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2008年09月10日
図解「通販」業界ハンドブック Ver.2
■ 書籍情報
【図解「通販」業界ハンドブック Ver.2】(#1329)
店舗システム協会
価格: ¥1680 (税込)
東洋経済新報社(2007/10)
本書は、「他の業態の補助手段としてではなく、独自の可能性を持った販売分野として、新たな発展の入り口にある」通信販売業について、網羅的に紹介しているものです。
第1章「『通販』業界の基礎知識」では、通信販売というビジネス形態について、
(1)顧客データベースをよりどころに、
(2)メディア(媒体)を活用して、
(3)双方向コミュニケーションを行い、
(4)その結果(レスポンス)を計測することによって、次のよりよい手法を構築していく
の4点が大きな特徴だと述べています。
そして、通信販売という業態が、「他の小売チャネルと比較すると、はるかにシステマティックに組み立てられたビジネス」であるとして、「マーケティング」のデータを活用した「"仮説立て→実行→検証→次の仮説立て"というサイクルをいかにして常に上手に回していくか」がポイントであるとして、「通販の基本は"欲しい人に、欲しいモノを、ほしいときに"いかにスピーディに追求していくかということであり、その前提として、"信頼される商品とサービス"と"それを正しく理解してもらえるクリエイティブ"、さらに"適切な潜在ターゲットに適切なオファーをするためのデータベース"が必要」だと述べています。
また、「商品の受注・配送・代金回収や業務全体にかかわるコンピュータシステム」など、「ビジネスを背後から支える機能」を意味する「フルフィルメント」について、今日の通販ビジネスにおけるフルフィルメント機能の最大の課題は、「いかにして顧客への提供手段(顧客の選択肢)を多くし、顧客満足を高めるか」だと述べています。
第2章「モバイル環境の進展とメディアミックスの動き」では、「ケータイの消費行動のきっかけ」として、「事業者側からの『働きかけ』である」として、マーケティングでの一般的な消費行動のサイクルが、「AIDMA」と表現され、
・Attention(注意)→Interest(興味・関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動・購買)→Attention
のサイクルであるのに対し、ケータイ通販では、「記憶」が「働きかけ(Push)」に置き換わる「AIDPA」、
・Attention(注意)→Interest(興味・関心)→Desire(欲求)→ Push(働きかけ)→Action(行動・購買)→Attention
になると述べています。なお、パソコンによる消費行動は、「AISAS」と呼ばれ、「興味・関心」のあとに「検索(Search)」がくること、「行動・購買」を起こした後に「情報共有(Share)」が行われることが特徴である、
・Attention(注意)→Interest(興味・関心)→Search(検索)→Action(行動・購買)→Share(情報共有)→Attention
というサイクルと述べています。
第3章「『通販』業界の現状」では、「小売業界において、通信販売ほど企業の浮き沈みの激しいチャネルはない」とした上で、業績を拡大しているタイプとして、
(1)化粧品・健康食品やパソコンといった単品、もしくは類似カテゴリーに絞り込んで販売を行っている企業・・・ディーエイチシー、ファンケル、デルなど
(2)企業をターゲット顧客として事業を行う、B to B通販企業・・・アスクル、ミスミグループ本社など
(3)ケーブルテレビなどを活用し、24時間専門放送のチャンネルをもつ「テレビ通販」企業・・・ジュピターショップチャンネル、QVCジャパンなど
の3点を挙げています。
そして、「大手総合通販企業が相対的に苦戦している一方で、取扱商品を絞り込んだ専門店型通販会社やテレビショッピングやインターネット、衛星放送などの媒体を活用して飛躍した企業の躍進が顕著に見られる」と述べています。
また、「近年、通信販売業界で行世紀を急拡大している企業のタイプ」として、「食品(特に健康食品)を手がけている企業」を挙げ、主要な食品通販企業には、「それぞれ何らかの他社にない特長があり、それが生活者に受け入れられた結果、大きな売り上げを作っている」と述べ、「日本で初めてチューブ詰めハチミツの生産やハチミツ梅漬の製品化に成功する一方で、そういったビジネス化の裏づけとなる『山田式蜂蜜チューブ充填機』や『蜂蜜用蜂球内部型給餌機』などの機器まで自社で開発するなど、徹底的にミツバチにこだわった商品提案が生活者の大きな共感を呼んでいる」食品関連通販企業第3位の山田養蜂場を紹介しています。
さらに、「総合通販が伸び悩んだ大きな要因として、顧客セグメンテーション上の問題」を挙げ、「一人ひとり異なる買い手のニーズを漏れなく満たすのは難しいため、売り手は市場(顧客)をいくつかのセグメントに細分化して対応していこうとする」として、「地理的変数、年齢や性別などの人口動態的変数、ライフスタイルやパーソナリティなどのサイコグラフィック変数等」を挙げ、「売り手は、ターゲットとする市場を設定しなければならない」と述べています。
第4章「『通販』ビジネスに不可欠なマーケティング要素」では、「一つのレスポンスの獲得についてかかったプロモーション費用」を示す、「CPR: Cost Per Response」について、「プロモーション費用/レスポンス数=CPR」の式で求めることができると述べ、「一件あたりの受注にかかるプロモーションのコスト」については、「プロモーション費用/受注数=CPO: Cost Per Order」の式で求めることができると解説しています。
第5章「ベーシックな『通販』ビジネスモデル」では、メーカーの通販参入で注意すべき点として、
(1)既存の流通ルートを損なわないこと
(2)本業のイメージを損なわないこと
(3)採算性を重視すること
の3点を挙げています。
第7章「『通販』業界の歴史」では、ブルワーカー、ルームランナー、アブトロニック、ビリーズブートキャンプなどの代表的な健康機器のヒット商品を紹介しています。
本書は、もっとも先鋭的なマーケティングの激戦場である通販の世界を概括した一冊です。
■ 個人的な視点から
先日、単品通販の第一人者、株式会社ディーエムネットワークの伊澤社長にお会いしてお話を聞く機会がありましたが、単品通販の世界が、マーケティングの粋を凝らした激戦場であると同時に、そこを勝ち抜くには、思いやストーリーが大事であると伺いました。
ちなみに、社名がティーエムネットワークに似ているのは偶然なのでしょうか。
■ どんな人にオススメ?
・通販と聞くと雑誌の裏表紙の怪しげなグッズ類を思い出す人。
■ 関連しそうな本
芳子 ビューエル 『なぜ、テレビショッピングで買ってしまうのか?』
中村 あつ子 『イラスト図解 通販のしくみ』
斎藤 駿 『なぜ通販で買うのですか』
鈴木 隆祐 『「通販」だけがなぜ伸びる』
ダイレクト・マーケティング・グループ 『失敗しない単品通販―はじめるなら成長業種だ!』
西野 博道, 山下 眞理 『「ワクワクドキドキ」やずや式少数盛栄術』
■ 百夜百マンガ
元々はギャグ漫画家だったのにいつの間にか思想家というか言論の人になってしまっていました。漫画として面白いかというと、個人的には読み物という感じの扱いです。
投稿者 tozaki : 2008年09月10日 21:00
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