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2007年12月12日
まちの病院がなくなる!?―地域医療の崩壊と再生
■ 書籍情報
【まちの病院がなくなる!?―地域医療の崩壊と再生】(#1056)
伊関 友伸
価格: ¥1995 (税込)
時事通信出版局(2007/12)
本書は、複雑で解決が非常に困難な地域医療や自治体病院の経営問題に対して、行政学者である著者が、「『お役所組織』である自治体病院の問題点という視点」から分析を行い、「自治体が病院を経営することは限界を迎えており、今後、今のような形で経営を継続できる自治体病院は一部にしか過ぎない」という結論を提示しているものです。
第1章「自治体病院・地域医療に何が起きているのか」では、2007年3月23日に54年の歴史を追え、事実上閉院した宮城県石巻市の公立深谷病院を取り上げ、「自治体病院はつぶれない」「公務員の身分は安定していて仕事を失うことはない」という神話が崩れたことを示し、今、自治体病院と地域医療に何が起きているのかを解説しています。公立深谷病院は、06年10月、銀行から一時借入金の融資を拒絶され、職員の給料も払えないほど資金繰りが完全にショートし、経営している病院企業団の廃止と「民設民営」への移行の手続が遅れるなか、後継法人が発表された3月23日は、「公立深谷病院が患者の診療を停止した事実上の閉院の日」となったと述べています。
そして、舞鶴市民病院や江別市立病院などの例を挙げ、「全国の自治体病院で医師の退職が相次いでいる」と述べ、「自治体病院の崩壊は地域医療の崩壊に直接つながることになる」と解説しています。
また、自治体病院が、「民間の医療機関が手を出しにくい不採算な医療である、へき地、小児、産科、救急、結核、感染症、精神、高度専門などを担うことが求められている」ことを挙げ、自治体病院の多くが、「医療機関が少なかった時代に、地域での医療を提供する機関として設置されてきた歴史」を持っているが、民間医療機関が充実してきた現在、「自治体病院・診療所に求められる使命は、時代の変化により変わってくる」と指摘しています。
著者は、自治体病院をめぐる課題として、
・財政的な問題か医療提供の問題か
・自治体全体の問題か病院現場の問題か
の2つの軸を設定し、下図のように整理しています。
<自治体立病院の課題>
地方自治体全体の問題
↑
医・病院機能の再編 |・財政健全化法
療・医療資源集約化 |・公立病院改革ガイドライン
の・病院の機能連携 等 |・民営化 等 財
提 | 政
供←―――――――経営能力の欠如――――――――――→的
に | な
関・進歩する医療技術 |・医療機器の購入 問
す への対応 |・電子カルテ導入 題
る・住む地域にかかわら |・DPC導入 等
問 ない等しい医療の |
題 提供 等 |
↓
病院現場固有の問題
さらに、「相当数の自治体病院が一時借入金によって病院運営を維持している」現状を指摘し、「生命維持装置である一時借り入れができなくなった瞬間に、一時借入金を頼りにする自治体病院の命運は尽きる可能性が高い」と述べています。
また、「医師不足」と呼ばれる問題に関しては、一般には、「新しく導入された臨床研修制度の影響や医師の都会志向が大きな要因といわれている」が、現役の医師からは、
「役所一律の定数管理をしていて、現場に必要な人員が配置されない」
「病院の要となるべき事務が短期間で異動してしまう」
「民間病院に比べて仕事はきついのに給料が低い」
「箱ものばかりにお金をかけて、医療スタッフにはお金をかけない」
「医療は進歩しているのに、医療スタッフの知識や技術の向上が必要という発想がない」
「何人もの住民が軽い症状で深夜に外来に来る」
などの声が聞かれることを紹介しています。
著者は、「自治体病院をめぐる状況は、八方ふさがりという状況にある」と述べ、これまで、現場の医療スタッフが献身的に働くことで支えてきたが、「過酷な現場の仕事に疲れた医師・看護師たちが、疲れ果てて立ち去っていくのが、今の自治体病院の現状である」と指摘し、「民間病院でも厳しい病院経営を、医療の素人である地方自治体が行うには、能力が絶対に不足している」と述べています。
第2章「医師はなぜ病院から立ち去るのか」では、「自治体病院の経営や地域医療に深刻な影響を与える医師不足の問題」を、「自治体関係者や地域住民は、現在起きている(おきつつある)事態を理解できていない」と指摘した上で、その要因を分析しています。
