・固定パイ幻想、係留効果(アンカリング)、フレーミング、手には入りやすい情報、勝者の呪い、自信過剰
・「第2部 交渉のための合理的なフレームワーク」:交渉の状況を合理的に理解するためのフレームを解説しています。特に交渉で吟味すべき情報として挙げている9つの「処方箋」は重要です。・・・BATNA(交渉が成立しない場合の最善の代替案)、バーゲニング・ゾーン、双方のバイアス
・「第3部 複雑な交渉を単純化する」:複数の相手、案件、制約条件などの複雑な要因を理解するための単純化の方法を解説しています。・・・専門的知識、感情と公平性、多者間交渉、第三者による交渉、競争入札、アクションによる交渉
 本書は、米国の経営書にありがちな冗長な書きぶりもなく、要点を短く、テンポよく、そして具体的な数字を織り交ぜて書かれており、学術書としてではなく、ビジネスマンにも読みやすいものになっています。専門書っぽさを漂わせる値段と出版社に物怖じしてしまいそうですが、特に予備知識がなくても読めるものですので、ぜひ手にとってみてください。


■ 個人的な視点から

 本書は、印南一路氏の『ビジネス交渉と意思決定―脱"あいまいさ"の戦略思考』の参考文献に掲載されていたことがきっかけで購入しました。本書の位置づけは、同じ著者による学術書である『Cognition and Rationality in Negotiation』の一般向け版というものになっています。
 本書で紹介されている9つの処方箋、すなわち、
・処方箋1:現在の交渉相手との合意が成立しない場合、自分はどうするか、を検討せよ。・・・自分のBATNA
・処方箋2:現在の交渉相手が、自分と合意しない場合はどうする気なのかを検討せよ。・・・相手のBATNA
・処方箋3:交渉の本当の問題点を探せ。・・・交渉当事者の利害関係
・処方箋4:ひとつひとつの案件が自分にとってどれくらい重要なのかを検討せよ。・・・自分の利害の相対的重要度
・処方箋5:交渉相手にとっての一つ一つの案件の重要度を検討せよ。・・・相手の利害の相対的重要度
・処方箋6:バーゲニング・ゾーンを検討せよ。・・・バーゲニング・ゾーン
・処方箋7:どこにトレード・オフが存在するか検討せよ。・・・交渉の統合的次元
・処方箋8:次のバイアスによって自分がどれくらい影響されているのかを検討せよ・・・自分のバイアスのチェック
・処方箋9:同じバイアスによって自分の交渉相手がどれくらい影響されているのかを検討せよ。・・・相手のバイアスのチェック
については、交渉を職業としている人は机の上に貼り出しておいてもいいくらいだと思います。


■ どんな人にオススメ?

・交渉を職業としている人。
・自分の身の回りが交渉で溢れていることに気づいた人。


■ 関連しそうな本

 印南 一路 『ビジネス交渉と意思決定―脱"あいまいさ"の戦略思考』 2005/06/28
 Margaret A. Neale (著), Max H. Bazerman (著) 『Cognition and Rationality in Negotiation』
 柳川 範之 『契約と組織の経済学』 2005年02月22日


■ 百夜百マンガ

ドラえもん (第16巻)【ドラえもん (第16巻) 】

 25年後の父親になった自分に会いに行く「りっぱなパパになるぞ!」は、実際にパパになってから読むと身につまされるものがあります。それにしても作中に登場する2002年の世界に比べると現在はそれほど未来的ではないですね。「睡眠圧縮剤」は欲しいですが。
 落語的な展開がさえているのは、「お金なんか大きらい」と「ウルトラよろい」です。ラジオドラマとかにしても面白そうです。
 虐待されている犬と飼い主が入れ替わる「ドロン葉」は、結構泣ける話です。

投稿者 tozaki : 2005年07月04日 07:00

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