« NPM実務の考え方・進め方―効率的・効果的な政策形成・実施・評価改善 | メイン | 悲しみから思い出に―大切な人を亡くした心の痛みを乗り越えるために »
2007年09月22日
会議の技法―チームワークがひらく発想の新次元
■ 書籍情報
【会議の技法―チームワークがひらく発想の新次元】(#975)
吉田 新一郎
価格: ¥777 (税込)
中央公論社(2000/02)
本書は、「どうしたら満足感や充実感が味わえ、かつ効率的・効果的・創造的な会議を運営できるのか」という点について、「参考になる具体的なノウハウ」を提供することを目的としたものです。
序章「『会議社会』のなかで」では、私たちが、「出席しないといけない会議の数の多さ」と、「会議に費やす時間も増えている」という2つの意味で、「私たちは『会議社会』にどっぷり浸かっている」にもかかわらず、「出席してその中味に満足したり、後味がよい会議はきわめて少ない」問題を指摘しています。
そして、「一人ないし数人の人に独占される会議から、みんなでいっしょにつくり出す会議への移行」が求められていると指摘し、会議の成否を左右するものとして、
(1)コミュニケーション能力、信頼関係に基づいた人間関係を作れる能力、そして好奇心やセルフ・エスティーム(自己肯定)や情報収集能力などを含めた会議に参加する出席者の資質
(2)リーダー的立場にいる人を含めた各出席者の役割の明確化
(3)さまざまな会議の運営方法を知っており、それらをどれだけ体験し、練習しているか
の3点を挙げています。
第1章「会議を準備する」では、効率的・効果的な会議出席者数が、8~15人くらいと言われているが、「ほとんどの会議は人数のことなどあまり考慮せずに行われているのが現実」だと指摘しています。
第2章「会議をはじめる」では、「会議を時間通りにはじめることは大原則であり、鉄則である」にもかかわらず、既に、「会議は、時間通りに始まらないもの」ということが原則になってしまっていることを指摘しています。
また、出席者がお互いをよく知らない場合に、会議の導入として効果的な事例として、
・名刺づくり
・自己紹介→他己紹介
・私はなぜここにいるのか?
・いい出来事の紹介
・名前覚えゲーム
・仲間探し
等の事例を紹介し、「時間的には10~15分くらいかかるが、それで本音が言いやすい雰囲気が出来上がれば極めて有効な投資である」と述べています。
第3章「会議を運営する」では、「会議をより生産的に、創造的に、しかも効率的に運営するために不可欠」な点として、
・テーマ(議題)をひとつずつ明確にし、出席者がそれを共有できていること。
・個々のテーマを扱う方法についても明確で、出席者の合意があること。
・最低一人は、会議を円滑に運営するための進行役がいること。
・会議の席での個人攻撃を回避するために、出席者を守る役割を担う人がいること。
・他にも、この章で紹介するさまざまな役割を出席者に割り振ることによって、会議へのコミットメントを高めること。
の5点を挙げています。
また、ファシリテーターである進行役にとって、最も重要な役割として、「会議を時間通りにはじめ、また終わることは、進行役のその後の印象に影響を及ぼすだけでなく、会議そのものの善し悪しも決めてしまう重要な要素である」と述べています。
さらに、生産性、創造性、効率性の高い会議を運営するのに欠かせない2番目の役割として、「記録係」を挙げ、単なる「書記」ではなく、「模造紙ぐらいの紙(その半分の大きさでも可)に記録をとることによって全員に見えるようにする」方法で記録をとることで、「記録係以外はメモをとることから解放されて、話し合いに集中できる」と述べています。
第4章「会議で発表する」では、会議の場における発表の問題として、
(1)言いたいことが伝わらないということ
(2)言いたいことを伝えるのに時間がかかりすぎること
の2点を挙げています。
そして、発表の際に犯しがちな過ちとして、
(1)時間を守らないこと
(2)過剰な情報提供
(3)専門用語や横文字の使いすぎ
(4)準備不足
(5)視覚的な資料の不足、視覚的であっても効果的でない資料
(6)単調なペースの話し方
(7)聞いている人たちと視線を合わさない死生
(8)関心やこだわりが伝わらない発表内容
の8点を挙げています。
第5章「情報<アイディア>を共有する」では、「問題解決のための6つのステップ」として、
(1)問題を設定する(目標を設定する)
(2)問題を分析する(可能性を分析する)
(3)解決策を考え出す(実現方法を考え出す)
(4)解決策を選び出す(実現方法を選び出す)
(5)計画する→実行する
(6)評価する
の6段階を挙げています。
また、問題分析の手法として、
・ブレーン・ストーミング
・Tの字分析
・力の分析
等の手法を、さらに解決策を考え出す手法として、「ブレーン・ライティング」などの手法を紹介しています。
本書は、会議を運営、または会議に参加する人にとって目安となりうる一冊です。
■ 個人的な視点から
会議がつまらないのは、会議を主催する側が、自分の原案を出席者に呑ませ、「皆で議論して決めた」というアリバイを作るために開いているから、というのが一番の理由ではないかと思います。
そういう会議には出ない、という強硬手段に出る方法もありまして、特に、まちづくり系など、組織の壁を超えた会議では、主催者がすべて仕切るような会議は櫛の歯が抜けるように出席者が減っていきます。
■ どんな人にオススメ?
・会議はつまらないものと思っている人。
■ 関連しそうな本
堀 公俊, 加藤 彰 『ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法』 2007年09月07日
堀 公俊 『問題解決ファシリテーター―「ファシリテーション能力」養成講座』 2006年05月15日
堀 公俊 『ファシリテーション入門』 2006年04月24日
中野 民夫 『ファシリテーション革命』 2006年04月28日
古川 久敬 『チームマネジメント』
柴田 昌治 『なぜ会社は変われないのか―危機突破の風土改革ドラマ』
■ 百夜百音
【Pineapple】 松田聖子 オリジナル盤発売: 1982
90年代前半のフジテレビの深夜番組は「カノッサの屈辱」にしろ「音効さん」にしろ、面白いものが多かったです。当時学生だったのはラッキー。
投稿者 tozaki : 2007年09月22日 14:00
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.pm-forum.org/MT3/mt-tb.cgi/1498
