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2008年02月20日

結果を出して定時に帰る時間術

■ 書籍情報

結果を出して定時に帰る時間術   【結果を出して定時に帰る時間術】(#1126)

  小室 淑恵
  価格: ¥550 (税込)
  成美堂出版(2008/02)

 本書は、母親業と社長業など「四足のわらじ」を履きこなす著者が、「タイムリミットがあるからこそ、集中力が発揮でき、充実した仕事ができている」という自らの経験を元に、「限られた時間をもっと有効に使いましょう」と提案しているものです。
 第1章「忙しくてどうしようもないあなたへ」では、「時間にあまり制約のない人ほど、時間をうまく使うのが難しい」ことを指摘し、大切なのは時間をたくさん確保することではなく、「限られた時間をどう使って、何をするか」であると述べています。
 また、「ワークライフバランス」という言葉が、仕事を早く切り上げることや、仕事よりも家庭を優先するべきことと捉えられがちであることに対し、「私生活が充実することにより、結果的には仕事の質と効率が高まるという相乗効果が起きて、どちらもうまく回る状態を作ること」であり、むしろ「ワークライフハーモニー(調和)」ともいうべき意味であると解説しています。
 そして、「ワークライフバランスを大切にしていて、時間の使い方が上手な人」とは、「与えられた時間のなかで、自分の能力をフルに発揮することができ、さらに次の仕事につなげていく人」であると述べています。
 第2章「残業をやめてみよう!」では、「残業も苦になりません」という人に対し、「仕事が大切だからこそ、早く帰りましょう」と提案し、「外部の人脈やアイデア・最新情報をインプットしていない空っぽの人材が、残業代をかけながら社内でいつまでも生産性の低い仕事をしている状態」こそ、「一番会社にダメージを与えている」こともありえると指摘し、「仕事ばかりしていると、仕事がはかどらなくなってしまう」と述べています。
 そして、企業間競争で勝ち残っていくためには、「外部から情報や人脈・多様なアイデアをみんなで持ち寄れる集団」になる必要があると主張し、「普通の生活を楽しんでいない会社が、世の中の流行を捉えたヒット商品を作り出すことができるわけがありません」と述べています。
 また、仕事の進め方についても、深夜残業が当たり前だった過去の自分を振り返り、「仕事を早く切り上げることで、翌日の仕事がラクになる」という経験をしたことを語り、常習化している残業を切り上げるには、セミナーや友人と会うなど、他の人を巻き込んで予定を入れてしまうことを勧めています。
 第3章「『忙しすぎる人』の悪い習慣」では、残業する理由の定番である、「夜の方が、仕事に集中できる」という人に対し、早い時間に仕事をすることのメリットとして、
・体力・気力がある
・何かわからないことがあったときに、すぐ人に聞ける
・お店などが開いている
等の点を挙げ、昼間に集中できる環境を作るための提案として、トリンプ・インターナショナルで実施している、12時30分から14時30分までの2時間、「私語、オフィス内の歩き回り、仕事の依頼・確認など個人の職務に関する以外のことを禁止」する「がんばるタイム」を紹介しています。
 さらに、アフター5の付き合いを上司から声をかけられてしまう人は、「誘いやすい人」や「暇そうな人」に思われているのではないかと指摘し、「私生活が豊かで、約束がいっぱいだという雰囲気をかもし出している人」になり、「ほかに約束があるので」といっても、「あの人ならしょうがないか」と思われるような人になることを勧めています。
 第4章「周りを巻き込んで、時間短縮!」では、上司や同僚、後輩とのコミュニケーションの取り方の課題を挙げ、「いつまでも他の人の仕事に介入しようとしない。自分の仕事も人に譲ろうとしない」人が、「進歩のない人」「後輩を育てられない人」とみなされてしまう危険性を指摘しています。
 第5章「仕事時間が半分になるスーパー時間術」では、「集中力は、それほど長く続かないものだ」ということを前提に、A・B・Cの3つの仕事があれば、3つの仕事を並行して行なうことで、「短い時間で集中してやることが、集中力を高める」と述べ、特に女性には有効であることが多いこと、私生活でも活用できることなどを挙げています。
 また、ビジネス誌で連載講座を持っているプレゼンスキルに関しては、過去に2000回以上のプレゼンをこなした実績を挙げ、なによりも「実践練習をすることが大切」であるとして、ボランティアで開催している大学生向けのプレゼン教室の例や、発表前には誰かを捉まえて事前にプレゼンを聞いてもらうことを勧めています。そして、プレゼンがうまく行かない理由として、
・口癖が多い
・ネガティブワードが多い
・感情がこもっていない
・無駄なデータが多い
・前を向いて話していない
などのポイントを挙げています。
 さらに、ストレスをためないためには、なによりも「よく寝る」ことを挙げるとともに、「会社以外にも自分の世界を持っていること」と挙げ、「自分を支える柱が一本だけではなく、何本もあるほうが、気持ちが安定する」と述べています。
 第6章「プライベートを充実させる時間管理術」では、「ライフ」の時間を有効に使う上で、「人と出会う場所」に出かけること、そして、「自分が貢献できる場所に出かけていくこと」を勧め、そうすることで、「もっと役に立つためにはどうすればいいか」と考えるようになると述べています。
 また、休日を充実させるためには、人と約束したり、何かの予約を入れるなど「人を巻き込むこと」がポイントであると述べています。
 第7章「小室流!『四足のわらじ』を履く私の時間術」では、著者が、
・母親業
・2006年に創業した株式会社ワークライフバランスの経営
・商品開発グループ「ミアマーノ」主宰
・大学生のためのプレゼンテーション講座
の「四足のわらじ」を履いているため、「24時間では足りなくないですか?」と聞かれることが多いが、4つの軸を持つことで、人脈も4倍、入ってくるアイデアも4倍になり、短時間で多くのアウトプットが可能になるので、「四足のわらじを履くことによって、一つひとつの仕事が4分の1の時間で終わってしまう」ようになったと述べ、4つの世界を持つことで、「それぞれの世界でいきづまっても、別の世界での人脈がふっと助けてくれたりもする」と述べています。
 また、忙しい夫との育児・家事の分担については、朝の時間帯の育児・家事をうまく見直すことで、「どんなに帰りが遅い夫でも同じレベルで育児・家事に参加することが可能」であると、自らのスケジュールを示した上で、父親にとっても一定のまとまりのある育児を担当することで、かえって「育児の負担感が低い」というデータを示し、何よりも、「子育ての喜びを感じられる」ことを挙げ、「父親と子どもの絆は強くなり、愛情も深く」なると述べています。
 さらに、「ワークとライフはトレードオフの関係ではない」と述べ、「ライフが充実するからこそ、アイデア・人脈・スキルが得られて結果的にワークの質と効率が高まる」という「相乗効果の関係」にあることを強調しています。
 本書は、文庫サイズで手軽な上、中身も1つのトピックが数ページごとに短くまとまり、隙間の時間でも読みやすい工夫がされているので、忙しい人にこそ読んで欲しい一冊です。
(誤植チェック)
・p.35、13行目「かけなから」
・p.123、7行目「平行して」