まず、最大の要因として、新しい臨床研修制度の導入を挙げ、新制度では、新人医師の多くは2年間研修プログラムを受けることになり、「複数の診療科をローテーションで回るため、現場の戦力とはならない」ため、日本の医療現場から一気に6%の「若く、体力のある医師が現場からいなくなった」上、研修後もその病院に勤務し、医局に戻ってこなかったため、大学医局に所属する医師が激減し、医局から自治体病院に派遣していた医師を引き上げる事態になったことが解説されています。そして、「自治体病院に勤務する医師たちは、以前のように大学医局からの派遣が復活することを期待して、少ない医師数でハードな仕事を一生懸命こなしていた」が、「相当数の医師が、大学医局から新しい応援医師が来ないことに希望を失い、自治体病院を辞め、開業やより勤務条件が過酷でない病院に移っていった」と述べています。著者は、千葉県立東金病院の平井愛山病院長が、前者を退職の「第一波」、後者を「第二波」と呼んでいることを紹介しています。
次に、現場では、「多くの医師が疲れ果て、現状に怒りを持ちながら勤務している」状況を指摘し、医師のやる気を失わせるもっとも大きな要因としてハードな労働環境を挙げています。まず、月に113時間以上、勤務時間外に勤務し、もっとも長い例では週に152.5時間(!)勤務しているという長い労働時間を挙げています。また、医療が専門化・細分化し、1人の医師が受け持つ診療密度が高くなったことや、医師の「集約化」、そして、低い待遇を挙げ、「ただでも仕事が厳しいのに、報酬まで抑えられては、自治体病院に勤務する医師のモラールが低下するのは当然だ」と述べています。さらに、「医師と住民(患者)、行政とのコミュニケーションの断絶」を挙げ、クレーマー患者の存在や、「24時間、軽い症状で、夜も休みも患者の都合で医療にかかる『コンビニ的な医療』」を挙げ、コンビニ的な医療で医師が大量に退職した事例として、新潟県阿賀野市立水原郷病院では、人口4万7000人の阿賀野市で年1万件の時間外救急があったことを紹介しています。そして、2006年2月、福島県立大野病院の産婦人科医が、業務上過失致死と医師法第21条違反で逮捕される事件に象徴される、医療訴訟の増加を挙げ、医師たちが、「いわゆる『防衛医療』を意識して医療を行なわざるを得なくなる」状況を解説しています。
著者は、医師と住民(患者)のコミュニケーションの断絶を、「『こちら』と『あちら』の溝」と呼び、この溝を埋めなければ、「医師にとって勤務条件の悪い医療現場からの退職は止まらないであろう」と指摘し、「両者をつなぐ存在が必要である」と述べています。そして、医師と患者をつなぐ可能性の最も高い組織である「行政」と医師との間にも深刻な溝が存在すると述べ、「勤務が過酷で燃え尽きてしまう小児科医が続発する中で」、「休日や夜間の受信を促進する通院医療費の無料化を行なうことが適切な政策であるのか、疑問に感じる」と指摘し、「たとえ、子育て支援のために親の金銭的負担を軽減しても、小児科医師が病院から疲れ切って立ち去り、地域の小児医療が崩壊してしまえば、子育てにとってはかえってマイナスになる。すくなくとも休日・夜間については、通院の医療費の無料化は見直すべきときに来ているのではないか」と述べています。
第3章「自治体病院の経営はなぜ限界を迎えているのか」では、著者が、2006年度に夕張市の病院経営アドバイザーを委嘱され、行った調査などをもとに、「赤字経営や医師不足に苦しむ全国の自治体病院に共通の」問題を洗い出しています。
まず、夕張市総合病院の経営破綻の要因として、
・急激な人口減と立地条件の悪さ
・医師の退職
・看護師不足
・病院マネジメント能力の欠如
などの点を挙げ、「夕張市総合病院は組織としての体をなしておらず、崩壊状態にあった」と述べ、ここの職員は真面目に仕事をしていても、「病院のお役所文化の中で、問題を先送り」し、「ある日突然、夕張市本体の財政破綻と同時に問題が顕在化し、職員や患者にとって悲劇が起きたのである」と述べています。
そして、2006年8月30日に、経営診断結果の報告を行い、病院経営アドバイザーとしての基本的な考えと現地調査に基づく提案として、
(1)医療の継続
(2)公設民営での病院運営
