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2006年03月16日

お笑いニッポン公務員―アホ役人「殲滅計画」

■ 書籍情報

お笑いニッポン公務員―アホ役人「殲滅計画」   【お笑いニッポン公務員―アホ役人「殲滅計画」】

  テリー伊藤
  価格: ¥1,365 (税込)
  双葉社(July 2005)

 本書は、「コンプレックスを抱えた税金パラサイト」であるお役人の真実の姿を分析し、どうしたらいいのかを提案しているものです。元は『週刊 大衆』の連載を単行本化しています。
 著者は、公務員が3つのコンプレックスを抱えていると指摘しています。
(1)最近の不祥事について何かと非難されること。
(2)自分が固い人間、暗い人間と思われること。
(3)税金で食わしてもらっていて自ら稼いでいないこと。
 この歪んだコンプレックスの裏返しで、ワケのわからない手当てや必要のない公共事業や、天下り先の確保に走ってしまう、というのが著者の分析です。
 著者の『お笑い~~』シリーズは、ふざけたギャグのオブラートに包んで結構深いところまで指摘するというのが特徴ですが、本書でもおふざけ部分は飛ばしています。「わが愛するお役人の体内に徹底的に欠けているのが、人を喜ばすサービス精神とお金を稼ぐというDNA」というところまでは真面目に分析しながら、「逆にお役人には、税金を納める側の奥サマやOLたちをお色気サービスで楽しませるぐらいの心意気を持ってほしい」という方向に走ってしまうのがテリー流。「踊るイケメン戸籍係」とか「燃えよ! 消防防災課」(燃えちゃまずいと思いますが)とかのおふざけ企画を立ち上げながら、「日本の役所の悪いところは、『スターを育てることができないこと』である」という真面目とも不真面目とも取れる指摘をしています。
 また、マスコミがバッシングをすればするほど公務員志望者が増え、子供に公務員になって欲しいと思う親が増える理由を、
(1)税金を無駄遣いしても誰も責任を足らないシステム
(2)一等地に安く住むことができる公務員宿舎
(3)各種「手当」などの役得
(4)働かなくてもリストラの心配がない
(5)天下りのクチがある
(6)年金も払った以上に返ってくる
など、マスコミの批判によって、お役人の「おいしい生活」の実態が浮き彫りになるからだと指摘しています。
 本書の特別企画の中では、「アポ無し"お笑い"電話相談室」が一番の大ヒットでした。これは、霞ヶ関の各省庁に、色々な答えにくい質問の電話をかけ、その対応を分析する、というものですが、内容がなかなかナイスです。
・首相官邸←「小泉総理と話がしたいんですが、一納税者には会えないんですか?」
・人事院←「オレは先月、リストラされた。公務員はなぜクビにならないのか?」
・防衛庁←「北朝鮮がテポドンを発射したら、どのくらいの確率で打ち落とせるんですか?」
・財務省←「力道山やジャイアント馬場さんをお札にしてほしいのだが。」
・警察庁←「取調べ中にカツ丼は出るんスか?」
などですが、中でも国土交通省は、「公共事業の費用対効果」について問い合わせしたところ、3分待たされ、転送された挙句、7分後に電話が切られてしまう、という失態が掲載されてしまっています。
 導入部分は、そのふざけた口調に笑いながら読めるかもしれませんが、後半になればなるほど笑えなくなるのは、他の『お笑い北朝鮮』などのシリーズと同じかもしれません。


■ 個人的な視点から

 映画『県庁の星』がヒットしているようですが、あの主人公のようなエリート意識はなかなか都市部の人間には想像しにくいのではないかと思います。歴史をたどれば、元々、都道府県の上級職というのはその都道府県庁のプロパー職員ではなく、内務省で一括採用し、各地に赴任していました。だから当時は、「県庁の上級職」と言えば本物のエリートだったわけですが、戦後、プロパー上級職の採用が徐々に始まるようになると、「東京(内務省)から来たエリート」が「東京の大学を出たエリート」に変わっていくのですが、もしかすると都市部以外では戦前の感覚が多少でも受け継がれているのかもしれません。
 本書の中でも、「山形・沖縄では官が『3割』も高かった!!」という指摘がありますが、東京の大学を卒業して就職を探す際に選択肢となるのは、都内に本社を持つ大手企業や地元の第一地銀などになるので、(実際の働きと比べて高いか安いかを別にすれば)その段階での比較では公務員の給料には「安い」という感覚しかないと思います。同窓会などで、同級生や後輩たちと比べて年収の桁が違うことにショックを受ける人もいます。
 では、実際に地元企業の平均に合わせて給料を3割下げたとしたらどうなるでしょうか。少なくとも、現に働いている職員は今から学生時代に逆戻りできませんので諦める人が大半だと思いますが、これから受験する人の中には、給料の安さに地元に帰ることを躊躇する人が出てくるかもしれません。その結果、「給料は安くても安定していて仕事が楽な方がいい」という志望者だけが残る可能性があります。これを回避するためには、「給料が安くてもやりがいがある、能力を活かせる」という仕事自体の魅力を高めることが必要になるでしょう。


■ どんな人にオススメ?

・ニッポンの公務員の実態を笑いたい人。


■ 関連しそうな本

 桂 望実 『県庁の星』 2005年09月23日
 荻原 浩 『メリーゴーランド』 2005年12月03日
 稲継 裕昭 『人事・給与と地方自治』 2005年12月09日
 鎌田 慧 『自律と協働、はたらきがいをもとめて―大阪市現業労働者の60年』 2006年01月18日
 中野 雅至 『はめられた公務員』 2005年05月26日
 テリー伊藤 『お笑い北朝鮮 私が愛した金正日』


■ 百夜百マンガ

火消し屋小町【火消し屋小町 】

 NHKでドラマ化された女性消防士マンガ。これも公務員マンガですね。
 「池脇千鶴 NHK」でググれば(英語でも「google」は動詞として使われてるそうです)出てくるのが「ほんまもん」ですが、全てを投げ出して料理に打ち込む姿に引いてしまった人もいるのではないかと思います。
 そういえばこのドラマで三行半を突きつけられるダンナも公務員でした。

投稿者 tozaki : 2006年03月16日 06:00

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