■ 個人的な視点から

 著者の小室さんには、ちょうど1年ほど前に講演をお願いしたことがあるのですが、前評判どおりの説得力のあるプレゼンには聴衆も衝撃を受けたようで、それ以来、小室さんの話を引き合いに出すと「ワークライフバランス」という言葉が通りやすくなったような気がします。
 夫の家事分担は朝がいい、というのにも全面賛成で、寝ぼけていても短い時間のルーティンで作れてしまう朝御飯やお弁当などは、男の人にも向いているんじゃないでしょうか。サービス提供の時間が決められていて、そこに向けて複数のタスクを配置していく料理のスキルは、実はプロジェクトマネジメントの訓練には最適なのではないかと思います。


■ どんな人にオススメ?

・忙しくて本なんか読んでる暇もない、という人


■ 関連しそうな本

 小室 淑恵 『新しい人事戦略 ワークライフバランス―考え方と導入法―』 2007年08月22日
 大沢 真知子 『ワークライフバランス社会へ―個人が主役の働き方』 2006年07月24日
 デビッド アレン (著), 田口 元 (翻訳) 『ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則』 2007年09月09日
 中島 孝志 『仕事の道具箱』 2006年11月19日
 Thomas A. Limoncelli (著), 株式会社クイープ (翻訳) 『エンジニアのための時間管理術』 2007年01月06日
 奥井 規晶 『外資の3倍速仕事術―「できる自分」へのムダ消しレッスン!』 2007年09月17日


■ 百夜百マンガ

バーコードファイター【バーコードファイター 】

 コロコロコミックの全盛期を支えた作品(とは言いながらコロコロの全盛期は世代によってそれぞれな気もしますが)。ブームになったバーコード・バトラーの対戦物コンセプトは、カブトムシになったり恐竜になったりと手を替え品を替え、子どもたちの心とポケットのコインを奪っていきます。

投稿者 tozaki : 2008年02月20日 06:00

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