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2005年10月23日
働こうとしない人たち - 拒絶性と自己愛性
■ 書籍情報
矢幡 洋
価格: ¥777 (税込)
中央公論新社(2005/05/11)
本書は、カウンセラーである著者が、カウンセリングの中で出会った「働こうとしない人たち」を中心に、アメリカの事例の紹介を交えながら、働こうとしない影に見える「拒絶性」と「自己愛性」について述べたものです。
1人目のAさんは、大学卒業後、決まっていた企業への内定を蹴り、「留学したい」だの理由をつけては働こうとはせず、ゲームセンターに夜中まで入り浸っています。将来の夢と言えば「人並みより良い暮らしがしたい。」くらいしか浮かびません。やりたいことがないのです。
2人目のB子さんは、「天職を探している」と言って勤めていた会社を辞め、ディズニー映画の翻訳がしたいと翻訳学校に通い翻訳の仕事を始めます。しかし、実際に仕事を始めてみるとつまらなかったのですぐに辞めてしまい、今は「アニメの脚本家になりたい」と言っています。しかし具体的な行動は何一つ起こさず、「天職探し」だけをしているのです。
著者は、個人のパーソナリティーを「他己チュー→自己チュー」の軸に沿って、
・依存性パーソナリティー
・演技性パーソナリティー
・マゾヒスティック・パーソナリティー
・自己愛性パーソナリティー
・サディスティック・パーソナリティー
・反社会性パーソナリティー
に分類しています。このうち、演技性、拒絶性、マゾヒスティックの3つは、「自分がやりたいことがなさすぎて仕事に就けない「拒絶性スタイル」に、自己愛性、サディスティックの二つは「自分がやりたいこと」にこだわりすぎて仕事が選べない「自己愛性スタイル」に位置づけられています。
心理学の切り口からニートの問題にアプローチした本書は、普段、失業率などの統計数字に接している人にとっては、ミクロの事例を知る良い参考書になるのではないかと思います。
■ 個人的な視点から
本書は読み物としては面白いのですが、本書で取り上げられている当人たちにとってはこの上なく不愉快なものでしょう。また、現在他の理由でカウンセリングを受けている人にとっても、本書のように面白おかしく(と言っても誇張しているわけではなくやり取りそのものが面白いのですが)カウンセリングの様子を紹介している本の存在は心中穏やかなものではないと思います。
ちょうど、コンピュータのサポートセンターにかかって来た相談の事例を面白おかしく紹介する本が存在するために、サポートセンターの人がいくら丁寧に接しても、「心の中では、仲間内では笑いものにしているんじゃないか?」という不安を持つのと同じように、カウンセラー全般に対する不振を招く危険もあるのではないかと思いました。
■ どんな人にオススメ?
・ニート問題に関心のある人。
■ 関連しそうな本
玄田 有史 『仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若年の現在』 2005年07月20日
玄田 有史, 曲沼 美恵 『ニート―フリーターでもなく失業者でもなく』
宮本 みち子 『若者が『社会的弱者』に転落する』 2005年05月04日
大久保 幸夫 『新卒無業。―なぜ、彼らは就職しないのか』
FOX‐兄貴 『サポセン黙示録』
■ 百夜百音
【ゴールデン・ベスト】 SHOW-YA オリジナル盤発売: 2002
今日が「大復活祭」ということで、往年のファンの皆さんは昔の服を引っ張り出したり歌詞を覚えなおしたりと準備に余念がないようです。
「会場での託児サービス、地方からのバスツアーを実施します!」という周到さが同窓会的な雰囲気を盛り上げています。
『1990 BUDOKAN-REACH FOR THE WORLD』
投稿者 tozaki : 2005年10月23日 06:00
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