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2008年07月06日

モハようございます。 あの人はなぜ、鉄道にハマるのか?

■ 書籍情報

モハようございます。 あの人はなぜ、鉄道にハマるのか?   【モハようございます。 あの人はなぜ、鉄道にハマるのか?】(#1263)

  吉田 一紀 (著), ビーコム (編集)
  価格: ¥1260 (税込)
  オーム社(2008/4/26)

 本書は、「近年稀に見る鉄道ブーム」の中、「まだまだ鉄道、そして鉄道ファンに対して色眼鏡で見ている雰囲気」を感じている著者が、「鉄道を趣味にするのは特別なことではないことをお伝えし、またその溢れる魅力を正面から解説しようと企画したもの」です。
 第1章「キロポスト」では、満員電車での通勤に対する「心の混雑緩和策」として、線路脇に立っている、「基点駅からの距離がわかるようになって」いる「キロポスト」探しを提案し、「満員電車に揺られて頑張っているあなたを、いつも遠くからそっとやさしく見守ってくれる――そのさまは、まるでお地蔵様のよう」だと語っています。
 第2章「カーブの美しい風景」では、著者が「特にハマる鉄道写真」として「カーブを疾走する姿」を挙げ、「鉄道はどんな姿でもカッコイイのですが、カーブを雄大に走り抜ける様は本当にハマります」と語っています。
 第3章「分岐器」では、「分岐器」の読みが、「ぶんきき」ではなく、「ぶんぎき」であることなど豆知識が語られています。
 第9章「音を楽しむポイント」では、「毎日の通勤通学で楽しむことのできるポイントの最終章」として、「VVVF(可変電圧可変周波数)インバータ」という「モーターの制御方式のひとつ」を挙げ、特に有名なものとして、京浜急行の「♪ドレミファソラシド~」と聞こえる車両を紹介しています。
 また、各駅ごとに特徴のある「発車メロディ」を挙げ、著者の個人的な好みとして、山手線恵比寿駅の「ヱビスビールのCMソング」を紹介しています(この曲は、1949年製作の『第三の男』の主題歌ですね)。
 第11章「青春18きっぷ」では、青春18きっぷが「JRの普通列車・快速の普通自由席」という制限があり、「もちろん私鉄・第3セクターには乗ることが」できないが、かつて東北本線であった、盛岡~八戸間が、IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道による運行に変わったために、「東北本線だった頃の印象があり間違えやすく、運賃を請求されて逆ギレしてしまう方もいる」として、「JRと接続している路線を利用するときに間違うケースが多い」と述べています。
 第12章「鉄道で飲む楽しさ」では、学生時代に見た「チビチビ飲むわびしいサラリーマン」の姿が頭をよぎってしまうために、「こんなところで絶対に飲みたくない」と思っていた著者が、甲府出張の帰りの特急『かいじ』の中で上司と飲んだカップ酒とチーカマをきっかけに、列車の中での「チビチビ飲み」にハマってしまったと語っています。そして、「モハよう流チビ飲みの鉄則」として、
(1)飲むのはカップ酒。ビール・缶酎ハイなら350ミリリットル缶1本!
(2)つまみは笹蒲鉾、チーカマ、柿ピー
(3)飲む席はボックス型クロスシートの窓際
(4)マナー厳守
の4か条を掲げています。
 第14章「国鉄車両に乗る」では、「昭和に作られたものは、現代のようなデザイン性の要素は少なく、機能面を重視して設計されていた」と述べる一方で、「現代はすべてに合理化が優先され、それが車両のデザインにも現れているように」思うが、「国鉄の車両には、余裕というか、人間の息遣いを感じることが」できると語っています。
 第16章「SLと触れ合う」では、『キハ048保存会」のホームページを運営している「やまてつ」さんのお話として、「どこかの町で、保存SLを今年の暮れまでに解体してしまうという話」を耳にして、「すぐさま町の担当者に連絡をし、保存をお願いした」が、「他からはまったく意見は出てきていないよう」で、町の担当者が、「誰にも愛されていないSLを残すことはできない」と話していたことを紹介しています。
 第19章「絶滅車両を保存せよ!」では、「路線廃止を撤回して欲しい、国鉄時代に製造された旧型車両は保存して後世に残すべきだ」という理想を、「実際の行動に起こしただけでなく、後世に鉄道文化を残すという大きな実績を残した鉄道愛好家グループ」として、『キハ048保存会』を紹介しています。そして、「そのお一人お一人の熱意がなければ、我々は鉄道博物館で『初の大型ガソリンカー』に触れることはなかった」と語っています。
 第20章「ブルーとレインの乗り方」では、ブルートレイン『富士』に乗る基本知識として、
(1)乗車券・特急券のほか寝台券を購入
(2)洗面用具は自分で用意
(3)車内販売は押さえと考えて
の3点を挙げた上で、「戦前戦後、そして平成を走り抜けてきた『富士』の雄姿をぜひ実際に乗車して記憶に焼き付けておきましょう」と語っています。
 第21章「鉄道模型/人車鉄道」では、著者の母校である千葉大学の鉄道研究会を取り上げ、文化祭での「鉄道研究会最大の展示」として、「図書館前広場にレールを敷設し、箱型の車両を人が押す」という「人車鉄道」を取り上げ、さらに、「人車鉄道の乗車券に硬券を採用していること」に「感動した」と語っています。
 第24章「全国にある鉄道関連博物館」では、4コママンガで「東京都昭島市に使わなくなった新幹線を再利用して作られた図書館があります」として、昭島市民図書館つつじが丘分室を紹介しています。
http://www.library.akishima.tokyo.jp/guide/index.html
 本書は鉄道ファンはもちろん、本書の本来のターゲットである、鉄道に興味のない人、「鉄」を色眼鏡で見てしまう人にもお勧めできる一冊です。


■ 個人的な視点から

 本書は、各章ごとに4コママンガがついているのですが、第1章の「キロポスト」で描かれているキロポストは、1コマ目が「200」、2コマ目が「400」、3コマ目が「500」で、これに笠がかけられていることが落ちになっているのですが、考えてみると、毎日満員電車で200キロ以上を立ったまま通勤するっていうのは相当無理があるような気がします。


■ どんな人にオススメ?

・「鉄」は特殊な人種だと思っている人。


■ 関連しそうな本

 野田 隆 『テツはこう乗る 鉄ちゃん気分の鉄道旅』 2008年03月08日
 一坂 太郎 『東海道新幹線歴史散歩 カラー版―車窓から愉しむ歴史の宝庫』 2008年04月30日
 青木 栄一 『鉄道忌避伝説の謎―汽車が来た町、来なかった町』 2007年07月18日
 原田 勝正 『鉄道と近代化』 2007年11月30日
 三戸 祐子 『定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?』 2005年10月10日
 クリスチャン ウルマー 『折れたレール―イギリス国鉄民営化の失敗』 2006年08月03日


■ 百夜百音

魅せられて【魅せられて】 ジュディ・オング オリジナル盤発売: 2001

 年代的には、この曲の衣装のインパクトばかりが強くて、頭の中では志村けんのイメージとだぶってしまうのは仕方がないのでしょうか。

投稿者 tozaki : 2008年07月06日 06:00

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