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2006年01月06日

経営革命大全

■ 書籍情報

経営革命大全   【経営革命大全】

  ジョセフ・H. ボイエット, ジミー・T. ボイエット (著), 金井 壽宏, 大川 修二 (翻訳)
  価格: ¥1995 (税込)
  日本経済新聞社(1999/02)

 本書は、1990年代を代表するビジネス思想の「権威(グル)」たちの理論やコンセプトを一冊の本に凝縮したものです。本書では、数多くのグルたちを、リーダーシップ、変革のマネジメント、学習、チーム制、戦略、モチベーション、未来の組織設計の7つの分野に分け、それぞれのコンセプトの成立過程や長所、短所を評価しています。
 第1章の「リーダーシップ」は、グルたちにとって非常に儲かる分野であり、アドバイス料だけで月に50万ドル以上を稼ぐ者もいることが述べられています。コンセプトは論者ごとに異なっていますが、「自然法則」として以下の3点に要約されています。
・自然法則1:リーダーには喜んで従う部下がいる。
・自然法則2:リーダーシップは相互作用の場である。
・自然法則3:リーダーシップは1つの出来事である。
 第2章の「変革をマネジメントする」では、「変革のための方程式」が紹介されています。
    C=A×B×D>X
C=変革が成功する見込み
A=現状に対する不満度
B=変革達成後の望ましい状態の明治
D=目的に向けての具体的な第一歩
X=変革に要するコスト
 第3章の「学習する組織」では、組織の学習不足を診断し治療する方法として、
(1)内省とコミュニケーションを学ぶ
(2)システム思考を学ぶ
(3)学習する文化を作る
の3つのアプローチが紹介されています。
 第4章の「チームワークを活用した高業績組織の創造」では、グルたちが好んでとりあげる以下の8つの助言が紹介されています。
・助言1:作業を再設計せよ。ただ単にチームを作るな。
・助言2:給与体系を再設計せよ。
・助言3:情報システムを再設計せよ。
・助言4:個人の業績評価を変更/撤廃せよ。
・助言5:明確で、しかも達成するのに努力を要する、チームの業績目標を定めよ。
・助言6:チームは小さく。
・助言7:適切な作業環境を整えよ。
 第5章の「マーケット・リーダーシップの追求」では、「金のなる木」や「負け犬」などで有名なボスコンの「成長率/市場占有率マトリックス」から、ポーターの競争戦略とそれに対するミンツバーグの批判、ハメルとプラハラードの「コア・コンピタンス」、トレーシーとウィアマーセの「価値法則」、ブランデンバーガーとネイルバフの「コーペティション」まで、競争戦略のグルたちの栄枯盛衰が、さながら歴史物語のように描かれています。
 第6章の「人材の管理とモティベーション」では、つぶれかけた工場をオープンブック(会計帳簿の開示)・マネジメントで再生させたジャック・スタックの「ビッグ・ゲーム」を数多くのエピソードを交えて紹介するとともに、バランス・スコアカードやインセンティブ給システムなどを解説しています。
 第7章の「ビジネス、労働、社会」では、ドラッカーが唱える「ポスト資本主義社会」(産業革命→生産性革命→経営革命)や、ハンディが提唱する「シャムロック型組織」等が解説されています。
 本書の巻末には、グルたちに(高い報酬を払うために)連絡を取る上で便利なアドレス帳もついていますが、日本の読者にとっては、これまで色々な流行に乗ってバラバラに読んできた本やコンセプトを整理し、今後どんな「グル」たちの教えを読むべきかを示唆する優良な読書ガイドとして機能するものです。


■ 個人的な視点から

 よく大学で使われる「経営学」のテキストが、歴史を追ってテイラーやバーナードを紹介している「縦の人名図鑑」だとすると、本書は1980年代から1990年代にかけての「グル」たちを電話帳的に整理した(実際に電話帳もついてますが)「横の人名図鑑」という趣があります。経営学の歴史を学ぶこと自体にももちろん価値がありますが、学生以外の多くのビジネスマンが知りたいと思っているのは、街の本屋に山ほど並んでいる「グル」たちの教えをどのように整理するか、という現時点を整理する本書の方ではないかと思います。
 タイトルが『経営革命大全』という大げさなモノだったので初めは読むのをためらいましたが、原題の『The Guru Guide: The Best Ideas of the Top Management Thinkers』からイメージされる内容にはぴったりでした。
 せっかくですから日本の「グルガイド」も誰か作ってくれないでしょうか。ネタ元が誰なのかが分かると多くの日本の「グル」の主張もわかりやすくなる(実も蓋もないですが)ように思われます。


■ どんな人にオススメ?

・「グル」たちの教えを整理したい人。


■ 関連しそうな本

 ジョセフ・H. ボイエット, ジミー・T. ボイエット (著), 金井 壽宏, 大川 修二 (翻訳) 『経営革命大全―世界をリードする79人のビジネス思想 日経ビジネス人文庫』
 スチュアート・クレイナー (著), 梶川 達也 (翻訳) 『マネジャーのための経営思想ハンドブック ― 経営学ロジックの歴史をじっくりと確実に学びたい方のために』
 スチュアート クレイナー (著), 嶋口 充輝 , 黒岩 健一郎 , 岸本 義之 (翻訳) 『マネジメントの世紀1901~2000』
 別冊宝島編集部(編) 『わかりたいあなたのための経営学・入門』 2005年01月26日
 ヘンリー ミンツバーグ, ジョセフ ランペル, ブルース アルストランド (著), 斎藤 嘉則, 奥沢 朋美, 木村 充, 山口 あけも(翻訳) 『戦略サファリ―戦略マネジメント・ガイドブック』 2005年02月15日
 ヘンリー ミンツバーグ (著), 中村 元一 , 黒田 哲彦, 崔 大龍, 小高 照男 (翻訳) 『戦略計画 創造的破壊の時代』


■ 百夜百マンガ

毎日かあさん カニ母編【毎日かあさん カニ母編 】

 ほのぼの家庭マンガなのにリアルタイムで離婚しちゃうって言うのも、健康食品のCMに出た人が闘病記書いてるようなもんですが、それを自然に読ませてしまうのがサイバラらしさなのでしょうか。
 お正月の毎日新聞にアンパンマンのやなせたかし氏との対談が載ってました。
 
<「夢の新春対談:アンパンマンと毎日かあさん」

投稿者 tozaki : 2006年01月06日 07:00

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