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2006年09月30日

一年で600冊の本を読む法

■ 書籍情報

一年で600冊の本を読む法   【一年で600冊の本を読む法】

  井家上 隆幸
  価格: ¥1680 (税込)
  ひらく(1997/10)

 本書は、1年で600冊の本を読むという著者の、大量読書術や本とのかかわり方を語っているものです。
 著者は、「ぼくが<量書狂読>になったわけ」として、小学校2年生の時に、玩具の弓の矢が左目を直撃し、「二十歳になると右目も見えなくなる可能性がある」と宣告されたことがきっかけで、「いつ目が見えなくなるかと怯えていたから、ジャンルは二の次、わかるわからないは三の次、読めるだけ読んでおこうとうわけで、この戦争中の数年間に速読乱読の癖は身についてしまった」と述べています。著者が本を買うペースは、週に最低一度は、書店に立ち寄ってまとめ買いをしていて、「ある日の書店のレシート」は、「5点で14点合計2万6620円」にも及ぶそうです。
 著者が面白い本を見つけるコツは、「とにかく棚を全部見て歩いて、目の中にパッと飛び込んでくる本は手に取ってみることからはじめる」だそうで、「予備知識もなしにパッと目に付いて、ウワッと買ってしまった、いわば衝動買いの本にはほとんどハズレはない」と述べています。
 また、表紙カバーに巻かれた"帯"やを見るだけでも面白いかどうかをある程度判断できるとして、「字数はおおむね200字前後。そのなかで、いかに『面白くみせるか』『手にとらせるか』と編集者たち、智慧をしぼっている。なかにはあおりすぎたり、ミステリーならネタばらししたり、勇み足もあるが、しかし、これを読んで興味を惹かれなかったら、これは自分には縁がない、あるいはつまらない本だと思ってもいい」と述べています。また、「帯」をきっかけに、「目次」「まえがき」「あとがき」などを読むことで、「書き手の思想、視点、立場が鮮明になってくる」とも述べています。そして、「あとがきや解説は本文を読み終わってから読むもの」と決め込んでいる人もいるが、「そんなカッコよさはこのさいきっぱりと捨ててしまうことだ」と切り捨てています。
 一方で、本を選ぶ時には「ベストセラー・リスト」では選ぶべきではないとして、その理由を、「フィクション」「ノンフィクション」の分類がずさんであること、むしろ、新聞の書籍広告である「サンヤツ」(3段8つ割)を注意深くチェックすることを勧めています。
 信頼できる書評家を見つけることも、いい本と出合うきっかけになります。「このひとは、と信頼できる書評家」を探し出し、同じ書評家の書評を読み、思想、世界観、本の読み方、趣味や関心などの傾向をつかむこと、いい書評家が集まっている書評欄(本書では、『週刊文春』の「私の読書日記」を勧めている)を読むことを勧めています。なお、著者は、書評を、
(1)文芸評論としての書評:本の内容に即して論を展開する書評。
(2)状況論としての書評:テーマを現実社会の自称に引き込んで紹介する書評。
(3)エッセイ的書評:本をマクラにふって身辺雑記を書きつらねる類の書評。
の3タイプに分類しています。
 著者は、読書の愉しみを、「なんといってもそこに書かれた世界をわがものにするというところにある」として、「自分は借りるのはきらいだ。買って読もうが借りて読もうが本は本、といってしまえばそれまでだが、借りた本は返さなければならないからだ」と述べています。
 また、つまらないと思っても、とにかく最後まで読むことで、「最初はわからなくても読んでいるとわかってくることもあるし、終末近くになってがぜんおもしろくなることもあるのだ」と述べています。さらに、外出するときには必ずバッグに本を一冊入れて出ることを勧め、「読書が苦手という人は、本とのつきあいが下手なのだと思う」として、「いつでもどこでも身の回りに本がいるという状態であれば、そんなおびえなんぞはまったくなくて、本は親しい存在になる」とまずは読まなくてもいいから文庫本を持ち歩く癖をつけることを薦めています。
 「あとがき」では、ショーペンハウエルの「読書とは他人の馬を頭の中では知らせるだけの行為だ」という言葉を引用していますが、年間600頭の馬が走り回る著者の頭の中はさぞにぎやかなのではないかと思います。


■ 個人的な視点から

 著者が、友人の家を訪ねた先で、用意してあった本を読んでしまい、「酸欠の"金魚"状態」になって、書店に連れて行かれる、というシーンがありますが、旅先や出先で手持ちの本を読み終わってしまうことほど、困ることはありません。
 最近は駅の中のブックガーデンも充実してきたので、大きな乗換駅で新書なんかを買うこともできますが、新書なんていくらも時間を持たせることができないので、いくら1冊が安いといっても、何冊も買うわけにはいかず、さりとて古本屋を探しにいくわけにもいかないので結構悩みます。
 もしかして、雑誌や新聞一冊でたっぷり時間をつぶせるのは一種の才能かもしれません。


■ どんな人にオススメ?

・本を読むのが好きな人。


■ 関連しそうな本

 モーティマー・J. アドラー, C.V. ドーレン (著), 外山 滋比古, 槇 未知子 (翻訳) 『本を読む本』 2006年07月02日
 加藤 周一 『読書術』 2006年07月23日
 立花 隆 『ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論』 2006年07月29日
 立花 隆 『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』 38914
 ポール・R・シーリィ (著), 神田 昌典 (翻訳) 『あなたもいままでの10倍速く本が読める』 38732
 松山 真之助 『マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ』 38473


■ 百夜百音

おどる亀ヤプシ+ハヴァナイスデー【おどる亀ヤプシ+ハヴァナイスデー】 UNICORN オリジナル盤発売: 1990

 踊るのは亀だけでなく、僕たちも踊るだけ、いい気なもんです。というわけで、「PTA~光のネットワーク」は30代の人なら笑えます。


『CHILDHOOD'S END』CHILDHOOD'S END

投稿者 tozaki : 2006年09月30日 07:00

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コメント

出掛けた先で手持ちの本が読み終わってしまうと困りますね。
そんなときに備えて、私は2冊持って行くようにしてますが、
戸崎さんはいかがですか?

投稿者 多田@群馬 : 2006年09月30日 07:57

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