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2007年10月21日

古民家再生住宅のすすめ

■ 書籍情報

古民家再生住宅のすすめ   【古民家再生住宅のすすめ】(#1004)

  宇井 洋 (著), 石川 純夫
  価格: ¥2100 (税込)
  晶文社(2001/09)

 本書は、「古民家の移築・再生がメディアでもさかんに取り上げられるようになり、住宅の一ジャンルとして定着してきた」にもかかわらず、「具体的なノウハウを一般の人向けにやさしく書かれた本がない」ことから、「少しでも古民家の移築・再生で失敗する人が少なくなれば」との動悸から書かれたものです。
 序「古くて新しい住宅形態――古民家再生住宅」では、「戦後から高度成長期、そしてバブル期を経て、今日まで連綿と続く日本の住宅のあり方が、今大きく問われだしている」として、「人にも自然にも優しく、心地よい住まい方の知恵や工夫で溢れた、いわば先人たちの住文化の結晶ともいえる昔ながらの民家が再評価され始めた」と述べ、「昔を懐かしむだけのノスタルジーとしての古民家ではなく、今を生きる人が快適で安全な暮らしのできる新しい民家。そんな古くて新しい住居形態が、本書で提案している古民家再生住宅」であると解説しています。
 第1章「なぜ今、古民家の移築なのか」では、現在の新建材の氾濫の理由を「住む側が望んで新建材の安っぽさを受け容れ、味わいのある自然素材を自分達の住まいから追い出してしまった」からであると述べています。著者は、「生産性の工場を目的に開発されたような新建材や新技術ばかりをクローズアップし、新たな建築需要を喚起することに躍起になっている住宅産業の在り方にはどうしても疑問を感じて」しまう、と述べています。
 また、日本では「長期ローンを組んで購入した住宅に一生涯住む人はあまり多くない」として、「日本で過去5年間に解体された住宅を見てみると、平均築年数はたった26年間しか」ないことを指摘し、「一度住宅を手に入れたとしても、住宅購入とローン返済を一生涯繰り返さなければならない」と述べています。
 著者は、「古い民家のように丈夫で味わいのある家に住みたいという単純な気持から、移築・再生を考えてもいいのではないでしょうか」として、「古材の再利用は思想的な運動ではなく、人がより豊かな生活を享受するための住まいの提案」であると述べています。
 第2章「都市生活者のための古民家移築法」では、古民家をめぐる活動を、
再生
(1)元の住宅が古くなった民家を現地で再生して、住み継ぐ。
(2)第三者が古い民家を手に入れ、現地で再生して住み継ぐ。
移築(特に都市部に)
(3)第三者が古い民家を手に入れ、別の場所で元通りに移築・再生して住み継ぐ。
(4)第三者が古い民家を手に入れ、その古材を利用しながら、現代人のライフスタイルに合うように設計しなおし新しい家を建てる。
の4点を挙げ、最も現実的需要が多いケースとして、「本来なら廃材と化してしまう築100年ほどの古い農家を都市部の住人が手に入れ、新築住宅として再利用するケース」を挙げています。
 また、古民改築にかかる費用については、「実際は想像するほどは高くありません」として、「総建築費は坪単価75万~80万円というのが相場」であると述べ、
・木造在来構法で建てられた東京都の個人住宅の平均建築費(平成11年度):坪単価72.5万円
・個人持ち家住宅の平均建築費(平成11年度):67.4万円
と比較しています。そして、「古民家の移築は、最終的な満足度という点では新材による新築と比べ物になりません」と述べ、「住まいとしてのトータルな質を考えれば、古民家の移築は決して高いとはいえない」と述べています。
 また、設計・施行で気をつけるべき点として、一般的に古民家の欠点といわれている、
・基礎の弱さ
・寒さ
・間取りの悪さ
の3点を挙げ、「最低限この三つの欠点を解消することが、移築後に安全で快適な生活をする上で欠かせない条件」であると述べています。
 さらに、古民家の移築が、「基礎を変え、断熱性や機密性を高め、現代人のライフスタイルにあわせて間取りを変更」し、「変更に合わせて造全体を見直す作業も必要」になるため、「名称こそ移築と呼んでいますが、実際は新築とかわりがない」と述べています。
 第3章「古民家を取り入れた暮らしを学ぶ」では、
・シックハウス症候群対策に「アレルギーの出ない、健康に配慮した家」として
・「あばら家でもいいから、合板や新建材などを使わない本物の家を建てたい」
・「おもしろそうだったから」
・築150年の昔ながらの民家の欠点である寒さや暗さを解決したい
などの理由から古民家を移築・再生した事例が紹介されています。
 本書は、古民家好きな人はもちろん、住宅のあり方を考えたい人にとってお勧めの一冊です。


■ 個人的な視点から

 最近、古い住宅を見るのが楽しいので、とくに田舎道をドライブするとキョロキョロしてしまいます。
 そう言えば実家も「古」くて「民家」であることには変わりないのですが、築100年の本物の古民家のように高値で取引されることはなさそうです。そういえば柱にほぞを埋め戻した後があったりしたので既に再生済みのようです。


■ どんな人にオススメ?

・自分の「家」のあり方にこだわりたい人。


■ 関連しそうな本

 降幡 広信 『古民家再生ものがたり―これから百年暮らす』
 降幡 広信 『現代の民家再考』
 日本民家再生リサイクル協会 『民家再生の魅力―全国・事例選集』
 服部 真澄 『骨董市で家を買う―ハットリ邸古民家新築プロジェクト』
 降幡 広信 『民家再生の設計手法』


■ 百夜百音

Single is Best【Single is Best】 平松愛理 オリジナル盤発売: 1993

 女性からの「関白宣言」ともいわれましたが、そういえば何で「関白」なんでしょうか。「亭主関白」から来ているのか・・・?

『関白』関白

投稿者 tozaki : 2007年10月21日 23:00

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