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2005年07月13日
判断力はどうすれば身につくのか―アメリカの有権者教育レポート
■ 書籍情報
【判断力はどうすれば身につくのか―アメリカの有権者教育レポート】
横江 公美
価格: ¥777 (税込)
PHP研究所(2004/10)
本書は、アメリカの有権者教育、特に子供や若者に対する教育に関して、学校やNPOの活動を題材に取り上げながら、政治に関するメディアリテラシー教育の重要性を指摘しているものです。
アメリカでも日本と同様に、若者の政治離れや投票率の低下が問題となっています。しかし、アメリカは1世紀を超える有権者教育の長い歴史を持ち、学校教育の中で民主主義の原則や知識を学び、また、有権者教育を支える様々なNPOの活動が盛んに行われています。アメリカで有権者教育が盛んになった背景には、移民に対しての民主主義やアメリカ誕生の理念などの教育から始まり、東西冷戦の元での民主主義の賛美、そして、ベトナム戦争を経て、「一人の有権者として国のために何ができるのか」という個人の視点が加わり、争点の設定、議論、現場体験という民主主義の技術を学ぶものになりました。
本書で紹介している有権者教育の事例では、小学生に、内容を知らずに投票することの怖さを教える「キッズ教材」では、「学校、休憩時間、アイスクリーム、宿題、テレビ」のそれぞれの項目にイエスかノーを付けさせます。各選択肢に関する付随的な情報は与えません。そして、投票が終わってから、「<学校>の休みは無くします。」「<アイスクリーム>はニンニク味です。」という各項目の詳細な情報を教えます。これによって、子供たちは、投票には何が必要か、を学びます。
教育関係者はもちろん、判断力が身についているはずの大人にもぜひ一読いただきたい一冊です。
■ 個人的な視点から
日本では低投票率に対する対策は、ただひたすらに「投票に行きましょう。今日は投票日です。」の連呼を繰り返すだけです。名前と「お願いします」をひたすら連呼する候補者と同じことを選挙管理委員会もやっていることになります。これでは、ただでさえ中身のない候補者の演説にうんざりしている有権者の気持ちを逆撫でするばかりです。
候補者が、「政策の話をしても票にはつながらない。お願いと人間性を訴えるしかない。」と思っているのと同様に、選挙管理委員会も、「選挙権の大切さと怖さを理屈で説明しても通じない。お願いと倫理に訴えるしかない。」と思っているようです。
そして、候補者や政党がマニフェストを出し始めたのと同様に、選挙管理委員会も正面から、有権者教育とメディアリテラシーの重要性を打ち出してもいい頃かもしれません。
■ どんな人にオススメ?
・自分は判断力があると思っている人。
■ 関連しそうな本
横江 公美 『第五の権力 アメリカのシンクタンク』 2005年06月13日
横江 公美 『Eポリティックス』 2005年02月11日
高瀬 淳一 『情報と政治』 2005年06月23日
丸楠 恭一, 坂田 顕一, 山下 利恵子 『若者たちの"政治革命"―組織からネットワークへ』 2005年05月11日
■ 百夜百マンガ
藤子・F・不二雄先生の直系のお弟子さんの作品です。子供の頃にコロコロコミックや小学館の学習雑誌でお馴染みでした。「風立ちぬ。今川焼き。塩辛、綿菓子、心の食べ物」という替え歌が頭から離れません。
投稿者 tozaki : 2005年07月13日 07:00
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