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2008年05月14日
超人気ワークライフバランスコンサルタントが教える キャリアも恋も手に入れる、あなたが輝く働き方
■ 書籍情報
【超人気ワークライフバランスコンサルタントが教える キャリアも恋も手に入れる、あなたが輝く働き方】(#1210)
小室 淑恵
価格: ¥1365 (税込)
ダイヤモンド社(2008/3/14)
本書は、「ワーク・ライフバランス」の伝道師として、コンサルティングや講演に全国を飛び回っている著者が語った、「ワーク・ライフバランス的キャリア指南書」です。同じ著者のこれまでの著書と比較すると、『新しい人事戦略 ワークライフバランス』がコンサルタントとしてのメインの顧客である企業の人事担当者を主なターゲットにしていたものであり、『結果を出して定時に帰る時間術』が入社3~5年目くらいの会社員の女性を主なターゲットとしていたのに対し、より「人生」にシフトしているというか、「長い目で見た仕事生活のパターン」としての「キャリア」をどう組み立てていくか、という視点から書かれています。その意味では、本書のメインターゲットは、20代後半から30代前半、結婚や出産を前にして、自分の「人生」と「キャリア」をどうバランスさせていくかに悩む高学歴女性がメインのターゲットといえるでしょうか。そうなると、「ワーク・ライフバランス」というよりも、「キャリア・人生バランス」という感じなのかもしれません。本の装丁も表紙の著者の写真も、ちょっとフェミニンさと「仕事できる感」を強調した印象を受けますし、本文も、これまで以上に自らの生い立ちを語っている部分がある一方で、内容的にはきちんとビジネス書としての格調を持っています。
「プロローグ」では、「ワーク・ライフバランス」という考え方を、「ライフ(プライベート)を充実させることでワーク(仕事)の効率や成果がアップし、そのことでまたライフ(プライベート)が潤っていく好循環を生み出す」と解説し、著者がここにたどり着くまでの、
(1)大学3年生のときに聴いた猪口邦子教授の講演
(2)自分を変えるための1年間のアメリカ生活
(3)大手化粧品会社でのビジネスモデルコンテスト優勝
(4)コンサルティング会社の起業
の4つのステップを語っています。
第1章「『仕事』と『プライベート』がうまくいかないのはなぜ?」では、「人生がなかなかうまくいかない」原因として、
(1)仕事で頑張るには、何かを犠牲にしなければならない
(2)弱みを見せず男性と同じように働くことが、あとに続く女性たちのためになる
(3)子どもの都合でフルに働けないのは、会社に申しわけない
(4)女性には、いろいろ人生の選択肢がある
(5)いったん専業主婦になると、働くのはパートしかない
(6)仕事のコツを上司や先輩から教わるために、長い時間行動をともにしたほうがいい
(7)女性は短距離型、男性は長距離型
(8)若手がすぐ辞めるのは、本人に問題があるからだ
の8つの「誤解」を挙げたうえで、「実は学生時代まで、私自身がどっぷり信じていました」と、「"筋金入り"の専業主婦志望」であったことを語っています。
第2章「私はこうして、キャリアも恋も手に入れました」では、学生時代の著者が、「女性としての幸せをつかむには、仕事なんかしちゃいけない。両立はできないんだ」と思い込み、「負け戦にわざわざ出て行って、完全に負けたりしたらつらいな」と考えていた著者が、大学の授業で聞いた、猪口邦子上智大学教授(当時)の講演をきっかけに、「自分は変わらないといけない」と考えるようになり、1年間休学してアメリカ行きを決めたことを語っています。
そして、アメリカでは、ベビーシッターの経験から、育児休業中にキャリアアップしている女性と出会い、「日本も働いて子育てができる国にしたい」というテーマを見つけるとともに、当時日本ではまだまだ高額だったインターネットと出会っています。著者は、このアメリカ時代の経験から、「新しい環境でしかできない『新たに得られるもの』に意識が向き出すと、新しい環境を前向きに、ポジティブに楽しめるようになっていく」と述べています。
また、大手化粧品会社に入社し、営業の仕事を経験する中で、「お店のお手伝い」に時間を割かれる「丁稚サービス」営業からの脱却を図るために、「グチと文句ばかり言っているようにしか聞こえないことも、相手が無意識のうちに発している相談なんだ」と気づいたことから、「お店のイタリアンレストラン化計画」など売上げ向上の提案書をまとめる営業スタイルを身に付けた経験を語っています。
