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2005年08月01日
地方官僚 その虚像と実像
■ 書籍情報
塩沢 茂
価格: ¥980 (税込)
産業能率大学出版部(1980/01)
本書は、今から四半世紀前の自治体職員の規律のない無節操な姿を、全国の市町村役場や視察旅行先を取材して伝えているものです。
扱われているのは、当時問題になった高ラスパイレス指数(国家公務員給与に対する比率)の自治体や、縦割りの杜撰な業務処理の問題、予算使いきりのために全国各地、果ては海外まで出かけていって観光旅行を満喫する「先進地視察」等、当時の自治体職員の高待遇に見合わない税金の無駄遣いぶりです。
取り扱われているのは、1977年現在のラスパイレス指数が132.8で日本一だった大阪府門真市、そして最近は聞かないですが門真、蓑面、高槻といった「衛星都市連合(衛都連)」、ラスパイレス指数125、経常収支比率102という財政状況の中で新庁舎建設に踏み込んだ泉大津市などの関西の自治体、年度末の予算消化目的の観光「視察旅行」で満室の宮崎や指宿などです。
元々が雑誌『現代』に掲載されたルポルタージュ記事ということもあり、取材としての詰めの甘さ(取材に行ったはいいけど成果なし、とか)や基礎的な法令理解の無さ(任期途中で辞職した町長の行動を「懲戒処分ものだ」・・・)など、取材自体も下調べ不足の突撃記事的な感じが否めませんが、当時はまだ自治体職員の素行に関する情報が少なかったことの裏返しなのかもしれません。
■ 個人的な視点から
本書の衝撃的なところは、現在問題になっている自治体職員のお手盛り諸手当や予算使いきりのための観光旅行が未だに無くなっていないということです。現在、大阪市や神戸市など、関西の自治体職員のあまりの厚遇ぶりが明らかになってきていますが、これは、ラスパイレス指数というモグラを一つ叩いたところで、福利厚生やヤミ退職金などの名目で別のモグラが頭を出していた、というだけのことに過ぎません。
そして、予算使いきりのための視察観光旅行も未だに後を絶ちません。通常、視察といえば、何か困っている課題や情報収集したいテーマが先にあって目的地や日程が組まれるものと考えられますが、現実は異なります。国内・海外問わず、旅行会社各社から「視察旅行のご案内」と題したパンフレットが送りつけられてくるのです。そこには、視察目的も日程も全て記載されており、担当者はこれを元に起案を作成し(というか書き写し)、後は旅行会社にお任せ、という状態です。これで復命書まで作ってくれれば究極のアウトソーシングなんですが。
■ どんな人にオススメ?
・大阪市役所問題に関心のある人。
■ 関連しそうな本
稲継 裕昭 『日本の官僚人事システム』 2005年02月10日
稲継 裕昭 『公務員給与序説―給与体系の歴史的変遷』
■ 百夜百マンガ
マンガのヒットに比べて映画はいまいちぱっとしなかった感じがしますが、それでもたくさんの俳優・タレントを発掘しています。
主人公と同じ名前の俳優さんが現在活躍していますが、当時の雑誌で「たまたま主人公と同じ『本名』だったのでオーディションに応募しました。」みたいな子供だましなインタビューが書かれていたのが記憶に残っています。
投稿者 tozaki : 2005年08月01日 07:00
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