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2008年06月23日

続ける力―仕事・勉強で成功する王道

■ 書籍情報

続ける力―仕事・勉強で成功する王道   【続ける力―仕事・勉強で成功する王道】(#1250)

  伊藤 真
  価格: ¥756 (税込)
  幻冬舎(2008/03)

 本書は、司法試験予備校の「カリスマ塾長」として知られる著者による、「続ける力」の「ノウハウを紹介するとともに、最近ともすると軽んじられがちな『続ける力』の大切さ」を訴えているものです。著者は、日々の仕事や勉強でも、「結果そのものよりも、それに対する対処の仕方によって、その価値は変わ」るとして、「続けるかぎり、『負け』はない」と述べています。
 第1章「『続ける』ことはなぜ難しい?」では、「最難関といわれる試験の、合格・不合格を分ける決定的な能力」として、「続ける力」を挙げ、「新しく始めることを、『それをやらないほうが落ち着かない』という状態にまで持っていければ、目標の5割は達成したも同然」だと述べています。
 第2章「『やる気』を続ける技術」では、司法試験は、「地道にコツコツと勉強を続けることができれば、合格に手が届く試験」だとして、
・ゴールからの発想:確信の持てない努力を続ける不安の克服に効果的
・合格後を考える:「ゴール」だと思っていた合格が、たんなる「通過点」にすぎないことが分かる。
・「フェスティナ・レンテ」:ゆっくり急ぐ
の3点を挙げています。
 第4章「勉強・仕事をやり遂げる計画術」では、「毎日やるべきことを書き出す作業」を挙げ、「やることの優先順位をつけると、次に何をしたらいいか迷う時間」がなくなるとともに、「やることの絞込み」ができると述べています。
 また、よく「寝食を忘れて取り組む」ことが、「熱心でよいことのように」言われているが、「人間の脳は寝ている間に、記憶を整理して定着させるという、きわめて重要な働きをしている」として、「睡眠時間を削るのは、あらゆる勉強法の中でも最悪の勉強法」であると述べています。
 第6章「ピンチを切り抜け、事業を続ける」では、著者のライフワークとして、
(1)司法試験の受験指導
(2)日本国憲法の価値を広く伝えていくこと
という2つの「法教育」を、ライフワークとして挙げた上で、1995年に設立した「伊藤塾」の事業を続けていく中で「最大のピンチ」として、「法科大学院構想」を挙げ、教員の手配や校舎の改装等の準備を進め、学生募集も始めていたにもかかわらず、文部科学省の認可が下りず、「それらはすべて無に帰した」とともに、「司法試験そのものの受験生の減少」が追い討ちをかけたと語っています。
 著者は、「法教育を『続ける』ことによって得た『自信』」として、「ひとつのことを信念を持って続けていれば、必ずそれを理解し評価してくれる人が出て」来ると述べ、「自信」と「謙虚さ」と「他人への尊敬」こそが、「27年の継続によって得ることができた大きな財産」だと語っています。
 第7章「『やりたいこと』をやり続ける人生」では、著者が法律家を目指した動機として、大学で憲法を学び、「個人の尊重こそが憲法の中核的な価値であること」「憲法は国家権力に歯止めをかける規範であること」に感動し、「憲法の価値を生活の中で実現する法律家になりたいと思い、べんごしになった」と述べています。
 また、「若い頃からずっと、自分にしかできない仕事をしたいという気持ち」が強くあったと述べ、若い頃には、外資系企業からの就職の誘いもあったが、「迷ったときはいつも、自分がワクワクするほうを選ぶ」ことに決めている、として、「私の講義を受けたり、本を読んだりした受験生たちが、すばらしい法律家になって、日本中で憲法の価値を実現する。それによって、日本がまともな立憲民主主義の国、一人ひとりが個人として尊重される国になる。さらに日本の平和主義が世界に発信され、暴力に頼らない紛争解決によって、世界平和が実現する」という理想があったから、法教育を続けるほうを選んだと語っています。
 さらに、22世紀になって、21世紀を振り返ると、「平和のために様々な分野で活躍した人々」が、「若い頃に『伊藤塾』というところで学んでいる」という共通点があり、「彼ら彼女らの地道な努力が、百年後に世界平和という形で実を結んだ」という姿こそが、「最大の成功」であり、「最高の幸福」だと語っています。
 第8章「『続ける』ことから『力』が生まれる」では、「目先がクルクルと変わる『改革の時代』こそ、『変えてはいけないこと』を意識して守る姿勢が求められ」るとして、「守るべき本質」を見きわめるためには、「利他の視線」こそが必要だと語っています。
 本書は、司法試験に関わらず、地道に日々「続ける」ことをいかにシステマティックにできるかを、長年の受験指導の経験を元に語った一冊です。


■ 個人的な視点から

 本書は、基本的にはノウハウ本の類なのですが、本書の後半には著者ならではの憲法にかける思いが熱く語られています。ノウハウ本としてはおまけみたいなものなのかもしれませんが、実際の受験生にとっては、この後半部分こそが、前半の「続ける力」を支える根っこの部分として伝わり、著者の「大言壮語」に感銘を受けてしまった受験生はどっぷりとはまり、そうでない受験生にも、著者の熱意の源を知ることで「続ける力」の大切さが伝わるのではないかと思います。


■ どんな人にオススメ?

・「続ける」ことに自信がない人。


■ 関連しそうな本

 伊藤 真 『一点集中力』
  『「見てわかる」日本国憲法』
 伊藤 真 『合格のお守り 資格試験のカリスマが教える「夢をかなえる」心の習慣』
 M. チクセントミハイ (著), 今村 浩明 (翻訳) 『フロー体験 喜びの現象学』 2006年05月10日


■ 百夜百マンガ

寺島町奇譚【寺島町奇譚 】

 昔、東京電力のCMで「僕は3丁目の電柱です」っていうのがあったかと思いますが、その絵がこの人だったような気がしてなりません。残念ながら検索したけど裏が取れませんでした。

投稿者 tozaki : 2008年06月23日 23:00

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