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2007年06月09日
日本という方法―おもかげ・うつろいの文化
■ 書籍情報
【日本という方法―おもかげ・うつろいの文化】(#870)
松岡 正剛
価格: ¥1218 (税込)
日本放送出版協会(2006/09)
本書は、日本を、「一途なところ」がありながら、「たいそう多様な歴史を歩んで」きた、「一途で多様な国」であるとした上で、「このような多様性や多義性や複雑性が機能していたのはなぜだったのか」を解明することを目的としたものです。
第1章「日本をどのように見るか」では、本書のタイトル「日本という方法」の意味を、「日本は『主題の国』というよりも『方法の国』だろう」と述べ、それを、「編集的な方法」あるいは「日本的編集方法」と捉えたいと述べています。
第3章「和漢が並んでいる」では、「外来コードを輸入して、内生モードをつくる」という方法のうち、「この『外来』が唐様に、『内生』が和様になっていった」と述べ、このことを日本の社会文化が自覚したものが、「和漢の並立と自立をはたした日本文字文化の実験」であると述べています。
そして、若の例を通して、「和漢並べたて」の編集方法を紹介した上で、「このような和漢アワセがまさに王朝文化の色々な場面に出現」し、その中の最大規模のものが建築物であったと解説しています。
第5章「神仏習合の不思議」では、神仏習合は、「日本の宗教形態の中で特異な位置を占めている」のではなく、「むしろそれがもともとのバックグラウンド」であり、「神仏習合という大きな下敷きの上に、仏教も新党も日本の大きな幹と枝の要に成り立っていると考えた方が当たって」いると述べています。
第6章「主と客と数寄の文化」では、連歌を組み立てていった連歌師たちが、「賦物(ふしもの)」のルールをうまく取り入れたことを、「連歌には押韻がなく、韻字がありません。その代わり賦物の約束がつくられていた」として、「賦物は連句の韻に同じ」という言葉を紹介し、韻の代わりに「分かち配る」を意味する「賦(ふし)」があったことを解説し、連歌では、「好み」を分かち配っていると述べています。
著者は、連歌を、「唱和」と「問答」の文化であり、「そのことを一座を組んで相互の参画状態にしていく遊芸」であったと述べています。
第7章「徳川社会と日本モデル」では、秀吉による、「朝鮮半島の陸と海を戦場にした前後7年にわたった過激な戦争」の「惨憺たる結末」が、「次の徳川時代の日本モデルを変えてしまうに足るほどのもの、なにか大事なことが喪失されたか、あるいは目覚めさせられたというべきほどの大失敗」であったと述べられています。
そして、「家康が征夷大将軍になって開府した徳川幕府」が、
(1)徳川社会が必要としたのは戦後体制だった。
(2)徳川体制とは東アジアの中国中心の華夷秩序から自律するための体制だった。
という2つの意味を持っていたと述べています。
また、徳川社会の経済に関しては、「株仲間」について、「仲間どうしにイコール・パートナーの思想が貫かれていた」ことが注目されていることや、株仲間が経済力を発揮する上で、「吉宗の享保の改革のときの株仲間の公認、大岡越前守忠相による株仲間の監視制度の強化、さらには田沼意次が盟和年間に実施した株仲間結成促進策と、そこから運上金や冥加金をとって幕府財政に直結させた」ことが大きかったことなどが解説されています。
第9章「古学と国学の挑戦」では、本居宣長について、「世界に通用するような原理やどこにでも適用したくなるような普遍的な原則などを使って思考したり説得するようなことは、思想の力とは認めたくないと言っている」と理解してみることで、宣長が、「和歌や古典の物語に日本人の思考の本来があるはずだ」と考えたと捉え、「もののあはれ」という心情が、「見るもの聞くことなすわざにふれて、情の深く感ずる事」であると語っていることについて、「『わざ』にふれて『こころ』が感ずるというところが宣長らしい図抜けた特色」であり、「わざ」とは、「歴史や文化の奥に潜んでいる情報を動かす方法のこと、またその方法を言い当てている言葉をしだいに実感しながら、それを使うこと」であると解説しています。
そして、「宣長の国学」というものが、「現実としての日本をどのように管轄すべきだとか、どのようなシステムが日本にふさわしいかというようなことではなくて、そもそも本来からどのように将来が生まれてきたのかというような、いわば『ウツ』(本来)から『ウツツ』(将来)が生まれてきたプロセスだけを、ひたすら解明しようというような、そういう『日本という方法』になっていった」と解説しています。
本書は、日本の歴史をたどりながら、その中に潜んでいる「日本という方法」を浮かび上がらせることで、現代を見る視点を与えてくれる一冊です。
■ 個人的な視点から
松岡正剛さんといえば、「松岡正剛の千夜千冊」で知られていますが、昨年出版された『千夜千冊』は非常に厚くて個人で読破する人がどれだけいるか疑問なのですが、「所有」して見たい欲求に駆られるものではあります。置いとくスペースはありませんが。
■ どんな人にオススメ?
・日本を方法としてみる視点を得たい人。
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金子 郁容, 松岡 正剛, 下河辺 淳 『ボランタリー経済の誕生―自発する経済とコミュニティ』 2005年08月29日
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松岡 正剛 『花鳥風月の科学』
■ 百夜百音
【ゴールデン☆ベスト】 ザ・ヴィーナス オリジナル盤発売: 2004
ベートーベンの名曲「エリーゼのために」をロカビリーにしてしまったヒット曲。結構ベートーベンの曲だと気づかなかった人も少なくなかったのではないかと思います。
投稿者 tozaki : 2007年06月09日 06:00
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