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2006年12月17日

ザ・マインドマップ

■ 書籍情報

ザ・マインドマップ   【ザ・マインドマップ】

  トニー・ブザン (著), 神田 昌典 (翻訳), バリー・ブザン
  価格: ¥2310 (税込)
  ダイヤモンド社(2005/11/3)

 本書は、「脳のスイスアーミーナイフ」と呼ばれ、世界中で愛用されている思考のためのツールである「マインドマップ」を、その提唱者自らが解説したものです。著者は、市販のコンピュータには1000ページもあるような使用説明書があるのに、「現存するどんなコンピュータより100兆倍も性能の高い、驚くほど複雑な生物コンピュータである私たちの脳には、使用説明書がない」という問題意識から脳の研究を始め、放射思考とマインドマップを開発したと述べています。
 著者は、マインドマップの特徴として、
(1)中心イメージから描くことにより、関心の対象を明確にする。
(2)中心イメージから主要テーマを枝(ブランチ)のように放射状に広げる。
(3)ブランチには関連する重要なイメージや重要な言葉をつなげる。
(4)あまり重要でないイメージや言葉も、より重要なものに付随する形で加える。ブランチは、節をつなぐ形で伸ばす。
の4点を挙げ、マインドマップが、「思考を直線形式(1次元)から一歩前進させ、平面(2次元)、そして放射的で多次元的なものへと進化させる」と解説しています。
 第1部「脳は脅威のメカニズム」では、まだ分からないことが多い脳について、
(1)脳は何から構成されているか。
(2)脳はどのように情報を処理するのか。
(3)脳の主な機能は何か。
(4)スキルはどのように脳内に伝わるのか。
(5)いかに苦労なく学び、覚えるか。
(6)人間の脳には、パターンを追い、パターンを作る性質があるのか。
(7)普通でありながら非凡な人が、他の人よりも多くのことを記憶するために使っている技術は何か。
(8)なぜ、多くの人が自分の脳の力や機能について絶望しているのか。
(9)自然で理想的な考え方とは何か。
(10)自然で理想的な人間の思考の表現とはどのようなものか。
という本書の基本的な問いかけを行っています。
 そして、脳の基本的な機能として、
(1)受容:感覚が得た情報を受け入れる。
(2)保持:情報を蓄積し、蓄積した情報を取り出す。記憶を保持する。
(3)分析:パターン認識と情報処理。
(4)アウトプット:さまざまなコミュニケーション、創造的な行為、思考。
(5)コントロール:知的および身体的機能をコントロールする。
の5点を挙げ、これらが互いに補強しあっていることを解説しています。
 また、標準的なノート方が持つ欠点として、
(1)キーワードが明確でない
(2)記憶しにくい
(3)時間を無駄にする
(4)脳の創造性を刺激しない
の4点を挙げ、非効率なノート法を使い続けると脳にも多くの悪影響が生じる一方で、「簡潔さ、効率、自分で作る」という要素を持つノート法が効果的であることを解説しています。
 第2部「脳の力を全開にする準備」では、マインドマップ作成の最初のステップとして、「多くのコンセプトを統括するキーコンセプト(主要概念)」である「BOI(基本アイデア)」決めることを解説し、BOIを見つけるために、
・どんな知識が要求されているか。
・本にするとしたら、章にどんな見出しをつけるか。
・具体的な目的は何か。
・7つの重要な項目は何か。
・根本的な疑問は何か。「なぜ」「何を」「どこで」「だれが」「どうやって」「どれを」「いつ」などが、大きなブランチとしてうまく機能することが多い。
・こうしたものを含む、より大きな項目は何か。
といういくつかの質問をしてみることを推奨しています。
 第3部「マインドマップの作り方」では、多くの古代東洋文明で師が入門者に教えてきた3つの基本、すなわち、
・従:師の真似をし、説明が必要なときのみ質問することができる。
・協力する:基本的な技術を身につけ、適切な質問をすることによって、情報をまとめ、確かなものにしていく。
・分化する:弟子が、師が教えることをすべて完全に習得し、知的な進化を続けることで、師に敬意を表する。
に相当する3つの段階として、「3つのA」、
・受容する(accept)
・適用する(apply)
・順応する(adapt)
を示しています。
 第4部「マインドマップ活用法」では、多くの選択肢から意思決定する方法としての「多分類マインドマップ」を作成する利点として、
(1)脳が分類、カテゴリー化、明確化などを行う能力を強化する。
(2)複雑なデータを1枚の紙の上に統合することができる。
(3)何が得で、何が損かという決定に大きく影響する条件を明らかにする。
(4)脳のスキルを十分に活用し、広範囲にわたる要素を検討したうえで、結論を出すことができる。
(5)脳のスキルのすべてが刺激されるので、脳が自身と対話をするようになる。
(6)決断をくだした理由を思い出し、似たような決定を行わなければならないときに参考にするための記録として、保存しておくことができる。
の6点を挙げています。
 また、集団でマインドマップを活用する、「グループ・マインドマップ」の作成方法として、
(1)テーマを決める
(2)個人でのブレインストーミング
(3)小グループでのディスカッション
(4)複合マインドマップのたたき台を作成する
(5)熟成させる
(6)再構築と見直し
(7)分析と決断
の7つの段階を示し、その実用例として、ボーイング社が、技術マニュアルを長さ8メートルのマインドマップにまとめることによって、従来数年かかった上級航空技師チーム100人の研修を、わずか数年に短縮することに成功し、約1100万ドルのコストを削減したことが紹介されています。
 第5部「マインドマップを使いこなす方法」では、「脳の働きを完全に、忠実に反映」し、「色と時間に加えて、3次元空間を活用できるようになり、時間の管理にとどまらず、自己管理、さらには人生設計のシステムをモテに入れること」ができる「マインドマップ・スケジュール」の作成方法を解説する他、論文の準備段階としてマインドマップを使うことで、「標準的なノート約20ページ分のメモを作った上に下書きを2、3回するかわりに、マインドマップをひとつ作り、下書きを1回ですませる」ことができると述べています。また、「学習障害」とくに「失語症」の子供にとって、「非常に有効な学習法」になることなどが述べられています。
 本書は、マインドマップの解説書として「決定版」的な一冊です。


