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2005年07月19日
「ピカソ」のキャリア「ゆでガエル」のキャリア
■ 書籍情報
村山 昇
価格: ¥1,470 (税込)
すばる舎(2003/10)
本書は、30代半ば、社会人12年目くらいをターゲットに、キャリア形成のスタイルをキャリア形成の意志と形成環境から、「ピカソ」「耕一さん」「タンポポの種」「ゆでガエル」の4つに類型化し、それぞれのタイプが歩むキャリアをシミュレートしているものです。
著者自身も、雑誌編集者からスタートし、教育関係など4つの職を経た後、「キャリアの自画像を描く」というキャリア・ポートレート・コンサルティングという会社を興し、キャリア開発支援を行っている方です。
本書の構成は、大学卒業後、消費財メーカーのF社に就職した「加藤さん」が、自らの意志と行動でキャリアを選択して行く(または選択しない)うちに、そのキャリアが「ゆでガエル」、「タンポポの種」、「耕一さん」、「ピカソ」の4つのキャリアに枝分かれして行く、というものです。
「ゆでガエル」の加藤さんは、居心地の良い環境のHOWに安住し、WHATやWHYを考えなくなるうちに、すっかり茹で上がってしまいます。「安すれば、鈍する」というメッセージが伝わってきます。
「タンポポの種」の加藤さんは、「俺のいる場所はここじゃない」と言っては、開拓のためではなく逃避のための転職を繰り返します。「納得」したキャリア選択であれば自分らしさを出して行くことができますが、「妥協」したキャリア選択は「当たり・ハズレ」に大きく左右され、また逃避を繰り返すことになります。
「耕一さん」の加藤さんは、「消費者の曖昧な思考や感性を数値化する」プロフェッショナルになりたい、という目標イメージを持ち、そこから逆算してスキルや行動特性を高めていく、演繹的なイメージングを行い、専門スキルを深堀りしていきます。著者は、能力形成のスタイルを「T字型」と「t字型」の2種類に分類し、汎用スキルを広く取る「T字型」のピカソ型能力形成に対し、専門スキルを深堀りしていく「t字型」の能力形成を耕一さん型の能力形成に位置づけています。
最後に、「ピカソ」の加藤さんは、いくつかのプロジェクトを経験する中で、コミュニケーションを軸としたブランディングを学ぶために米国に留学し、コンサルティング会社に転職します。ピカソ型のキャリアは、「七放・五落・十二達」(目標の7割の目途が立てば行動に移し、いったんは5割レベルまで後退するものの、状況との格闘の中で当初目標より高い地点に到達する。)を繰り返していきます。
キャリア形成の意志<強>
↑
耕一さん | ピカソ
キャリア |
形成環境 |
<固定的>←――――+――――→<流動的>
|
|
ゆでガエル | タンポポの種
↓
キャリア形成の意志<弱>
■ 個人的な視点から
本書を読むきっかけは、先週、「キャリアデザイン研修」という形で著者の講義を受ける機会があったことです。研修では、おもちゃの「レゴ」をスキルや行動特性に見立ててグループで船を組み立てたり、「キャリアMQ」という特性診断を受けたりしましたが、「キャリアデザイン」という意識が希薄な人でも理解しやすい研修だったのではないかと感じました。
とかく、大きな組織にいると「自分でキャリアを形成する」という意識が弱くなりがちですが、茹で上がってしまう怖さや浮浪してしまう怖さを、著者のビジネスマンとしての経験を元にしたリアリティのある形で描写しています。
■ どんな人にオススメ?
・30代半ばの人。
■ 関連しそうな本
金井 壽宏 『働くひとのためのキャリア・デザイン』 2005年01月30日
上山 信一, 梅村 雅司 『行政人材革命―"プロ"を育てる研修・大学院の戦略』 2005年04月16日
秋山 進, 山田 久 『インディペンデント・コントラクター 社員でも起業でもない「第3の働き方」』 2005年02月02日
ダニエル ピンク (著), 池村 千秋 (翻訳), 玄田 有史 『フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか』 2005年02月02日
■ 百夜百マンガ
とにかく主人公なのにしゃべらない。しゃべらないのに、これだけ面白く話が回るのはなぜ?
特異なキャラクターの主人公に周りの人間が勝手に絡んで自滅するタイプの話が多かった気がします。
投稿者 tozaki : 2005年07月19日 07:00
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