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2005年08月13日
図で考える人は仕事ができる
■ 書籍情報
久恒 啓一
価格: ¥1,575 (税込)
日本経済新聞社(2002/05)
本書は、図を使って考えることの素晴らしさ、思考全般、仕事、そして人生にとっていかに役立つかを、解説したものです。自らの航空会社時代の仕事上の経験や、宮城大学の学生と作った図などを挙げながら、図で考えることで物事がよく分かるさまを説いています。
注意しなければならないのは、図解の方法そのものを書いたノウハウ本ではないことと、本書自体は図で書かれているわけではないことです。しかし、キーワードを丸で囲んでその関係を矢印で表す、という図解の基本の説明だけあれば、本書で解説されている「図解思考」の説明としては十分です。それ以上の図解テクニックは言ってみれば「てにをは」の部分の話で、図解による思考の本質を解説しようとする本書の意図としては不要な話だと思われます。
では、「図解思考」で肝になる考え方・視点とは何でしょうか。本書では「鳥の目」「虫の目」という言葉で、図解による思考と文章による思考の違いを表しています。あまりに高い場所、「人工衛星」から地上を見ても、分かった、という納得感を得にくいものです。一方で、あまりにも細かすぎる視点、すなわち「虫の目」で町並みを見ようとしても、全体を理解することは困難です。物事の本質的な関係性を一覧する「鳥の目」こそが「図解思考」に不可欠であることが示されています。
本書を読んだからといって、直ちに図解を使いこなせるようになるものではありませんが、「なぜ図で考えると物事が理解できるのか」という疑問に答えてくれる一冊ではないかと思います。
■ 個人的な視点から
アマゾンのコメントを読むと、本書が文章中心で書かれていて図が多用されていないこと、そして図解のテクニックを教えてくれるものではないことに対する不満がたくさん寄せられています。確かに、図解に関する本を何冊も出している「図解の伝道師」とも言える本著者の本を買ってみたら文字ばかりだった、というのはショックかもしれません。しかし、本書の意図しているところを考えると、本書の内容はやはり図ではなく文章で書かれるべきものであったのでないかと思います。
それは、本書のタイトルにある「仕事ができる人」は、他人の手によってよく噛み砕かれた「図解」によって思考する人ではなく、むしろ、文章で書かれたものを自分なりの理解で噛み砕いて「図解化」して理解する人ではないかと思うからです。図解には、多かれ少なかれ図解者のフィルターを通ることによるバイアスがかかります。そのため、他人のアウトプットとしての図解を見るよりも、自分自身が図解作業をすることの方が、格段に理解が深まります。
つまり、本書で解説されている「図解思考」を理解する一番の方法は、本書を図解してみること、つまり「図読」することではないかと思います。もちろん、通勤電車の中などで読む人は図読をするスペースはないかもしれませんが、自分なりの図を頭の中に思い描きながら読み進めると、「図解思考」への理解が深まるのではないかと思います。
(ちなみにWebookの松山真之助さんは、早朝の始発電車に乗ることで「図読」をしながら通勤をされています。)
■ どんな人にオススメ?
・なんで図で考えると理解しやすいのか、を知りたい人。
■ 関連しそうな本
久恒 啓一 『図で考える人は仕事ができる 実践編』
久恒 啓一 『図解仕事人』 『知的生産の技術』 2005年05月05日
中野 不二男 『メモの技術―パソコンで「知的生産」』
川喜田 二郎 『発想法―創造性開発のために』
板坂 元 『考える技術・書く技術』
■ 百夜百音
【Perspective】 P-MODEL オリジナル盤発売: 1982
日本のニューウェイブシーン(まだあるのか?)で異彩を放ち続ける平沢進率いるP-MODELは、有頂天にも強い影響を与えるなど、ミュージシャンズ・ミュージシャンとして一部では有名ですが、知らない人は全く知らない、という代物です。
雑誌でAmigaというコンピュータを強く推奨していたのを読んで、とても欲しかったです。当時の先輩の家にあった、レコード会社に買ってもらったAmigaは高嶺の花でした。
TOKAIというメーカーから出ていた平沢進モデルのTALBOギターというのもありました。一回弾いてみたいものです。
投稿者 tozaki : 2005年08月13日 10:00
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