を提示し、夕張市の地域医療は、元瀬棚町立国保診療所長の村上智彦医師が新たに設立した医療法人財団「夕張希望の杜」が指定管理者として受託して行なうことになり、村上医師は市民にも、「夕張の破綻は住民にも責任がある。夕張の再生のため、すべてを行政や病院の責任にして済ませるのではなく、自分のこととして考えよう」と訴えていることを紹介しています。
また、質の高い病院経営の実現に必要なことを、
・ガバナンス:自治体謬尾に経営の健全性、安定性を確立するための社会システム
・マネジメント:病院の持つ潜在価値を最大限に生かすため、管理者層が行なう各種の経営行動
・オペレーション:病院現場での業務の運用を、いかに能率的・効率的に行なうか
の3つのレベルで整理しています。そして、経営破たんした夕張市総合病院や公立深谷病院が、このような状況からほど遠く、「多くの自治体病院の経営も、2つの病院と大して変わらない状況にある」と指摘し、
・ガバナンス:病院長は、医療には責任を負うが、病院経営には権限も責任も与えられていない自治体病院が多く、曖昧な形で運営されている。
・マネジメント:「病院の進むべき方向が示される」べきであるが、現状維持を望む関係者の抵抗が大きく、なかなか示せない。
・オペレーション:おかしいと思った問題を改善することができず、職員はバラバラで、病院としての共通の意識を持つことは少ない。
などの課題を挙げています。
著者は、過去には公設「公営」が持つ「権威」にメリットがあったことを認めた上で、時代は変わり、「住民の自治体病院への尊敬は少なくなり、苦情と憎悪の対象となることが多くなった」、「かつて輝かしく存在した病院としての『権威』が崩壊した自治体病院は、その残存する自らの『権威』に苦しむという構図があるように思われる」と述べています。
そして、「自治体病院の『お役所流』の中央集権的で、規則にガチガチに固められた意思決定システムでは病院経営ができない」、「医療を維持するために必要なことができない。医療の維持にとって不要なことを『あえて』する。既得権を突き崩すことができない」と述べています。
第4章「自治体病院の経営をどのようにして変革するのか」では、「病院の崩壊を防ぎ、地域の医療を守っていくためには、自治体病院が、時代の変化に対応し、自らを変革していくことが求められる」とした上で、そのためには、
(1)経営形態の変革
(2)職員の意識の変革
の2点が重要であると述べています。
まず、前者については、
(1)運営形態の変革:
・地方自治体・行政法人が運営
・民間法人が運営
・運営そのものを廃止
(2)医療提供形態の変革
の2つがあると述べ、経営形態の変革によって、「ガバナンス・マネジメント・オペレーションの3つのレベルで、質の高い病院経営が実現されることが重要である」と述べています。
そして、運営形態の変革の中で、一番多く行なわれている「地方公営企業法の全部適用」に関して、効果がでない理由として、「制度を導入したものの病院事業管理者に十分な権限を与えていない」ことを挙げ、病院事業管理者を「病院局長」と呼び、特別職としてではなく、末端部長の待遇に置き、「病院事業管理者の権限を与えられておらず、予算編成や組織定数・職員採用で財政や人事セクションにいちいちお伺いを立てなければならない病院事業管理者も少なくない」ことを指摘し、地方公営企業法の考え方が、「お役所主義の組織文化に骨抜きにされてしまう」と述べています。
また、指定管理者制度による公設「民営」病院のパターンとして、
(1)外部誘致型:既存の医療法人などに運営を委託する
(2)自立経営型:それまで自治体病院に勤務する病院職員が中心となり、公務員の身分を離れて医療法人を立ち上げ、運営の委託を受けるもの
の2つを挙げています。
さらに、経営の譲渡の場合でも、「外部誘致型」と「自立経営型」の2つのパターンを挙げています。
著者は、指定管理者制度や経営譲渡などにより、民間の医療法人が病院を運営するメリットとして、
・「お役所組織の病理」からの脱却
・病院と行政・住民が対等の立場に立つ
・条例や規則などの製薬が少なく、迅速な意思決定が可能
・職員が危機意識を持って仕事をする
などの点を挙げる一方で、デメリットとして、
・必要な医師数の招聘がかのうな法人が少ないこと
・不良な医療法人等が運営を引き受ける危険性
・「自立経営型」の医療法人を設立するキーパーソンの不在や資金面の不安
などを挙げています。
