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2008年09月26日

東京R計画―RE‐MAPPING TOKYO

■ 書籍情報

東京R計画―RE‐MAPPING TOKYO   【東京R計画―RE‐MAPPING TOKYO】(#1345)

  CET
  価格: ¥2500 (税込)
  晶文社(2004/09)

 本書は、「かつて東京の中心部であった地域を、デザインやアートの観点から、再発見=創造するための運動体」である「CET(Central East Tokyo)」の「ガイドブックであり、新しいタイプの情報誌であり、現代都市を読み解くためのマニュアルであり、認識方法のカタログである」とともに、ここで起ころうとしていることを、「記録し、ノウハウ化していくテキストブック」です。
 そして、「RE-MAPPING TOKYO」について、「個人によって都市はさまざまなかたちに認識されていて、その認識のしかたは一様ではない。実際の年の地図の上には、幾重にも見えない地図のレイヤーが重ねあわされて風景はつくられている」と述べています。
 第1章「TDB-CEの記録」では、神田について、「江戸の名残で、この界隈は居住空間と仕事場が共存している構造が多い。つまりSOHOとして非常に適している街」だとして、「この街にあった方法で開いているスペースを有効活用するべく、2000年に『千代田SOHOまちづくり構想』」をまとめたと述べています。
 また、会期中に、「作品が展示された空き物件は、そこを見に来た観客に気に入られ、そのままギャラリーになったところもある」と述べています。
 第2章「CET04の企画」では、「新築の漂白された空間ではなく、歴史と触感と奥行きのあるエリアでこそ、都市再生の活動は具体的な結果に結びついていく」と述べ、「神田明神のお祭りのように、熱気と情熱、つまりムーブメントとしての活動体が『CET(Central East Tokyo)』として結実する」と述べています。
 そして、「アーティストとこの街は、実は相性がいい」として、このエリアが、「江戸時代、葛飾北斎や平賀源内、歌川(安藤)広重といったアーティストが数多く住んでいた場所である」と述べています。
 また、CETのスタッフが街のビルオーナーを説得する際に、「一週間だけタダで貸してください。多くのひとがアート作品を鑑賞するように、あなたのビルを見に来ます。もしかすると、この空きビルを気に入って借りてくれる人も現れるかもしれません」と説明していたと述べています。
 第3章「Director's Interview」では、CETが、「誰が指示を出すわけでもなく、それぞれが全体のなかでのポジションと役割を発見し、ある程度それぞれが現場判断で動いていく」という「フラットソサエティによって成り立っている」と述べています。
 CET実行委員長の鳥山和茂氏は、「アーティストがとがったもので、地元の人たちがのっぺりしたものだとしたら、それらの溝をきっちり埋められるような厚みを持つ樹脂みたいな存在になれたら」と語っています。
 CETプロデューサー/アートディレクターの佐藤直樹氏は「まったく前例のないところからつくり、その上で最終的には最後のディティールのところまで自分たちでできるって、やっぱり面白い」と語っています。
 CET顧問の清水義次氏は、CETを、「地元の人も新たに移り住んだ人も、このエリアで仕事をするのは面白いと思ってくれるものを目指す、新しい形のクリエーション活動」だと語っています。
 インディペンデントキュレーターの原田幸子氏は「CETで面白いのは着眼点と発想の違いだ」として、「アーティストや建築家はすごく暗くて汚い廃墟を見ても、落胆するどころかむしろ自分たちがこれをどう変えていこうかと大喜びする」ことを指摘しています。
 建築家・編集者の馬場正尊氏は、「僕らは基本的に新しい風景や出来事を見たいがために仕事をしている」として、「具体的なものをつくってしまえば、そこから新しい現実がごろごろ生まれてきて、そういうダイナミズムの中に身をおいているのが好きなんだ」と語っています。
 CET事務局/プロデューサーの橘昌邦氏は、「RENの家守としても、商店街の理事としても、CETのクリエイターや彼らの活動能力と地元の産業を結び付けたい」と語っています。
 第4章「Re-Mapping」では、「CETマップ」を、「地図を認識の道具としてとらえたプロジェクト」であると述べたうえで、「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」である「トマソン」マップや、「おもしろい建物・看板」マップ、ウィーンの建築家・芸術家のフンデルトヴァッサーにちなんだ緑化マップなどを、様々にマッピングしています。
 第5章「関連プロジェクト」では、「RENというシェアオフィスをマネジメントすることはもちろんのこと、単体のビルのだけではなく、その周辺に散在する空き室をネットワークさせることによって、総合的にエリアの利便性を高める」という「家守」のキャラクターについて語っています。
 また、「リノベーション」について、「単に改装するのではなくて、古くからある都市や建物の何かを変えることによって、新しい使い方や命を吹き込むような行為」であると述べています。
 本書は、古くて新しい東京の姿をリアルタイムのように見せてくれる一冊です。


■ 個人的な視点から

 本書のカバーは、一見シンプルなカバーのように見えますが、なんとなく持った感じがおかしい。
 よく観ると、A3サイズの紙を折りたたんでカバーにしてあって、オリジナルの「マップ」を書き込むことができるようになっています。
 裁縫の本などでは、服の型紙が綴じこんであることがありますが、人によっては、邪魔だから捨ててしまう、という人もいるカバーをこういう風に工夫するのは楽しいと思いました。


■ どんな人にオススメ?

・目に付きにくい東京の隠れた魅力を追いたい人。


■ 関連しそうな本

 東京R不動産 『東京R不動産』
 馬場 正尊, 原田 幸子, 阿野 太一 『R the transformers』
 東京大学21世紀COEプログラム「都市空, 藤野 陽三, 野口 貴文 『アーバンストックの持続再生―東京大学講義ノート』
 秋山 英樹, IC21 『空室ゼロにするリフォーム&リノベーション―賃料値下げをしないですむ打開策』
 中谷 ノボル, アートアンドクラフト 『みんなのリノベーション―中古住宅の見方、買い方、暮らし方』
 みかんぐみ, メディア・デザイン研究所 『団地再生計画/みかんぐみのリノベーションカタログ』


■ 百夜百マンガ

Banana fish【Banana fish 】

 文化庁の「日本のメディア芸術100選」の漫画部門26位に輝く作品。この作品を読んでニューヨークのイメージが固まってしまった人も少なくないのではないかと思います。


投稿者 tozaki : 2008年09月26日 22:00

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