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2008年04月19日

ディック・ブルーナさんの絵本のつくりかた―ミッフィーはどうやって生まれたの?

■ 書籍情報

ディック・ブルーナさんの絵本のつくりかた―ミッフィーはどうやって生まれたの?   【ディック・ブルーナさんの絵本のつくりかた―ミッフィーはどうやって生まれたの?】(#1185)

  みづゑ編集部
  価格: ¥1890 (税込)
  美術出版社(2007/03)

 本書は、1955年の誕生以来、世界中で50年以上も愛され続けている「ミッフィー」とその産みの親であるディック・ブルーナさんを紹介していているものです。
 1955年の誕生時には、「素朴なタッチ」で描かれていたミッフィーは、後に新しく描き直され、「わたしたちのよく知っている形」になったことが、新旧の絵を比較して紹介されています。
 また、「くまのボリス」について、ブルーナさん自身が「自分とよく似た性格をもっている」と語っています。
 「ブルーナさんに聞きました」では、「ミッフィーが、たくさんの人に愛される理由」は、「ミッフィーがシンプルで、あたたかで、正直で、ヒューマニティがあるから」だと答えています。そして、絵本の登場人物たちが、常に正面を向いている理由を、「読者と真っ直ぐに正直に向き合うようにしたい」からだと語っています。
 また、ミッフィーが生まれたきっかけが、夏の休暇で海岸に出かけたときに見かけた走り回っている野うさぎに、長男のシルク君が大はしゃぎしたので、ブルーナさんが毎晩「子うさぎの物語を即興でつくって」きかせたことから、「このお話を絵本にしたらどうだろう」と思い立ったことだったと述べられています。
 さらに、『ミッフィーとメラニー』や『ボリスとコー』が、「たとえどんなところに住んでいても、肌の色が違っても、友達になれるし、とっても親しくなれる」というメッセージが込められていることが語られています。
 「ミッフィーの描きかた」では、「"これだ"と思う瞬間」を求めて、「ワンシーンを描くために、100枚以上もスケッチすることがある」ことや、「一気に線を引くのではなく、点を重ねるように、ゆっくりと描いていく」こと、「1ページに載せる文章は4行だけにすること。そして、2行目と4行目の最後の言葉で、いつも韻を踏んでいること」、描きあがった作品を発表するかどうかは「奥様のイレーネさんをスタジオに呼んで、必ず意見を聞く段階を設けている」ことなどが語られています。
 また、「通常、カラー写真などを再現する場合は、CMYKの4色のインキ」を使うが、「ブルーナさんの絵本では、ブルーナカラーとして特別に調合されたインキが使用」されることが解説されています。そして、最初は、赤、青、黄、緑で表現していたブルーナさんが、1967年の『ABCってなあに』ではじめて灰色でうさぎを描き、1969年の『こいぬのくんくん』で描いたスナフィーで茶色を使うようになり、現在では、この6色のみを使用していることが解説されています。
 「ブルーナスタイルができるまで」では、ブルーナさんが自分自身をグラフィックデザイナーであると捉え、「グラフィックデザイナーと同じように、物事を整理し、クリアにしようとディレクションしている」と語っています。
 そして、若き日のブルーナさんが、出版社経営の研修のために訪れていたパリでモダンアートに出会い、南フランス・ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂で、「マティスが晩年、体調がすぐれない中で精魂込めて手がけた」教会を見たことで、「絶対に描きすぎてはいけないこと、複雑にしてはいけないこと」を学んだことが解説されています。
 「ブルーナさんに教えてもらったこと」では、ひびのこづえ、セキユリヲらの日本のアーティストがブルーナ作品について語っています。
 そして、ブルーナさんが日本の絵本作家の中で、安野光雅を好きな絵本作家としてあげています。
 「ブルーナさんが生まれた街、ユトレヒトを訪ねて」では、2006年にオープンした美術館「ディック・ブルーナ・ハウス」を紹介し、街中のミッフィーの形をした信号機などもあわせて紹介しています。
 本書は、ブルーナ作品が好きな人ならぜひ手元においておきたい一冊です。


■ 個人的な視点から

 昨年の夏に、「ミッフィーとあそぶ夏休み 美術館に行こう! ディック・ブルーナに学ぶモダンアートの楽しみ方」を見に行ってきたのですが、その内容と多少かぶっているような気がしています。
 本で見るのも楽しいですが、美術館の方が楽しいです。


■ どんな人にオススメ?

・ミッフィー好きな人。


■ 関連しそうな本

 ディック・ブルーナ 『ディック・ブルーナ ぼくのこと、ミッフィーのこと』
 ディック ブルーナ 『ブルーナミュージアム―ミッフィーのすべてがわかる』
 芸術新潮編集部 『ディック・ブルーナのデザイン』
 Joke Linders 『Dick Bruna』
 Dick Bruna 『Miffy』
  『ディック・ブルーナのすべて』


■ 百夜百音

Clara Rockmore's Lost Theremin Album【Clara Rockmore's Lost Theremin Album】 Clara Rockmore オリジナル盤発売: 2006

 何にも触れず演奏している姿は初めて見るとびっくりしますが、電子楽器とは思えない人の声のような音色は他の楽器ではなかなか真似できません。
 そう言えば、テルミンのキットが昔イシバシ楽器で売ってたような気がします。

『Music from the Ether: Original Works for Theremin』Music from the Ether: Original Works for Theremin

投稿者 tozaki : 2008年04月19日 16:00

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