著者は、職員の意識を変える難しさを指摘した上で、愛知県東栄町の国民健康保険東栄病院の例を挙げ、「外部の人間を招いた職能分析の実施」が大きな要因であったことを述べています。そして、意識改革に必要なものとして、
・外からの刺激と組織の揺らぎ
・職員が現実に直面(データの提示)
・リーダーから新しい方向性が示される
・意味のない規制・ルールの撤廃
・自らの思考や行動の問題点に気づく
・自由な発言、具体的行動と小さな成功の積み重ね
などの点を挙げています。
第5章「地域医療再生への処方箋」では、「医師不足問題に対して国や地方自治体、そして地域がどのように対応していくべきか」を論じています。著者は、「医師や看護師などの医療専門職は、国民全体が共有する人的な財産」であり、「水量に限界のある泉のようなもの」であると述べています。そして、「医師不足」の問題を、「地域社会における病理を浮かび上がらせるリトマス試験紙である」と述べ、「行政、議会、住民が知恵を絞って医師が働きたくなるような職場環境をつくらなければ、医師は地域で勤務しない」と指摘しています。
そして、「住民ができること、すべきこと」として、「地域医療の崩壊で一番困る地域住民が自ら主体的に行動を起こすべき」であるとして、兵庫県丹波市の「柏原病院の小児科を守る会」や千葉県山武地域の「NPO法人地域医療を育てる会」などの活動を紹介しています。
また、「地方自治体ができること、すべきこと」については、自治体病院が医師の招聘を図るために重要な点として、
・関係者が、その地域の進む方向を「言葉」にすること
・必要な資源の投入
・マネジメントの変革
・病院職員にできること、すべきこと
などの点を挙げています。
さらに、「国ができること、すべきこと」として、「医療にかける国家予算の増額、医師数の増加」を挙げ、「少なくとも労働基準法違反で疲れ果てている医師が患者を診るという状態は、一国の医療のあり方として正しいとは思えない」と指摘しています。そして、日本の医療を崩壊させないための国民の選択肢を下図によって示しています。
<国民の選択>
財政的負担
↑
国 行政支出の見直し | 税金、保険料負担を 国
民 | 増やす 民
以←――――――――国 民―――――――――→が
外 | 負
が 医療現場の改革 | 安易な受診をやめる 担
負 |
担 ↓
労力の負担
著者は、「国民の意識が変わらないのに、国の意識が変わるはずがない」と述べた上で、「国民は自分達の医療を守るため、自ら発言と行動をすべきである。それが地域医療のみならず、日本における民主主義の再生につながる」と述べています。
第6章「病院PFIを考える」では、自治体病院の「経営改善の切り札」といわれている病院PFI(Private Finance Initiative)について、「課題も次第に明らかになってきている」として、その意義と課題について論じています。
そして、PFIに関わらず、自治体病院の建築費が高くなる要因として、
(1)キャッシュフローを考えない建築
(2)起債制度と交付税措置
(3)病院経営や医療現場を知らない設計事務所
(4)高い建築費での発注を期待する建設業者
の4点を挙げ、この高い建築費が病院経営に与える影響として、
(1)起債の元利償還金負担
(2)過大な減価償却
(3)病院財政の硬直化による医師不足時代への対応の遅れ
(4)過剰な病床数による赤字の拡大
の4点を挙げています。中でも、(3)に関しては、「吹き抜けのある新築病院から医師がいなくなる」との法則を唱える理由として、「病院がきれいで豪華になると、本来なら地域のかかりつけ医の診察の受けるべき軽い症状の患者まで、外来の診察にやってくる。地方自治体も建物の借金を返すために、医師に一人でも多くの外来患者を診察することを求める。その結果、医師は多くの患者を見てヘトヘトになり、退職する」という理由を挙げています。
また、高知医療センターの巨額の病院建設費について、「PFI自体の問題というよりは、発注者側が病院経営を考えず、過大な設計をしたことに基づくものである。PFIでも、行政側の課題発注を抑える力はない」と指摘し、「これらの問題はPFIの理論やSPCの努力の範囲外というべきものである」と述べています。
さらに、PFI事業のムダとして、
(1)隠れた経費としての応募コストのムダ
(2)設計作業のムダ
の2点を挙げ、「設計・建築者と建物を使う人との協働や共感というプロセスが少ないことが病院PFIの持つ問題の一面なのである」と指摘しています。
