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2007年05月06日
実戦・日本語の作文技術
■ 書籍情報
【実戦・日本語の作文技術】(#836)
本多 勝一
価格: ¥588 (税込)
朝日新聞社(1994/09)
本書は、これに先立つ『日本語の作文技術』の続編として出版されたもので、前半部分には実用的な文章技術が、後半には日本語に関する著者のエッセイが収録されています。著者によれば、「あくまで前著の"作文原理"の応用編」であるとしていますが、重複する部分も少なくありません。
前半部分には、前著でも大変役立った「テンの二大原則」や判決文などを題材にした欠陥文の分析とその修正などが掲載されています。作文に関する技術が、日本の教育では大学まで含めてほとんど行われていない、という著者の指摘は適切なものであるともいますが、残念ながら、前著をすでに読んだ人にとっては、同じものに二度金を払うようなところがありますので、前著を読んで感激したという人も、本書を購入する前には少し立ち読みしてみることをお奨めします。
また、「テンの二大原則」に関しては、当時出版された大久保忠利という言語学者が書いた『日本文法と文章表現』という本を徹底的に批判していて、読み物としての面白さは多少あるかもしれません。
後半部分では、日本には、「国語」と呼ばれる共通語に関する辞書はあっても、方言を含めた豊かな言語である「日本語」の辞書がないことを指摘し、
(1)全国の方言をもれなく網羅し、出自も示すこと。
(2)その全てに豊富な用例分をつけること。むろん例文はすべて方言のままだが、共通語訳もつける。
(3)排列は五十音順としても、全単語についての類語辞典もあわせて編集する。
という条件を充たす「日本語辞典」の作成を切望しています。
本書は残念ながらあり合わせ、焼き直しでページを埋めた印象が強く、日本語に対する著者の思想が込められたエッセイを読んでみたいという人でなければ、前著のほうをお奨めします。
■ 個人的な視点から
本書の後半には、日本語があるのに敢えてカタカナ英語を濫用する世間に対して、「植民地用語」「家畜人用語」(家畜語)という痛烈なあてつけをしています。
この「家畜人」という言葉は、今ではあまり耳にすることもなくなりましたが、本書が書かれた当時には、正体不明のペンネームである「沼正三」を巡って世間を騒がした『家畜人ヤプー』が話題に上がっていたことが伺われます。
今では、石森章太郎か江川達也のマンガくらいしか目にすることも少ない作品です。やはり、「CMネタはすぐ風化するぞ」という鳥坂先輩の言葉(この場合は時事ネタですが)は金言だったということです。
■ どんな人にオススメ?
・『日本語の作文技術』に心酔した人。
■ 関連しそうな本
本多 勝一 『日本語の作文技術』 2006年05月21日
山口 文憲 『読ませる技術』 2006年04月01日
梅棹 忠夫 (著) 『知的生産の技術』 2005年05月05日
加藤 秀俊 『取材学―探求の技法』 2005年10月16日
加藤 周一 『読書術』 2006年07月23日
立花 隆 『ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論』 2006年07月29日
■ 百夜百音
【NHK「みんなのうた」40周年ベスト(2) 北風小僧の寒太郎 / 赤鬼と青鬼のタンゴ】 TVサントラ オリジナル盤発売: 2001
坂本龍一の編曲で知られる「コンピューターおばあちゃん」ですが、コスミックインベンションが歌うバージョンもあるようです。
生演奏ではサビでもたったりするのが気にかかりますが、作曲者の「東京都杉並区 伊藤良一さん」がうれしそうに映っているのが必見です。
投稿者 tozaki : 2007年05月06日 21:00
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