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2006年02月18日
ヤクザ・リセッション さらに失われる10年
■ 書籍情報
ベンジャミン・フルフォード
価格: ¥1,000 (税込)
光文社(2003/10/04)
本書は、『フォーブス』のアジア太平洋支局長である著者の目から見た、日本の大不況の現況である「政・官・業・ヤクザ」の「鉄の四角形」の癒着を描いたものです。著者は、日本経済を、3割のゾンビ企業が7割の優良企業の足を引っ張る「負け犬天国」の状態にあるとし、その背後にヤクザの存在があるとしています。
高度成長期の日本を世界第2位の経済大国に押し上げた「政・官・業」の「鉄の三角形」は、1980年代後半のバブル期にヤクザが加わって「鉄の四角形」となったとしています。そして、この後の不況期には、数多くの金融機関が絶望的な不良債権を抱えましたが、この中に裏社会との不法な取引関係が多く隠されていると指摘し、数多くの官僚や銀行家が闇の勢力によって命を失ったと述べています。そして、このようなケースでよく現場で見つかる「遺書らしきメモ」とは、「拳銃などで脅かされて書かされた走り書き」であると付け加えられています。
また、官僚に対する巧妙な利益供与の手口として、バブル期に用いられた「絵画」の「取引」が紹介されています。これは、贈賄業者が官僚にそれほど市場価値のない「絵画」を贈り、しばらく経ってからグルになった美術商がその何十倍もの価格で買い戻すことで、取引を装って、贈賄業者から現金を官僚に渡すことができる、というものです。
さらに、現在経済的にも政治的にも大きなイシューとなっているヤクザとベンチャー・ビジネスの関係についても言及し、「有名な旅行会社やIT業界の有名なベンチャー企業は、創業時に糸山の助けを借りるか、ヤクザが関わった」と述べられています。
著者は、日本では憲法で定められた「法の下の平等」が機能していない例として、「日本では問題が起こると、裁判所に頼む代わりに、政治家やヤクザ、官僚に処理を頼むことが一般化しているのです。そういう貸し借りの中で、物事が決められていくシステムができあがっているのです。」という中坊公平氏の言葉を引用しています。
この日本経済を再生するために、著者は「バンクホリデー」を紹介しています。これは「銀行が休みの日」、すなわち「政府による金融機関の強制休業のことで、政府はこの間に不良債権処理を一気に進め、ダメな金融機関を潰す」ことだとしています。
この他、本書には、アメリカ嫌いのカナダ人の著者によるアメリカ批判なども収められています。
センセーショナルな本を売りにしている光文社ペーパーバックスだけに、内容の信憑性はともかく、スパっと日本経済を斬る著者の視点は読む価値があると思います。
■ 個人的な視点から
本書で、目に留まってしまったのが、旧大蔵省に出入りしていた生保レディを使った生保の接待戦略です。美人の良家の子女を、大蔵省の若手エリートの周りに次々と送り込み、脈がありそうだ、と彼女たちから感触を得た生保の「MOF担」は早速お見合いや合コンをセットし、これで誕生したカップルが少なからずあるそうです。
これは当事者達にとっては良いことずくめのように見えます。大蔵官僚は、出会いの少ない(らしい)生活の中で、美人の家柄の良い伴侶を得ることができました。生保レディは、将来の事務次官候補となる超エリートをつかまえることができます。生保のMOF担は「嫁さんの世話をしてやった恩人」となることができました。しかも、表向きは「自由恋愛」の結果であってやましいところはありません。
しかし、この人たちの幸せのツケを払わされるのは、生保との癒着によって規制に温存された中の保険商品しか選ぶことができない国民だということを忘れてはいけません。それにしても羨まし・・・くないです。
本書の終わりの方には、瀕死の日本経済を象徴するものとして、日本有数の「シャッター通り」である木更津駅前と旧木更津そごうビルが紹介されています。ゴースト・ビルという触れ込みですが、営業していないフロアをいくつも通過するエスカレーターには確かになかなかお目にかかれません。
■ どんな人にオススメ?
・大不況の原因が何だったのかに関心がある人。
■ 関連しそうな本
ベンジャミン フルフォード 『日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日』
広瀬 隆 『私物国家―日本の黒幕の系図』
ベンジャミン フルフォード, 早見 恵 (著), 土井 洸介 『ペテン師の国 ヤクザの帝国 国家破産へのスロープ編―政・官・財・ヤクザが日本を吸い尽く』
門倉 貴史 『日本アングラマネーの全貌―地下経済の隠し総資産』
中丸 薫, ベンジャミン・フルフォード 『泥棒国家日本と闇の権力構造』
■ 百夜百音
【死無愚流 呼麗苦衝音】 氣志團 オリジナル盤発売: 2004
「木更津の寂れた感じがいい」というような感じのことをインタビューで答えていた人がいましたが、薬師丸ひろ子が木更津市長選に出る事務所開きのロケを見て、秘書課に「御注進」してしまったうっかりものの職員もいたそうです。ダメだこりゃって感じでフィクションよりも現実の方がトホホ感が強いですね。
投稿者 tozaki : 2006年02月18日 14:00
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