■ 個人的な視点から

 本書は、内容は非常に充実しているのですが、翻訳モノにありがちな冗長さも否めず、日本だったら新書版1冊の川喜田 二郎『発想法―創造性開発のために』よりも中身としては薄いのではないかと感じます。
 とは言え、図も多用され、読みやすい上に、全ページカラーでこの値段は大変お買い得だと思います。


■ どんな人にオススメ?

・元祖マインドマップに触れてみたい人。


■ 関連しそうな本

 トニー ブザン (著), 田中 孝顕 (翻訳) 『人生に奇跡を起こすノート術―マインド・マップ放射思考』 2006年05月07日
 トニー ブザン (著), 佐藤 哲, 田中 美樹 (翻訳) 『頭がよくなる本』
 松山 真之助 『マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ』 2005年05月01日
 久恒 啓一 『図で考える人は仕事ができる』 2005年08月13日
 ウィン・ウェンガー , リチャード・ポー (著), 田中 孝顕 『頭脳の果て』
 川喜田 二郎 『発想法―創造性開発のために』 2005年08月27日


■ 百夜百音

STAR BOX【STAR BOX】 バブルガム・ブラザーズ オリジナル盤発売: 1999

 デビュー当時は、ブルースブラザーズ(どちらもBBだし)のパロディ?、オマージュ?としてスタートして、トレードマークだった巨大アフロヘアもばっさり剃り落としたことが話題になりました(今で言えばスキマスイッチの人が坊主になったようなもの?)。


『WON'T BE LONG』WON'T BE LONG

投稿者 tozaki : 2006年12月17日 22:00

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