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2005年08月09日
ハイ・フライヤー―次世代リーダーの育成法
■ 書籍情報
モーガン マッコール (著), 金井 壽宏, リクルートワークス研究所 (翻訳)
価格: ¥2,100 (税込)
プレジデント社(2002/01)
本書は、成功をおさめる経営幹部(ハイ・フライヤー:高く飛ぶ人)がどのようにリーダーシップを学ぶのか、そしてどんな有能な人でもなぜ「脱線」してしまうのかを、クリエイティブ・リーダーシップ・センターの研究等をもとに語ったものです。
リーダーに必要な資質として、生まれながらに運命に定められた、「何かいいもの(right stuuf)」を持っている人がいるはず、という考え方が多く見られます。この考え方に基づくと、企業における人材「開発」スタッフは、生まれながらにして天賦の才に恵まれた人を探す「適者生存アプローチ」をとることになります。しかし、今日のリーダーに必要とされる複雑なスキルに対応するためには「天賦の才」だけでは十分とは言えません。そこで必要となるのが、新しい能力の獲得というもう一つの人材開発の見解です。
それは、リーダーシップは経験によって開発されるものだというものです。そして、リーダーが直面すべき戦略的な課題を特定し、そのような「成長を促す経験」を学ばせる人と時期をどのように見極めるか、ということが問題になります。他者を開発させることはできませんが、組織は人が学習する環境を創造することはできるのです。
一方で、期待された才能溢れる有能なリーダーでも経営幹部になったとたんに「脱線」してしまうことが多々あります。本書では、「脱線」の要因として、「『強み』は『弱み』になる」、「見えなかった部分が問題になる」、「成功によって傲慢になる」、「不運」という4つの要因を挙げています。そして効率性を追求する中で、組織と個人が「無意識の共謀」や「組織的な共謀」によって脱線を生み出していることを指摘します。
「リーダーシップを持った人がいない」という共通の悩みを抱えている多くの日本の組織にとって、本書は有益なサジェスチョンを与えてくれますが、これは人材育成スタッフだけの問題ではなく、ぜひリーダー自身にこそ読んでもらいたい内容になっています。
■ 個人的な視点から
昔、子供の頃放送していたアニメに「円卓の騎士物語 燃えろアーサー」というのがありましたが、「リーダーシップ」という言葉を聞くと、若きアーサー王が岩に突き刺さり誰も抜けなかったエクスカリバーをあっさりと引き抜くのと同じように、生れながら持っているもの、選ばれた者のみが持つもの、という印象を多くの人が持っています。そして、物語の中での多くの困難な経験は、選ばれた者の資質を確認するもの、「真の勇者」であるかどうかを確かめる選抜のプロセスとして描かれます。
しかし、本書は、リーダーシップは経験から学ぶことができることが大きいことを述べていて、その実例も多く示されています
また、本書を読むきっかけとなった『仕事で「一皮むける」 関経連「一皮むけた経験」に学ぶ』に紹介されている日本企業の経営幹部の姿も、かけがいのない経験ではありますが、全く非凡な才能のみに支えられているわけではなく、多くのことを経験の中から学び取っています。
■ どんな人にオススメ?
・「リーダーシップのある人材がいない」と嘆くリーダー。
■ 関連しそうな本
金井 壽宏 『仕事で「一皮むける」 関経連「一皮むけた経験」に学ぶ』 2005年04月25日
金井 寿宏 『リーダーシップ入門』 2005年03月31日
ステファン・P. ロビンス (著), 高木 晴夫, 永井 裕久, 福沢 英弘, 横田 絵理, 渡辺 直登 (翻訳) 『組織行動のマネジメント―入門から実践へ』 38400
金井 寿宏, 高橋 潔 (著) 『組織行動の考え方―ひとを活かし組織力を高める9つのキーコンセプト』 2005年04月27日
■ 百夜百マンガ
「円卓の騎士」と言えばこのマンガ。アーサー王がかくれんぼしたりおちょくられているのがおかしい4コマです。
「コダエモン」や「いっき」等のレギュラーもよいです。
投稿者 tozaki : 2005年08月09日 07:00
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