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2006年03月21日

お寺の経済学

■ 書籍情報

お寺の経済学   【お寺の経済学】

  中島 隆信
  価格: ¥1,575 (税込)
  東洋経済新報社(2005/02)

 本書は、全国に7万5000あるという「お寺」(コンビニエンス・ストアの約4万軒のほぼ倍!)や住職の行動を経済学的見地から分析することで、現在のお寺が抱える問題点を浮き彫りにしようというものです。全国にお坊さんは30万人、その信者は6000万人に上るにもかからわず、その実態は不明な部分が多く、お寺の収支状況を示す統計資料もない状態です。
 著者は、仏教と経済学の関係を自転車の車輪に喩えています。社会を前進させ豊かにするためには、経済的なインセンティブによって後輪を回転させる、前に進む力が必要であるのに対し、方向をコントロールする前輪の役割を担うのが仏教だということです。
 日本のお寺が中国や対にお寺と異なる点はそこにお墓がある点です。それは、他の仏教国に例を見ない「檀家」の存在があるからです。檀家は、「葬祭や墓地を媒介として寺院が長期的な取引契約を結んだ仏教信者」と定義されていますが、本書は、この制度が生まれた歴史的経緯を解説しています。
 また、気楽な稼業(最近は家業でもある場合が多い)と言われることもある「お坊さん」の立場や仕事を歴史を振り返りながら解説しています。江戸時代には、本末制度の寺院ヒエラルキーの中で、末寺の僧侶は本山から搾取されまくる一方で、その割り当てを檀家に振り向けたことも述べられています。また、僧侶になるためのプロセスとして、まず師匠(師僧)を見つけ、僧籍に登録してもらう得度というプロセスを経た上で、各宗派の定めに従い修行僧として修行を終えれば教師資格を得ることができることが紹介されています。しかし、今までの収入源となっていた葬祭部門の仕事では葬儀社の攻勢が強く、今では葬儀社と組んで格安の料金で読経サービスを行う「マンション僧」までいるそうです。
 日本には5大メジャー宗派として、浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗の5宗が仏教信者の7割を占めているといわれますが、本書は、これらの宗派が果たしている役割として、(1)資格付与、(2)格付け、(3)布教活動、(4)社会奉仕活動、(5)シンボル、等があることが述べられています。
 日本の仏教は、「葬式仏教」と揶揄されることが少なくありませんが、元々は、葬式と仏教に関係はなく、江戸時代に仏式葬儀が普及するまでは、独自の民俗信仰に基づいた様々な形態の弔いが行われていたことが紹介されています。
 著者は、今後の日本のお寺が生き残る道として、(1)葬祭全般のサービスに特化する道、(2)現世利益という信仰サービスを提供する道、(3)宗派としての布教活動に注力する道、の3つの道があると主張しています。


■ 個人的な視点から

 お寺との付き合いの少ない都会では、葬式と修学旅行くらいしか関わりを持つ機会がないのかもしれませんが、田舎の生活では何かというとお寺と関わりを持つことになります。そもそも、田舎では今でも葬式を自宅で行うことが多く、昔はそうした時の料理は近所の人が手伝いに来て用意していました。子供の頃は、念仏の時に出る冷たい出し汁を張った饂飩が美味しかったことを思い出します。


■ どんな人にオススメ?

・近所のコンビニは知っていてもその倍の数存在するお寺のことは良く知らない人。


■ 関連しそうな本

 中島 隆信 『大相撲の経済学』
 ひろ さちや 『お葬式をどうするか―日本人の宗教と習俗』
 スティーヴン ランズバーグ (著), 吉田 利子 (翻訳) 『ランチタイムの経済学』
 圭室 文雄 『葬式と檀家』


■ 百夜百音

プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~【プリ2~PRINCESS PRINCESS BEST OF BEST~】 PRINCESS PRINCESS オリジナル盤発売: 2006

 20年前のバンドブームの定番だったプリ^2です。今年は、『14プリンセス~PRINCESS PRINCESS CHILDREN~』というトリビュートアルバムも発売されました。
 で、本人はと言うと、ネタフルによれば、ボーカルの奥居香は、現在は本名の岸谷香に改め、「ICE AGE~氷河期の子供たち~」を発売するそうです。

『アイス・エイジ』アイス・エイジ

投稿者 tozaki : 2006年03月21日 06:00

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