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2005年11月19日

情報行動の社会心理学―送受する人間のこころと行動

■ 書籍情報

情報行動の社会心理学―送受する人間のこころと行動   【情報行動の社会心理学―送受する人間のこころと行動】

  川上 善郎 (編集), 高木 修
  価格: ¥2,625 (税込)
  北大路書房(2001/06)

 本書は、社会心理学の様々な視点から、「私たち」と「社会」を結びつける行動である情報行動を論じたものです。11人の執筆者がそれぞれの専門分野から情報行動にアプローチしていますが、本書はこれらを大きく4つに分けた4部構成としています。
 第1部「社会に『開く』」では、自分自身をいかに社会に開くかといったといった行動について、自己呈示や自己表現の問題を扱っています。自己呈示の方法として紹介されているのは、(1)取り入り、(2)威嚇、(3)自己宣伝、(4)示範、(5)哀願の5つの方法です。また自己呈示に関しておもしろかったのは、自分が否定的な印象を抱かれる危険に対して、事後的には「弁解と正当化」を、事前的には「セルフ・ハンディキャッピング」(遂行に不利な条件を自ら作り出す行為。試験や試合前に深酒をしたり、努力・練習を行わないことで失敗した時の弁解の材料にする。)という行動をとることが知られていることです。また、第1部では、インターネット社会における集団力学についても解説されています。
 第2部「社会を『知る』」では、これまでマスメディアを通して多くの情報を得ていた私たちの情報環境が、インターネットによってどのように変化するか、マスメディアの役割はどう変質するか等が論じられています。インターネットによる情報交換が、グラノベッターの「弱い紐帯」を結びつける機能を発揮することで、多様性を持った情報をもたらしてくれる可能性についての考察が興味深いものでした。
 第3部「社会に『つながる』」では、携帯電話によってネットワークがどのように変容するか、またネットワークの脆弱性の影響などについて論じられています。携帯電話による社会生活の影響として、スケジュールの不確定性の減少や、その影響によるスケジュールの緊密化、物理的には遠いが親しい人との相互作用の増加などが説明され、また職業生活に関しては、生産性の向上や仕事と遊びの融合、個人事業者の参入障壁減少、労働者に対するコントロールの変化、等が挙げられています。また、携帯電話によって子どもを管理する「リモート・マザリング」という言葉があることをあることを初めて知りました。
 第4章「社会を『動かす』」では、口コミなどのパーソナル・コミュニケーションの重要性とともに、実際に個人の発言が社会を動かした事例を紹介しています。印象形成研究における「ネガティビティ・バイアス」(悪印象は覆しにくく、持続しやすい)の問題に関しては、インターネット上の悪い口コミの例として東芝サポートセンター事件が紹介されています。
 本書は、社会心理学からのアプローチについて、多様な執筆者が様々なアプローチを紹介しているため、どうしても寄せ集め的な印象は否めませんが、それぞれ参考文献も紹介されているため、インターネット社会における心理について関心のある人にはよい入門書になるのではないかと思います。


■ 個人的な視点から

 最近でこそ「情報」という言葉は当たり前のように使われていますが、昭和40年代くらいまでは「情報」というとスパイ活動などが想像される暗いイメージ(明治時代には純粋な軍事用語でした)を持っていて、本書のタイトルも当時ならば「スパイ活動の社会心理学」と理解されただろう、ということです。
 そういえば昔は、「社会」という言葉が「社会主義」に通じるからということで使うのを嫌った人もいたらしいということを思い出しました。


■ どんな人にオススメ?

・インターネット社会についての理解を深めたい人。


■ 関連しそうな本

 パトリシア ウォレス (著), 川浦 康至, 貝塚 泉 (翻訳) 『インターネットの心理学』 2005年10月15日
 アダム N.ジョインソン (著), 三浦 麻子, 畦地 真太郎, 田中 敦 (翻訳) 『インターネットにおける行動と心理―バーチャルと現実のはざまで』
 金子 郁容, VCOM編集チーム 『「つながり」の大研究―電子ネットワーカーたちの阪神淡路大震災』
 池田 謙一 『ネットワーキング・コミュニティ』
 川上 善郎 『おしゃべりで世界が変わる』 2005年03月06日


■ 百夜百音

ファイト!ファイト!ちば!【ファイト!ファイト!ちば!】 ジャガー オリジナル盤発売: 2005

 ネイティブ千葉県民なら誰でも知っている(はず)の伝説のロッカーです。月曜日の夜7時前の5分間、千葉テレビの放送枠を買い取った大金持ちの会社社長。ライブハウス「ジャガーカフェ」も持ってました。元々は「キース・ジャガー」と名乗っていたことから、目指している音楽性は伝わるものの、洋裁学校時代を歌った「破れたジーパン」など、フォークな感性がそこかしこに光っています。パオパオチャンネルでとげとげのブーツをはいて悪者をやっつけていたことでも有名です。
 しばらく活動を休止していて、久しぶりに千葉テレビに戻ってきましたが、テロップによれば「タイムマシーンで数日間の旅行の後、地球に帰ってきたのであった。」とのことです。


『TIME MACHINE』TIME MACHINE

投稿者 tozaki : 2005年11月19日 11:00

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