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2008年07月19日
マニラ好き
■ 書籍情報
【マニラ好き】(#1276)
日名子 暁
価格: ¥1400 (税込)
太田出版(2007/04)
本書は、「日本の男たちが、なぜフィリピーナにはまるのか、入れあげるのかを分析」したものです。著者は、フィリピーナをめぐる状況を、「売春」から「結婚」へと「大きく流れが変わってきた」と述べています。
第1章「正しい『追っかけ』」では、フィリピーナのホステスに入れあげて、マニラを訪れた、「真面目」で「真剣」と「肩ヒジを張ったタイプ」に、「なぜか全国のフィリピンクラブでよく会う」と述べた上で、迎えに来るといっていた彼女は、言い訳をして、「謝らない・悪びれない・自分は悪くない」の「これまたフィリピンスタイル」であると語っています。
第2章「正しい『追っかけ』」では、04年をピークに、「フィリピーナを雇用する店、来日するフィリピーナ、ともに大幅に減少している」理由として、「国連の小委員会が、いまだに人身売買を続けている国として日本を挙げた」ことを挙げています。
そして、「人生のピークは過ぎ、良きも悪きも人生の黄昏を迎えた年齢」の男たちについて、「彼らは心がさびしいからフィリピンクラブに通う。したがって、フィリピンクラブは病院であり、フィリピーナは医者兼看護婦なのである」と述べています。
また、「フィリピンクラブに通う日本の中・高年の客の大半が、フィリピーナの国での暮らしぶりを聞くと過ぎ去りし日々を思い出し、郷愁を感じる。そして、目の前にいるフィリピーナと過去の自分とがオーバーラップし、それが渾然一体となって胸がいっぱいになる」と述べています。
さらに、「フィリピンにおける家族の絆は、日本人の想像を超える強固なものだ」として、「家族の中から誰か、日本に出稼ぎに行くフィリピーナのような働き手が出れば、そのフィリピーナの稼ぎに、残った家族は依存する」と述べています。
第3章「正しい『愛人』」では、「ヤクザとフィリピンの関係は古くて深い」として、ジャパゆきビジネスや拳銃などのシノギを挙げた上で「フィリピンでは『YAKUZA』は一般名詞となっていて、フィリピンの新聞、テレビ、雑誌などにもしばしば登場」すると述べ、この他、「自称ヤクザ」が、「マニラ周辺には百名前後いる」と述べています。
また、「ヤクザ社会における地位、貫禄などのヤクザとしての格の違いは日本国内でのもの」であり、「フィリピンでは、そんな格の違いは通用しない」として、「フィリピーナも"フリーヤクザ"も、フィリピンという土俵の上に上がれば日本のヤクザには負けない、と思っている」と述べています。
そして、フィリピーナの愛人にコケにされた日本のヤクザが、復讐を試みるも、地元ギャングの連中や、警察署長クラスをボディガードに連れた軍への強いコネクションをカラオケ店の店長にあしらわれ、その後、「ヤクザが愛人にしてやられた、という話はマニラ界隈では格好の話題として広が」ったと述べています。
第4章「正しい『愛人』――2』では、フィリピーナ2人を囲う元ヤクザの男が、年に2回、「愛人をたずねての極楽旅」を楽しみ、その「フィリピーナ愛人確保術は、彼の属するヤクザ業界で評判となった」と述べています。
また、「若いころにヤクザを経験し、三十代で足を洗い、個人運動家になったと自称」する男が、「日本人の男に捨てられたフィリピーナの代理人をつとめ」、フィリピーナの愛人トラブルの中から、「これなら金になる、というケースをピックアップ」し、「このフィリピーナの愛人話が表ざたになると困る社会的な立場にいる男たち」をターゲットにしたことを解説しています。
第5章「正しい結婚」では、80年代から90年代にかけての農村の「フィリピン花嫁」に関わった結婚ブローカーが、百万円を超す金を得ていたことや、その手続きが非常に煩雑なこと、日本各地にフィリピンクラブが誕生した結果、「日本とフィリピンのカップル誕生は集団見合いから、個人へと変わっていった」ことなどを解説しています。
本書は、当事者でないと気持ちが想像しにくい、フィリピーナに入れあげる中高年の諸事情と心理をわかりやすく解説した一冊です。
■ 個人的な視点から
フィリピンパブに行きたがる人というのは、どこの世界にも一定数いるようで、人それぞれな趣味・嗜好・性癖の一カテゴリーくらいに思っていましたが、もっと人生の重みを背負った根の深いものであることを垣間見たような気がします。そういう意味では、遊びではなく、人生をかけてのフィリピン通いと言ってもいいのかもしれません。
■ どんな人にオススメ?
・フィリピン人は単なる外国の人種のうちの一つと思っている人。
■ 関連しそうな本
日名子 暁 『マニラ通』
白野 慎也 『フィリピーナはどこへ行った―日本から消えた彼女たちの「その後」』
福沢 諭 『ザ・フィリピン妻―雇われ店長が溺れたディープすぎる世界』
浜 なつ子 『死んでもいい―マニラ行きの男たち』
浜 なつ子 『マニラ行き―男たちの片道切符』
■ 百夜百音
【モダン・レコーディングの冒険】 バグルズ オリジナル盤発売: 1981
「ラジオスターの悲劇」は誰もが知っていますが、色々ゴタゴタあったすえのセカンドアルバムは通好みだったせいか、パクっても一般にはばれなかったそうです。
投稿者 tozaki : 2008年07月19日 06:00
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