著者は、PFIを含めて、少ない資金で質の高い病院建築を行うために必要な流れとして、
(1)キャッシュフローを考え、病院建築に可能な投資金額を考える。
(2)可能な投資額で、その病院が望まれる機能は何か。どのような病院構成とすべきかを絞り込む。
(3)具体的に、医療を行なうのに必要最小限の機能を考え設計を行なう。
(4)このとき、病院で行ないたい医療は何かを意識し、モレやムダをなくし、追加工事や手戻りが起きないようにする。
(5)適正な利潤の中で、最も安い建設費で建築をする建設会社に工事を発注する。
(6)建設会社に工事コストを削減してもらい、適切なものは積極的に採用する。
(7)病院開設後の財務の危機に際して、どのように行動すべきか職員の意識変革をする。
の7点を挙げ、「現場職員にとっては、天から病院施設が降りてくるだけであり、意識変革にはほど遠いのが、PFIを含めた多くの自治体病院の建設である」と指摘しています。
また、運営に関するPFIが持つ「根本的な問題」として、「医療行為を行なう病院側と周辺業務を行なうSPCという2つの組織が病院内に存在」し、「2つの組織の利害は対立しやすい」ことを指摘しています。
著者は、PFIの考え方自体には、誤りはないが、「それが現実の自治体病院の現場に導入されると行政組織の病理によって、本来想定した形とは別なものに変容してしまう」と述べ、その原因は、「病院PFIの前提にある『病院の建築とはどういうものか』『病院の経営はどのようにあるのか』について深く考えないで、外国産まれのPFIというツールに飛びついたことにある」と指摘しています。
本書は、自分のまちで安心して医療を受けたいと望む人にとって、今何が問題になっていて、これから何をすべきなのかを示唆してくれる一冊です。
■ 個人的な視点から
著者の伊関さんは、埼玉県職員時代に県立病院行政に携わった経験から、自治体病院経営の世界には専門の研究者がいないことに気づき、近い将来、自治体病院の経営問題が全国で喫緊の課題になること、そして、行政学の分野で自治体病院の研究をすればオンリーワンの研究者になれることに注目され、研究者に転身されました。
はたして、その読みはずばり当たり、今では全国から引っ張りだこです。誤算があるとすれば、あまりに全国からの引き合いが多くて、休みが取れないことでしょうか。最近ではすっかり痩せ細ってしまいました(ダイエットに成功したとも言います)。
■ どんな人にオススメ?
・なぜ医師が病院を辞めるのかを知りたい人。
■ 関連しそうな本
上山 信一, 伊関 友伸 『自治体再生戦略―行政評価と経営改革』 2005年4月30日
上山 信一, 玉村 雅敏, 伊関 友伸 (編) 『実践・行政評価―事例、解説、そしてQ&A』
小松 秀樹 『医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か』
真野 俊樹 『入門 医療経済学―「いのち」と効率の両立を求めて』
西村 周三, 田中 滋, 遠藤 久夫 『医療経済学の基礎理論と論点 講座 医療経済・政策学』
兪 炳匡 『「改革」のための医療経済学』 2006年12月05日
■ 百夜百マンガ
80年代から四半世紀の間、合コンネタと下ネタを繰り返し再生産する間に、その時々の流行りものを織り交ぜてきた作品です。白クマ広告社の営業はラップがなければ勤まりません。
投稿者 tozaki : 2007年12月12日 20:00
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トラックバック時刻: 2008年07月07日 09:22
コメント
伊関です
本の紹介ありがとうございます。
「このままではまずい」というのが、本の執筆を行う上での動機でした。
恐らく、日本の地域医療は、一度地獄を見るのではないかと考えています。
あと、一つ。
私が研究者になったのは、埼玉県庁のお役所体質に失望したからです。
大学教員になっても、行政評価が主な研究テーマでしたが、戸崎さんと同じPMFJのブログで、医療をテーマとしたときのコメントの多さが、本格的に地域医療を研究を行うきっかけになりました。
たしかに忙しくはなってきています。
体重は、大分リバウンドしました。
投稿者 伊関友伸 : 2007年12月13日 00:14
【気まぐれコンセプト クロニクル 】