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2008年06月21日

今は昔のこんなこと

■ 書籍情報

今は昔のこんなこと   【今は昔のこんなこと】(#1248)

  佐藤 愛子
  価格: ¥777 (税込)
  文藝春秋(2007/05)

 本書は、今ではすっかり絶滅してしまった日本の風俗を紹介したエッセイ集です。
 「蚊帳」の項では、「布団はなくても寝られるが、蚊帳がなくては眠れない」者であったと述べ、著者の父親が、「山師に騙されて無一文」になったときに、「蚊帳は質屋の蔵の中」、「蚊取り線香を買う金もない」ので、「卓袱台の脚を削ってそれを燻べて蚊取り線香の代り」にしたが、「そのうち卓袱台の脚がだんだん細くなって」しまったと語っています。
 「アッパッパ」の項では、「木綿の布地を簡単に裁ち切って、寸法も格好も考えずにずん胴の筒状にして、それに小さな袖をつけ、胸元は丸くくくっただけの、その名の通りカンタンに作られた」「簡単服」を取り上げ、「まことにアッパッパこそは日本女性が因襲から開放された第一歩といえるかもしれない」と語っています。
 「居候」の項では、「居候三杯目にはそっと出し」という川柳があるが、著者の家に転がり込んでいた居候には、
「暑いなあ、こういう日はスズキの洗いでイッパやりたい」
などという厚かましい居候がいたと語っています。
 「カンカン帽」の項では、「白いステテコに毛糸の腹巻にカンカン帽姿」で「スーダラ節」を歌う植木等を、「我が国に於けるカンカン帽の最後の姿だったのだろうか?」と語っています。
 「どら息子」の項では、「道楽息子が約まってどら息子になった」と述べ、
「あすこの息子はとにかくどらで」
と「人からいわれるようになるまでには、どらなりの習練、修行――気前のよさ、口説のうまさ、欺しの術、話の面白さ、太っ腹ぶりなどなどの切磋琢磨があったにちがいない」と語っています。
 「夜這い」の項では、いざ忍び込む時には、「すっ裸に頬っかぶり」という姿になる理由として、「万一、親爺に見つかった時、泥棒と間違えられないため」で、
「丸裸でもの盗みに行くやつは東西世界、どこにもいねえ。裸は夜這いのしるしだ。着物着ていれば盗賊のしるしだ」
ということだったと語り、「泥棒は罪になるが夜這いは罪にならない。見つけた親爺も警察には訴えない。なぜならば親爺の方も身にオボエがあるから」だと語っています。
 本書は、いまではすっかり姿を消した、初めのころの「昭和」の暮らしを伝えてくれる一冊です。


■ 個人的な視点から

 子供の頃に見た「昭和」と連続性があるからか、どうしても昭和の風俗は、探せばまだその辺にあるものか何かと思いがちですが、「三丁目の夕日」から変わっていないのは東京タワーくらいなもので、いつの間にか今の世の中で探すのは難しくなってしまったのではないかと思います。


■ どんな人にオススメ?

・「昭和」はまだすぐ近くにあると思っている人。


■ 関連しそうな本

 宮本 常一 『忘れられた日本人』 2006年06月25日
 新谷 尚紀 『なぜ日本人は賽銭を投げるのか―民俗信仰を読み解く』 2007年11月08日
 福田 アジオ 『番と衆―日本社会の東と西』 2008年03月07日


■ 百夜百音

BACK TO THE BASIC【BACK TO THE BASIC】 RATS&STAR オリジナル盤発売: 1996

 そう言えば昔は「シャネルズ」でしたが、シャネルからクレームがついたから改名したという話を聞いたことがあります。綴りを変えたりしてたことには気づきませんでした。そもそもシャネル自体を知りませんでしたし。

投稿者 tozaki : 2008年06月21日 23:00

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