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2005年07月24日
Z(ズィー)カー
■ 書籍情報
片山 豊, 財部 誠一
価格: ¥714 (税込)
光文社(2001/10)
本書は、アメリカで「Zカー」を売りまくり、「DATSUN」ブランドを広く認知させた「ミスターK」「Father 0f Zcar」こと著者・片山豊氏(当時91歳)を軸にして、1970年代のアメリカでのZカーの大ブレイクと、ゴーン社長による日産のリバイバルの象徴としてのZカーの復活をつないだ物語です。
片山氏の一生をかけた自動車への情熱、Zカーへの情熱と、組合との対立や内部での権力争いを繰り返して自動車作りへの情熱や感動を与えられなくなった日産という企業とが大変対照的に描かれています。
アメリカで全く無名だった日産の車を、50歳にして調査目的で渡米した片山氏が、「ダットサンの車を野ざらしにするような売り方はできない」とアメリカ日産を立ち上げ、一軒一軒ディーラーを回って販売網を作っていく姿は、何歳になっても開拓者精神が必要であることを教えてくれます。そして、アメリカの若者がこんなスポーツカーを求めている、というところに立脚して、本社に開発を要請し、「240Z」が誕生したエピソードなど、豊田英二、本田宗一郎と並んでアメリカの自動車殿堂入りした片山氏ならではの逸話が本人の口から語られています。
クルマ好きの人はもちろん、「車は単なる移動手段」としか思っていない人にも、一つの仕事にこれだけ深くのめりこんだ話は、ぜひ読んでもらいたいと思います。
■ 個人的な視点から
本書で一番印象に残ったのは、男の嫉妬の恐ろしさと社内政治に明け暮れる官僚的社員の陰湿さです。片山氏は元々組合との折り合いが悪く、調査目的でアメリカに渡ったのも「体よく日本から追い出された」からだと述べられています。当時の日産は、後の社長になる石原取締役の腹心の部下が東海岸を拠点に活動していたので、片山氏は西海岸に渡ります。「販売には手を出すな」と指示されたものの、マーケットの現状をつぶさに見た片山氏は、アメリカ本社の必要性を感じてすぐさまロスに会社を登録してしまいます。そして、東海岸は一向に売れない中で、西海岸は売上を伸ばしていきます。VWのサービスを参考に、日本から観光ビザで次々に技術者を送り込み、サービス面を充実させ、ついにはVWを抜いて輸入車ナンバーワンの座を勝ち取ります。その後、Zカーを投入し、アメリカにおける「DATSUN」ブランドは不動のものになります。
しかし、片山氏の帰国後、1980年にその「DATSUN」ブランドが姿を消すことになります。アメリカでダットサンがあまり売れるので、当時の石原社長のしゃくに障ったんじゃないか、なんてことも書かれていますが、とにかく、長年築き上げてきたブランドが一夜にして消え去った悲しみは推して知るべしです。
また、Zカー自体も日産におけるタブーになっていきます。「若者のポルシェ」だったはずのZカーが、バブリーな高級車志向に伴ってドンドン大きく高い車になってしまいました。ついには北米での販売が中止されてしまいます。そして、日産社内では片山氏自身がタブーになり、Zカーも社史からほとんど抹殺されるほどの扱いをされ、片山氏と話をしているところを見つかると呼び出しを食らう、ほどの存在になってしまいました。
この日産の「黒歴史」であった「Zかー」「片山豊」が、ゴーン社長の誕生によって再び表舞台に上がることになるのですが、この続きはぜひ本書をお読みください。
■ どんな人にオススメ?
・クルマ好きな人。
・クルマを単なる移動手段と思っている人。
■ 関連しそうな本
日本経済新聞社 (編集) 『俺たちはこうしてクルマをつくってきた―証言・自動車の世紀』 2005年07月05日
カルロス・ゴーン, フィリップ・リエス 『カルロス・ゴーン経営を語る』 2005年3月5日
カルロス・ゴーン (著), 中川 治子 (翻訳) 『ルネッサンス ― 再生への挑戦』
デビッド・マギー (著), 福嶋 俊造 (翻訳) 『ターンアラウンド ゴーンは、いかにして日産を救ったのか?』
■ 百夜百音
【LIFE】 オリジナル盤発売: 1994
フリッパーズギターの片割れとして、ソロになってからの2作目の大ヒットアルバム。どの曲もシングルカットできるくらいポップな曲ばかりです。元相方が音づくりにこだわり続けるタイプとしたら、メロディと歌詞にこだわり続けるタイプと言えるでしょうか。
関連CDは「6.今夜はブギー・バック」つながりでスチャダラパーです。
投稿者 tozaki : 2005年07月24日 10:00
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