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2006年03月28日
産廃コネクション―産廃Gメンが告発!不法投棄ビジネスの真相
■ 書籍情報
【産廃コネクション―産廃Gメンが告発!不法投棄ビジネスの真相】
石渡 正佳
価格: ¥1,680 (税込)
WAVE出版(2002/11)
本書は、産業廃棄物の不法投棄に立ち向かう現職の県職員が、不法投棄の背景にある産廃ビジネスの利権構造を根掘り葉掘り明らかにしたものです。著者は、「正規の処分場じゃぜんぜん足りないだろう。俺たちがいなかったら誰がゴミを片すんだ」と開き直る不法投棄業者が悪いことはもちろんだが、不法投棄を生み出しているのは歪んだ産廃処理システムそのものにあると指摘しています。
公式に発表されている年間40万トンという不法投棄の発生量(産廃総排出量の0.1%)に対し、著者は、処分場不足が必要量の1割としても4000万トンに上る、と概算しています。また、深刻な最終処分場不足からオーバーフローした産廃がアウトロールートに流れていることが述べられています。著者は、「マニフェスト」(産業廃棄物管理票)、「保積(ほづみ)」(積替保管場)、「一発屋」(無許可ダンプ)、「まとめ屋」(一発屋を確保するブローカー)など、産廃処理に関わる複雑な処分ルートとその相場が明らかにしています。
本書は、「産廃銀座」と呼ばれる不法投棄常習地帯の発生プロセスを次の5段階で表しています。
(1)最終処分場の建設とそれを巡る利権の争奪戦
(2)自社処分場の乱立
(3)偽装自社処分
(4)「穴屋」(プロの不法投棄業者)による組織的な不法投棄
(5)「産廃銀座」のうまみに一発屋や穴屋が集まりゲリラや捨て逃げが横行
本書には、産廃ビジネスに登場するさまざまな登場人物が紹介されています。
「穴屋」にはさまざまな手口、やり口があることが紹介されていますが、他の不法投棄業者と異なり、穴屋には現場を持っているという弱点があります。そこで、警察の検挙を逃れるための見張り役の重要性や複数の捨て場を連携させた捜査の撹乱まで、プロの手口が紹介されています。
また、産廃業者の世界は、多くは、一匹狼で産廃を運ぶ「一発屋」からスタートし、いつかは成り上がって最終処分場を持つという産廃ドリームがあることが紹介されています。しかし、同時に、ほとんどのダンプは産廃の荒海に飲まれ、次の段階である会社の企業までたどり着くことができるダンプがわずかしかないという厳しさも述べられています。
この他、不法投棄の中継地点ともなりうる「保積」や中間系自社処分場、解体業者など、さまざまな登場人物が紹介されていますが、本書が魅力と説得力を持っているのは、これらの登場人物を、単に違法な行為を繰り返す「悪役」として描くのではなく、それぞれが人生を背負って汚い仕事に手を染めていることを当事者の事情を理解した上でその動機を述べていること、そして、それを徹底した産廃ビジネスの財務分析が支えていることです。
本書はこの他、産廃処理システムが抱えるさまざまな矛盾と、それを利用した産廃ビジネスの手口を紹介していますが、内部事情に精通していることはもちろん、どの記述も現場の経験と、当事者の立場に立脚した解説であることが、迫力を生み出しています。
■ 個人的な視点から
それまで、不法投棄やその取り締まり、火災の発生などスポット的な事件や環境問題の一つとして報道されることの多かった産廃の問題を、そこに存在するビジネスの観点からメスを入れた本書は、産廃行政に与えたインパクトが大きかったと思います。
他の問題でも、表面的な問題と対処療法に光が当たることが多いですが、当事者の立場に立って経済的なインセンティブを捉えるという本書のアプローチはより本質的な問題解決に有効ではないでしょうか。
■ どんな人にオススメ?
・産廃ビジネスのからくりの概要を把握したい人。
■ 関連しそうな本
石渡 正佳 『産廃ビジネスの経営学』
石渡 正佳 『不法投棄はこうしてなくす―実践対策マニュアル』
石渡 正佳 『リサイクルアンダーワールド―産廃Gメンが告発!黒い循環ビジネス』
石渡 正佳 『スクラップエコノミー なぜ、いつまでも経済規模に見合った豊かさを手に入れられないのだ!』
下野新聞「鹿沼事件」取材班 『狙われた自治体 ゴミ行政の闇に消えた命』 2006年2月8日
リチャード・C. ポーター (著), 石川雅紀, 竹内 憲司 (翻訳) 『入門 廃棄物の経済学』
■ 百夜百マンガ
「眼鏡っ娘萌え」ならぬ「眼鏡&白衣男子萌え」で有名な作者の初期短編集です。
「マックス・ヘッドルーム」っぽい表紙や、「アルパネット」なんてのが出てきてしまうところに時代を感じてしまいます。
電波から怪獣からリリカルまで作者の原点はここにあります。
投稿者 tozaki : 2006年03月28日 06:00
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