その後、入社2年目の社内ビジネスモデルコンテストでは、「社のビジネス領域を超えた斬新な」新規事業プランで優勝し、「育児休業者の職場復帰支援」プログラムは「次世代育成法」という追い風を受けて社外にも売れ始めますが、導入企業から、
・男性の育児休業者が使いにくい
・年配男性の介護休業に対応できないか
・メンタルでの休業者に対応できないか
などの不満の声を受け、「個人がいろいろな事情を抱えていても、働き続けられる職場づくりを支援するビジネス」の需要に気づき、起業を決意したことを語っています。
さらに、社長業と生活の両立に関しては、夫婦で交代で子どもの面倒をみる生活が、「子どもにとって理想的な家庭ではないのではないか」と考え、「家族のワーク・ライフバランス」、すなわち、「平日も夫婦がともに仕事の時間をやりくりして、家族で一緒に過ごす時間をきちんと確保すること」が欠かせないと語り、「個人のワーク・ライフバランス」だけではなく、「家族の絆が深まるようなワーク・ライフバランス」の重要性を訴えています。
第3章「ワーク・ライフバランスのための小室流仕事術」では、「20代に毎日『残業』という切り札を使って成果を出していた人は、育児や介護などでその切り札を使えなくなる」として、「時間制約のない20代こそ、短時間で成果を出す方法にチャレンジする」べきだと述べています。
また、ワーク・ライフバランスは、「さりげなく、でも堂々と情報発信し、周りの理解を得、さらには巻き込んでいくことが重要」だと述べています。
第4章「信頼できるパートナーの見分け方、つきあい方」では、「ワーク・ライフバランスを実践し、少しずつプライベートの時間ができれば、会社の外でいろいろな出会いを増やせる」と述べています。
そして、「パートナーを見分ける"目印"」として、「女性のまじめな話を最後まできちんと聞く人かどうか」を挙げています。
また、日常生活の中でのワーク・ライフバランスにとって欠かせない、夫の家事については、「夫を部下にしない」ために、「ぐっと我慢して、ほめながら相手が自分で気がつく」のを待つことや、「8割ほめて、2割付け足す」という「もったいない理論」を紹介しています。
第5章「ワーク・ライフバランスが日本を救う」では、第1章で挙げた8つの「誤解」が生まれた背景について解説しています。
また、「高い付加価値を提供しなくてはモノやサービスが売れない時代には、思い切りライフの時間を持っている人のほうが、アイデアに満ち溢れて高い成果を短時間であげている」と述べています。
さらに、「国がワーク・ライフバランスを言いはじめた理由」について、「このままでは年金や医療などの社会保障制度を根本から見直さざるを」得ないことを挙げ、その対策として、
(1)子どもを増やすこと
(2)女性の社会進出
の2つがあることを解説しています。
著者は、「これからの日本に必要なこと」として、「お互いの多様性を認め合うこと」を挙げ、「そのためには、ひとりひとりが多様な経験をする」必要があると述べています。
本書は、主に女性のキャリアを問題に取り上げていますが、男性にとってもキャリアと人生を考える上で大きな示唆を与えてくれる一冊です。
■ 個人的な視点から
よくよく見ると、タイトルで「超人気」って自分で書いちゃうのはいかがなものかと思ってしまうのですが、現実に「超」が付いてまったく恥ずかしくないくらい「人気」となっています。そして、周囲を含めたそのテンションの高さが、本書の勢いになっているのではないかと思います。
■ どんな人にオススメ?
・キャリアと人生のどちらも諦めたくない人。
■ 関連しそうな本
小室 淑恵 『新しい人事戦略 ワークライフバランス―考え方と導入法―』 2007年08月22日
小室 淑恵 『結果を出して定時に帰る時間術』 2008年02月20日
金井 壽宏 『働くひとのためのキャリア・デザイン』 2005年01月30日
山田 正人 『経産省の山田課長補佐、ただいま育休中』 2006年10月10日
佐々木 常夫 『ビッグツリー 私は仕事も家族も決してあきらめない』 2006年10月31日
大沢 真知子 『ワークライフバランス社会へ―個人が主役の働き方』 2006年07月24日
■ 百夜百マンガ
少女マンガの雰囲気を少年/青年漫画に持ってきて成功した人の作品を、少女漫画に持って帰ったらどうなるか、という意味で興味深い作品です。読むのはやっぱり男の人が多いのかもしれませんが。
投稿者 tozaki : 2008年05月14日 22:00
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