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2006年04月28日
ファシリテーション革命
■ 書籍情報
中野 民夫
価格: ¥777 (税込)
岩波書店(2003/04/05)
本書は、「促進する」「助長する」「(事を)容易にする」「楽にする」という意味を持つ「ファシリテーション」によって、「支援し、促進する。場をつくり、つなぎ、取り持つ。そそのかし、引き出し、待つ。共に在り、問いかけ、まとめる」という役割を担うファシリテータについて書かれた本です。とくに、本書は、「ワークショップ」(参加・体験・相互作用を重視した学びや創造の場)の進行促進役である「ファシリテータ」に焦点を当てています。
著者は、ファシリテーションが重要になる背景として、社会構造が、特別な権威者から上から下に知識や情報が伝達される「ピラミッド型社会」から、水平的な対等の関係の中で、同時活動方向に伝達される「ウェブ型社会」にシフトしていることを挙げています。ファシリテーションは、「そんな関係を取り持ち、引き出し、活性化していく」ことが期待されているというのです。
本書が対象としている「ワークショップ」を、著者は「講義などの一方的な知識伝達のスタイルではなく、参加者が自ら参加・体験し、グループの相互作用の中で何かを学びあったり創り出したりする、双方向的な学びと創造のスタイル」と定義しています。定義としては、同じ言葉の繰り返しが入っていてやや冗長な気もしますが、それだけに著者の思い入れが詰まっていると言うことができるかもしれません。
ファシリテーションの技術的な部分については、板書よりも便利でスピーディ、パワーポイントよりも手軽で親しみを持てる「紙芝居」という手法を紹介しています。この紙をペタペタと壁に貼りながら話をすることで重要なポイントを目と耳で伝えることができます。また、アイスブレイク(不要な緊張を解き、心身ともに居心地の良い関係を築いて、受け入れる準備を整える)の方法として、「呼ばれたい名前で一言自己紹介」という方法を紹介しています。
また、ファシリテーションのテクニックとしての
・プッシュ:押せば自然に抵抗力を生み、押し返してくる。
・プル:引けば自然に引き込んで参加を促す。
の使い分けも解説されています。この使い分けが、ファシリテーターの腕の見せ所だと言うわけです。
著者は、「結び」で、現在「ワークショップ」や「ファシリテーション」と呼ばれているものが、将来特別でもなんでもない当たり前のものになり、これらの言葉が死語になることを将来の目標であると述べています。
本書は、ファシリテーションに関心を持ち始めた人にとって最適な入門書の一冊ではないでしょうか。
■ 個人的な視点から
本書には、著者が掲げる「ファシリテーター8か条」が紹介されています。
「フ」:ふらっと現れふらっと去る。オイラは脇役、縁の下の力持ち。
「ァ」:ありようそのものが見られてる。その場そのときにしっかりと在れ!
「シ」:事前の準備は入念に。人事を尽くして、天命を待て!
「テ」:丁寧に耳を傾けよく聞こう、一人ひとりの多様さを!
「ィ」:一番大事な「場」を読む力。常に個と全体に気配りを!
「タ」:タイムキープはしっかりと。無理なく自然に、かつ容赦なく!
「ア」:遊び心、ユーモア、そして無条件の愛と信頼を忘れずに!
なかなか無理のある語呂合わせではありますが、思い入れは伝わってくるようです。
こういう、頭文字をつないだ「○か条」ものは、4~5文字くらいであれば何とかうまくつなげることができるのですが、8とか10とかになると結構無理のある言葉が混じるようになります。これから考えよう、と思っている人は、気を付けましょう。
■ どんな人にオススメ?
・「ファシリテーション」という言葉に関心を持った人。
■ 関連しそうな本
堀 公俊 『ファシリテーション入門』 2006年04月24日
堀 公俊 『問題解決ファシリテーター―「ファシリテーション能力」養成講座』
古川 久敬 『チームマネジメント』
柴田 昌治 『なぜ会社は変われないのか―危機突破の風土改革ドラマ』
■ 百夜百マンガ
最高級のヌルさを持った作品でしたが、実写のDVDとして人気を集めているようです。
数ページのギャグマンガの実写化も珍しいのではないかと思います。
ところで、実写といえばまだちびまる子ちゃんの実写は見ていません。
投稿者 tozaki : 2006年04月28日 06:00
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