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2008年09月22日
アメリカの雑誌ビジネス
■ 書籍情報
【アメリカの雑誌ビジネス】(#1341)
桑名 淳二
価格: ¥3150 (税込)
風涛社(2008/07)
本書は、「広告収入に頼る雑誌ビジネスではなく、販売収入に頼った雑誌ビジネス」を目指すなど、「アメリカ雑誌業界の読者研究の取り組みから、新しいビジネスモデルを」探ったものです。
第1章「アメリカ雑誌ビジネスのキーワードは『熱狂的な読者を掴まえる』」では、「アメリカ雑誌は、広告収入なしでは存在できないビジネスとなっている。そこで、雑誌社は、広告収入を増やすためには、読者数を伸ばすことが最善策であると判断し、年間予約購読料金を大幅に割引して、読者を集めようと躍起になってきた。いわゆる数の多さを競うナンバー・ゲームを展開してきたのである」と述べています。
第3章「アメリカ雑誌ビジネス『読者をどのように考えればよいのか』」では、新しいビジネス・モデルの考え方として、
(1)販売収入で利益が出るビジネスを構築すること
(2)熱狂的なファンを読者にすること
(3)雑誌をマーケティング媒体としてアピールすること
(4)雑誌関連のサービスをビジネスに加えること
(5)収入源を多様化すること
(6)雑誌ビジネスにドット・コムを活用すること
(7)ビジネスはダウン・サイジングを基本にすること
(8)新しい販売ルートを開拓すること
の8点を挙げています。
第5章「雑誌作り『クオリティのある読者を掴まえる』」では、「現在、アメリカの雑誌ビジネスは、単に雑誌を販売する、広告を獲得するというだけではなく、第三の収入の柱を探し求めている」として、「イベントやカンファレンスの開催や、関連商品の販売にとどまらず、いろいろな方面に広がってきている」と述べています。
第8章「雑誌広告『雑誌広告と読者の関係』」では、「編集記事そっくりのページで、通常、スペシャル・アドバタイジング・セクションと呼ばれる記事広告」が「アドバトリアル」と呼ばれるとした上で、「雑誌社は広告を割り引きなしの価格で獲得するうえでの取引にアドバトリアルを使うことが多い」と述べ、「あまり、多すぎると問題がある」のでは、「アメリカ雑誌発行者協会とアメリカ雑誌編集者協会はスペシャル・アドバタイジング・セクションと明記し、書体を本文と変えなければならないというようなガイドラインを作っている」と述べています。
第10章「雑誌創刊のポイント『読者第一主義』」では、「雑誌創刊で最も重要なのは最初の1年間である」として、「雑誌ビジネス、長い期間の投資が必要で、週刊誌や月刊誌、または、50万部以上の部数では、支出が多く、早期における利益は見込めない。最初の2~3年を生き残るためには、雑誌社は多くの資金が相当必要になる」と述べています。
第13章「雑誌ブランドの拡張で読者を拡大する『どのように読者を増やすか』」では、アメリカの雑誌社にとって、海外版の発行が、有望なビジネスとなっているとして、
(1)ハイテクの普及によって、製作、ファイル転送、意思の伝達などがきわめて容易である。
(2)現地通貨支払いなど、現地スタッフの雇用の面で有利である。
(3)有能な人たちがアメリカ雑誌関連事業に参加してくれる可能性が大である。
(4)海外版の発行を通じて新しいビジネスモデルを習得できるチャンスがある。
の4点を挙げています。
第15章「カスタム・マガジン『企業と連携して顧客を読者に』」では、企業がその顧客に向けて発行する雑誌であるカスタム・マガジンについて、その目的は、「現顧客の維持と新しい顧客の獲得である」と述べ、「雑誌社は企業と連携してカスタム・マガジンを発行することによって、新しい読者を掴まえることが可能になったことから、今後は、カスタム・マガジンの状況を調べてみる」と述べています。
第18章「雑誌の生き残りの道『定価で購入してくれる人々を掴まえる』」では、「新しいビジネスモデルを作り上げなければ生き残れない」として、「従来の広告収入依存のビジネスから販売収入依存のビジネスへの転換を図ることで、そのためには、熱狂的な読者を掴まえ、年間予約購読でも割引料金ではなく、低下で購入してもらうことである」と述べています。
そして、「変革の時代における最重要課題は雑誌の役割を再確認することである。そして、掴まえた読者の要求に合わせた雑誌作りをすることである」として、「雑誌には他のメディアにない長所がたくさんある。その優れた面を強調していけば、雑誌は必ず生き残れる」と述べています。
本書は、日本の雑誌関係者にとっても、雑誌の読者にとっても、新しい姿のヒントを与えてくれる一冊です。
■ 個人的な視点から
アメリカの雑誌をテーマにしているからなのか、本書の文体もやけに翻訳調なところがあり、最初は、アメリカのビジネス書を訳したものかと思いましたが、日本人が書いています。パクリじゃないといいんですが。
■ どんな人にオススメ?
・最近の雑誌はつまらないと感じている人。
■ 関連しそうな本
桑名 淳二 『データが語るアメリカ雑誌』
桑名 淳二 『アメリカ雑誌は表紙で勝負する』
桑名 淳二 『データで見るアメリカ雑誌』
桑名 淳二 『アメリカ雑誌をリードした人びと』
サミール フスニ (著), 桑名 淳二 (翻訳) 『ミスター・マガジンの「アメリカ雑誌で成功する方法」』
■ 百夜百マンガ
「探偵」という職業も、ドラマや映画の中では良く見かけますが、実際のところ何をしている人なのかよくわからないところがあります。とりあえず、人の人生に首を突っ込む仕事、ということでの設定なのですが。
投稿者 tozaki : 2008年09月22日 06:00
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