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2006年02月04日
フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集
■ 書籍情報
【フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集】
リチャード・M・ストールマン (著), 長尾 高弘 (翻訳)
価格: ¥3,360 (税込)
アスキー(2003/05/06)
本書は、フリーソフトウェア運動の中心人物として知られているRMSことリチャード・ストールマンのエッセイや講演録をまとめたものです。
収められている講演の中にも名前が出ますが、クリエイティブ・コモンズで知られるレッシグ教授が序文を寄せています。その中で、著者のことを「好きになるのは大変そうな人物だということを知っている程度である。」と述べるとともに、「彼は衝動的で、しばしば短気になる。彼の怒りは、敵と同じように友にも向かう。彼は妥協を知らず、頑固である。この2つのことについては病気のようなものだ。」と著者の性格を評します。しかし、この後、我々が、コードの威力と危険性を理解し、またコードが法律や政府と同様にフリーでなければならないものであることに気づいたときには、著者のビジョンを思い出し、次世代の社会が手にするはずの自由の獲得に最大限の努力を示したことを再認識する、と称えています。
本書は、あちこちに書いたエッセイや講演の寄せ集めなので同じようなことが何度も繰り返されますが、その中でもっとも頻度が多いのは「フリー」の意味についてです。この場合の「フリー」は、「フリー(無料)ビール」の意味ではなく、「フリースピーチ(言論の自由)」の意味だという言い回しは、著者が講演などで何度も使っているものです。その上でフリーソフトウェアの自由は以下の4種類だとされています。
・自由0:プログラムを任意の目的のために実行する自由。
・自由1:プログラムが動作する仕組みを研究し、自分のニーズに合わせて書き換える自由(そのためには、ソースコードへのアクセスが前提条件となる)。
・自由2:隣人を助けるためにコピーを再頒布する自由。
・自由3:プログラムを改良し、改良点を公開して、コミュニティ全体の利益を図る自由(そのためには、ソースコードへのアクセスが前提条件となる)。
また、フリーソフトウェアは、有料でも無料でも再頒布する自由を持っていて、一般に使われる「フリーウェア」とは混同して欲しくないと述べられています。
本書で取り上げられるもう一つの大きいテーマは、「コピーレフト(Copyleft)」です。これは「著作権(Copyright)」をもじったものですが、「Copyleft--all rights reversed.」等のように使われます。本書では、著作権と特許の違いについても解説がされています。
著者は、ソフトウェアがフリーでなければならない理由の説明に、料理のレシピがソフトウェアと同じように死蔵される不幸を例に出します。医者から塩分を控えるように言われている人がシェフに「この料理のレシピから塩を取り除くにはどうしたらいいか。」を尋ねたときに、「俺の頭脳と舌の申し子である俺のレシピに土足で踏み込んで侮辱するとはどういう了見だ。お前に俺のレシピを訂正しろなどと言われる筋合いはねえ!」と言われる、という例です。しかし、同じことがソフトウェアの世界では起こっていることを著者は指摘したいのです。著者は、「知的な分野では、他人の肩の上に乗ることによってより高い地点に到達できるようになる」のが一般的であるのに対し、ソフトウェアの世界では「自分と同じ会社の他人の肩」に乗れるだけだと指摘しています。
■ 個人的な視点から
著者が推進しているGNUプロジェクトの名称は、「GNU is Not Unix」という再帰的な言葉となっています。著者は講演の中で、当時ハッカーの間でこのような再帰的頭字語でのネーミングが流行っていたことについて触れています。なんとかして「Is Not Unix」となる言葉を探しているうちに、アフリカの動物である「GNU」にたどり着いたということです。ただし、元々の発音は「new」と同じであるのに対し、このシステムは「guh-NEW」と発音されることを強調しています。
また、講演の中では、GNUがLinuxと混同されることを笑いを取る持ちネタとして多用しています。本書の後半はいくつかの講演録が収められていますが、会場の雰囲気を想像しながら読むと楽しいかもしれません。
■ どんな人にオススメ?
・「フリーソフトウェア」と「フリーウェア」の違いがわからない人。
■ 関連しそうな本
クリス ディボナ, マーク ストーン, サム オックマン (著), 倉骨 彰 (翻訳) 『オープンソースソフトウェア―彼らはいかにしてビジネススタンダードになったのか』 2006年01月29日
ローレンス レッシグ 『クリエイティブ・コモンズ―デジタル時代の知的財産権』
ローレンス レッシグ (著), 山形 浩生 (翻訳), 柏木 亮二 (翻訳) 『CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー』 38384
ローレンス・レッシグ (著), 山形 浩生 (翻訳) 『コモンズ』
エリック・スティーブン レイモンド (著), 山形 浩生 (翻訳) 『伽藍とバザール―オープンソース・ソフトLinuxマニフェスト』 2005年10月22日
ペッカ ヒマネン, リーナス トーバルズ, マニュエル カステル (著), 安原 和見, 山形 浩生 (翻訳) 『リナックスの革命 ― ハッカー倫理とネット社会の精神』 2005年10月29日
■ 百夜百音
【あのねのねのヤンニャン豪華な大全集】 あのねのね オリジナル盤発売: 2005
「赤とんぼの唄」で有名なあのねのねですが、子供たちには「猫ニャンニャンニャン、犬ワンワンワン、カエルもアヒルもガーガーガー」が大受けしていました。息を吸い込みながら喉を鳴らすのがポイントですが、やりすぎるとむせて苦しくなります。
同じ頃流行ってたのが小松政夫のデンセンマンです。よいよいよいよい。おっとっとっと。
投稿者 tozaki : 2006年02月04日 11:00
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