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2005年10月22日

伽藍とバザール―オープンソース・ソフトLinuxマニフェスト

■ 書籍情報

伽藍とバザール―オープンソース・ソフトLinuxマニフェスト   【伽藍とバザール―オープンソース・ソフトLinuxマニフェスト】

  エリック・スティーブン レイモンド (著), 山形 浩生 (翻訳)
  価格: ¥1,890 (税込)
  光芒社(1999/09)

 本書は、Linuxに代表されるオープンソースの開発コミュニティについて、
(1)なぜそのようなやり方で優れたソフトができるのか?・・・「伽藍とバザール」
(2)何がそこに参加する人たちを突き動かすのか?・・・「ノウアスフィアの開墾」
(3)そのビジネスモデルはどのようなものか?・・・「魔法のおなべ」
の3つの論文+著者へのインタビューによって解説しているものです。
 第1部の「伽藍とバザール」では、集権的なソフト開発(伽藍方式)とオープンソースのソフト開発(バザール方式)を対比しながら、オープンソースによって優れたソフトが開発できる理由、例えば「デバッグは並列処理可能である」などについて解説しています。この中で、クローズドなソフト開発での過剰なマネジメントのスタイルよりも、ソフト開発者を突き動かすのは、「セクシー」で技術的に魅力ある仕事であり、「おもしろさというのは、ソフトに限らずあらゆるクリエイティブな仕事に言えるわけだけれど、ただのお金なんかよりもずっとずっと優れたニンジンなんだ」と語られています。
 第2部の「ノウアスフィアの開墾」では、オープンソースの世界における、「所有権」の考え方や贈与経済としてのハッカー文化、そして評判のメカニズムについて解説されています。中でも評判に関しては、「仲間内のよい評判はそれ自体が重要な報酬」であること、「名声は他人の注目を集めて協力を得るのにすごく有効な方法」であること、「もし贈与経済が交換経済や上意下達方式と接触していたり混じり合ったりしていた場合にも、評判がそっちに持ち越されて、もっと高い地位を得る役に立つかもしれない」ことなどが述べられています。そして、自分で名乗るだけではハッカーになれず、「ほかのハッカーにハッカーと呼ばれた時点で、人はハッカーになる」という格言が紹介されています。
 第3部の「魔法のおなべ」では、オープンソースのビジネスモデルを解説し、コンピュータ・プログラムが他の財などと異なり2種類の経済価値、すなわち、「利用価値」(ツールとして使うときの経済価値)と「販売価値」(販売できる商品としてみたときの価値)を持っていることが述べられています。
 オープンソースの世界の価値観を知りたい、という人にとっては入門書としても最適ではないかと思います。


■ 個人的な視点から

 オープンソースの考え方は、Linux等のコンピュータ関連で取り上げられることが多いですが、その考え方をコンピュータ以外、例えばビジネスモデルなどに拡張することができそうです。
 例えば、社会起業家を支援しているアショカ財団は、自らが支援するフェローを選定する条件の中に、そのビジネスモデルを他の地域に広げることが可能か、というものを挙げています。
 本書は、このような社会起業家やNPOの世界を捉える視点を提供するものの一つではないかと思います。


■ どんな人にオススメ?

・オープンソースの世界の入り口を探している人。


■ 関連しそうな本

 リチャード・M・ストールマン (著), 長尾 高弘 (翻訳) 『フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集』
 ペッカ ヒマネン, リーナス トーバルズ, マニュエル カステル (著), 安原 和見, 山形 浩生 (翻訳) 『リナックスの革命 ― ハッカー倫理とネット社会の精神』
 金子 郁容, 松岡 正剛, 下河辺 淳 『ボランタリー経済の誕生―自発する経済とコミュニティ』 2005年08月29日
 Jr.,フレデリック・P. ブルックス (著), 滝沢 徹, 富沢 昇, 牧野 祐子 (翻訳) 『人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない』
 渡邊 奈々 『チェンジメーカー 社会起業家が世の中を変える』 2005年08月11日

■ 百夜百音

少年ホームランズ12【少年ホームランズ12】 少年ホームランズ オリジナル盤発売: 1987

 ChibaWave(チャイバウェーヴ)界の伝説的バンド。総武線沿線住人は必ず聞くべきではないかと。ハルメンズは知っていてもこちらは知らない人が多いようです。
 焼きそば食べましょう。


『ハレはれナイト』ハレはれナイト

投稿者 tozaki : 2005年10月22日 09:00

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