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2007年12月29日

東京・江戸 地名の由来を歩く

■ 書籍情報

東京・江戸 地名の由来を歩く   【東京・江戸 地名の由来を歩く】(#1073)

  谷川 彰英
  価格: ¥893 (税込)
  ベストセラーズ(2003/06)

 本書は、東京人の「ちょっと足下を振り返ってもらう意図で書いた」、「江戸時代から受け継がれている地名」の由来を解説しているものです。
 第1章「坂のある町 東京では、グレープの「無縁坂」で知られている無縁坂が、「坂上の北側にある称仰院(現、講案寺)というお寺が昔は無縁寺であったこと」によるといわれていることを紹介しています。
 また、九段坂については、江戸時代にあまりに急だったため、坂沿いに屋敷をつくることができず、「道に9つの段を設けて、道路わきの家を水平に建てた」ことに由来していると述べています。
 第2章「東京の橋を訪ねて」では、水道橋の地名が、井の頭池から引いた神田上水が、元々は一つの山であったところを開鑿して通した神田川を渡るために、「谷を渡る懸樋が必要になった」ため、「江戸で唯一、川を渡る水道の懸樋の景観が実現した」と解説しています。
 第4章「大名屋敷は今」では、新宿が、元々「内藤宿」と呼ばれたところに新しい宿場を開いたので「内藤新宿」と呼ばれたことに由来し、表向きは、日本橋から甲州街道の第1の宿場である高井戸までの距離が長すぎたので、甲州街道と青梅街道の分岐点に新しい宿場を開いたとされているが、実際には、江戸の町が、武士の町であるだけではなく、「江戸の町づくりのため全国から集められた人夫の数も膨大であり、つまるところ男が異常に多い町であった」ため、公営の遊郭を設ける必要があったため、「浅草の商人が名を連ねて新宿の設置を幕府に陳情した」と解説しています。
 第5章「江戸の歴史を歩く」では、「虎ノ門」の地名の由来が、
・「千里ゆくとも無事にて千里を帰る」といわれる虎にちなんだ。
・朝鮮から虎を運んできたとき、その檻が大きくて門を入れなかったので門柱を改造したところからきた。
などの俗説があるが、「四神相応」の考え、すなわち、東の「青竜」、西の「白虎」、南の「朱雀」、北の「玄武」という「天の四神の方角に相応した最良の地勢」を意味する古来中国の思想に基づいたものであると解説しています。
 また、吉祥寺に吉祥寺という名の寺がないのは、「振袖火事」と呼ばれた「明暦の大火」と翌年の大火で罹災した神田駿河台の吉祥寺が駒込に移された際に、門前にいた住人たちや浪人たちが、武蔵野の原野に土地を与えられ、「吉祥寺」という村を作ったことにちなんでいると解説しています。
 第7章「訪ねてみたい寺院など」では、入谷の鬼子母神の「鬼」の字が、上の「ツノ」がない字を使うことについて、子供を奪って食べていた鬼子母神が、釈迦に自分の末子を隠されたことで親の気持ちに目覚めて仏教に帰依したことから「ツノ」がなくなったとされていることを解説しています。
 また、「府中」という地名が、「古代律令時代の政治の中心地」を意味し、全国に府中という地名は確認されているだけでも21ヶ所あり、「駿府」も「駿河府中」の、「甲府」も「甲斐府中」の略であることを解説しています。
 第8章「戦いにちなんだ地名」では、「紀尾井坂」という地名が、「紀伊徳川家、尾張の徳川、そして彦根藩主井伊家の中屋敷があったところから、その一字ずつをとって」つけられたものであると解説しています。
 また、「将門塚」について、明治維新後、大手町に大蔵省が建設され、その玄関前に首塚が伝えられていたが、関東大震災によって塚が壊れてしまった後に、「多くの官僚たちが次々に亡くなり、将門のたたりだといわれた」ことを紹介しています。
 第9章「東京の近代を往く」では、「火防の神様」であった秋葉神社前の火除地のど真ん中に鉄道が敷かれることになった際に、新しくできた「秋葉原」の駅の読み方を「あきはばら」にしてしまったため、「それ以降、秋葉原の歴史から秋葉神社が消えてしまった」として、「駅の命名で地名が変えられてしまうよい例である」と述べています。
 また、「こち亀」で知られる「亀有」の地名が、江戸時代より前には、「亀無」「亀梨」と書かれていたことを紹介し、正保元年(1644)に幕府が国図を作成するに当たり、「『なし』は縁起がよくないので、『あり』にした」と伝えられていると述べています。なお、「亀」とは、「亀の背中のような島状の小高い土地」を意味し、「なし」とは、肯定の「なす」に通じる使い方や「成す」等の解釈が可能であり、「亀無」は「亀のような土地」を意味していたのではないかと述べています。
 本書は、普段当たり前に使っている東京の地名を通じて、江戸を伝えてくれる一冊です。


■ 個人的な視点から

 小学生のときに、電気街好きの父に連れられて秋葉原に来たときに、父が「あきば」と呼んでいたのを聞いて「あきはばらでしょ」と聞きなおしたことがあります。
 そう言えば、昔のヨドバシカメラのCMソングが「まるいみどりのやまてせん」だったためか、山手線を「やまのてせん」とよぶのか「やまてせん」と呼ぶのかも迷いました。「こいのやまてせん」という歌もあるのですが。
 ヨドバシカメラさんには、今日デジカメを買いに行って19800円を14600円に負けてもらったので大感謝です。


■ どんな人にオススメ?

・東京の地名の中に江戸を感じたい人。


■ 関連しそうな本

 谷川 彰英 『京都 地名の由来を歩く』
 谷川 彰英 『地名の魅力』
 手塚 治虫 (著), 谷川 彰英 『「いのち」と「こころ」の教科書―手塚治虫からのメッセージ』
 鈴木 理生 『スーハ゜ーヒ゛シ゛ュアル版 江戸・東京の地理と地名』
 新創社 『東京時代MAP―大江戸編』
 ロム・インターナショナル 『東京を江戸の古地図で歩く本』


■ 百夜百音

Modern Minds and Pastimes【Modern Minds and Pastimes】 The Click Five オリジナル盤発売: 2007

 「キター」とか「栗っ喰」とか出てきちゃうジャパニーズ・クールな映像を見てしまうと、邦題は「Jennyはご機嫌ななめ」ではどうかと思ってしまいます。

投稿者 tozaki : 2007年12月29日 22:00

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