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2005年10月17日
イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき
■ 書籍情報
【イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき】
クレイトン・クリステンセン (著), 玉田 俊平太, 伊豆原 弓(翻訳)
価格: ¥2,100 (税込)
翔泳社増補改訂版 (2001/07)
本書は、「優良企業がなぜリーダーの座を追わせるのか?」という問題に対し、優良企業が失敗するのは、顧客の声に熱心に耳を傾け、新技術に投資し、利益率の向上を目指し、大きな市場を目標にするという、経営としてすべて正しいことを行うが故に失敗する、というジレンマを指摘したものです。
著者は、イノベーションを「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」の二種類に分類します。持続的イノベーションが、主要市場の顧客が評価する性能指標に従い、既存製品の性能を向上させるものであるのに対し、破壊的イノベーションは、主流市場においては製品の性能を引き下げるものであるが、主流市場以外の新しい顧客に評価される、通常は低価格、シンプル、小型、使い勝手が良い、という製品を生み出すという特徴を持ちます。
本書で取り上げる事例は、技術、市場構造、全体規模、垂直統合が急速に変化し、「産業界のショウジョウバエ」にたとえられるディスク・ドライブ業界です。1956年に開発された世界初のディスク・ドライブである「RAMAC」(24インチディスクを50枚持ち、容量5MBに対し大きさは大型冷蔵庫ほど)から8インチ、5.25インチ、3.5インチ、2.5インチ、1.8インチのHDD、そしてフラッシュメモリーまで、主流の市場から見ると低スペックの新しい技術が、新しい市場を基点に次々に既存の市場を下から奪って行く様が描かれています。市場が求める性能向上の傾きよりも、製品の性能向上の傾きの方が急であるために、これら「破壊的イノベーション」によって、「持続的イノベーション」を続ける既存製品は、ローエンドの市場から徐々に追いやられることになります。
この他、油圧式掘削機に追いやられるケーブル式掘削機や会計ソフト、インシュリン・ペン製品、トランジスタラジオ等、様々な破壊的イノベーションの例が紹介されています。
これらのジレンマを、著者は次の5つの原則によってまとめています。
・原則1:企業は顧客と投資家に資源を依存している。
・原則2:小規模な市場では大企業の成長ニーズを解決できない。
・原則3:存在しない市場は分析できない。
・原則4:組織の能力は無能力の決定的要因になる。
・原則5:技術の供給は市場の需要と等しいとは限らない。
本書は、理論と実務のバランスがとれた読みやすい構成になっていますので、研究者はもちろん、ビジネスマン向けにもおすすめできる経営書のひとつではないでしょうか。
■ 個人的な視点から
昔、よくアキバのジャンク屋で古いコンピュータを買ってきてLinuxやBeOSなどをインストールして遊んでいました。そういうところに売っているパソコンは、リース切れで回収された4~5年前のものが多かったのですが、最先端のスペックのモデルが、OSを入れるだけで精一杯になってしまうことに、この世界のイノベーションの速さを感じました。
特にハードディスクは、古いコンピュータから外された340MBとか850MBの3.5インチや2.5インチが無造作に並べられ、1000円~2000円で投げ売られているのを見て、「当時は数万円だった」と思うと不思議な感じがしました。
残念ながら最近は、時間や居住スペースの関係でジャンクPCをいじって遊ぶ機会はなくなりましたが、今でもアキバに行くとパーツ屋やジャンク屋をひやかし、サンボで牛丼を食べてしまいます。
■ どんな人にオススメ?
・優良企業がつまづく理由を知りたい人。
■ 関連しそうな本
クレイトン・クリステンセン, マイケル・レイナー (著), 玉田 俊平太, 櫻井 祐子 (翻訳) 『イノベーションへの解―利益ある成長に向けて』 2005年09月29日
クレイトン・M・クリステンセン, スコット・D・アンソニー, エリック・A・ロス (著), 宮本 喜一 (翻訳) 『明日は誰のものか イノベーションの最終解』
キム・クラーク, カーリス・ボールドウィン (著), 安藤 晴彦 (翻訳) 『デザイン・ルール―モジュール化パワー』
米倉 誠一郎 『経営革命の構造』 2005年09月09日
■ 百夜百マンガ
TVアニメ化もTVドラマ化もされたこの作品ですが、メカマニアックな内容はアニメはともかくドラマではどう表現されたのかが気にかかるところです。
メカマニアと言えば、作品の中でホンダのシティ搭載用のバイクである「モトコンポ」がかっこよかったです。それにしても発売は1981年、今から20年以上前ですね。
投稿者 tozaki : 2005年10月17日 06:00
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【逮捕しちゃうぞ 】