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2008年10月14日
社内報革命
■ 書籍情報
【社内報革命】(#1363)
産業編集センター
価格: ¥2100 (税込)
産業編集センター(2006/08)
本書は、社内報のアウトソーシングを手がける著者が、「これまで蓄積してきた知識やノウハウを公開すること」で、「社内報制作という同じフィールドで日々奮闘している皆さんへのサポートとエールになる」という考えから書かれたものです。
第1章「社内報の基本」では、「社内報の特徴や昨日をしっかり理解することから、"社内報革命"が始ま」るとして、「社内報とは、単なる社内の情報誌というよりも、企業経営をサポートするための"経営ツール"といったほうが適切」だと述べ、「財務会計ソフトが作業の効率化を通じて経営をサポートするように、社内報はコミュニケーションの活性化によって経営をサポートするツール」だと解説しています。
そして、社内報の基本機能として、
(1)トップダウン(トップと社員をつなぐ)
(2)ボトムアップ(社員と会社をつなぐ)
(3)ヨコ・ナナメのコミュニケーション(部門間、部署間などをつなぐ)
の3点を挙げています。
また、社内報の目的とは、「社員がイキイキと仕事に取り組むことができる風土を作り、社員がやる気を持ち、やりがいを感じられるようにする」ことである、つまり、「社員のモチベーションアップ」に他ならないとして、「社員のモチベーションをアップさせるために社員に働きかける内容が、社内報の『役割』」であると述べています。
さらに、「なぜ今、インナーコミュニケーションなの」かについて、
(1)経営環境の変化:社員が一丸となって変化に対応し、変革に取り組む必要。
(2)企業と社員の関係の変化:企業力を発揮するために必要な企業と社員の結びつきを作る。
の2点を挙げています。
著者は、最も重要な担当者の仕事として、「社内報を使ってなにをしたいのか、社内報を読む社員にどのような思いを持ってもらいたいのか」を「強烈に思うこと」だと述べています。
第2章「社内報のアウトライン」では、社内報の編集部が、以前は、社員融和や研修教育の面から総務部や人事部に置かれることが多かったが、最近は、「広報部やコーポレートコミュニケーション部の中に社内広報専門セクションが設けられ、そこが主管になっている場合」や、「社内報をブランド力情勢のツールとして捉え」、ブランド推進部が主管部署となっている場合もあるとしています。
また、「編集方針」を決める上で、「メイン読者ターゲットを想定することが必要となる」として、「主に読んでほしいのはどのような社員なのか。年齢、趣味特技、好きなテレビ番組など、詳細なプロフィールを作って」みることで「読者層の姿が具体的に見えてくる」と述べています。
第3章「伝えるための企画術」では、「企画の良し悪しが、社内報の効果を左右するといってもいい」と述べ、特集企画に当たっては、「読者(社員)からの距離が『近』→『中』→『遠』という3つの視点で紙面を構成すると効果的」だとアドバイスしています。
第4章「伝えるための取材撮影術」では、「社内報の取材の大きな特徴」として、「取材そのものが一つのコミュニケーションである」として、「社内報担当者の顔が売れることにより、社員にとって社内報が身近なものになり、認知度が高まるという副次的効果も期待」できるとしています。
また、取材時には、「録音をあてにするあまり、メモがおろそかになったり、あるいは操作ミスなどでまったく録音できずに冷や汗を流すことにもなりかねない」として、「基本的にはメモを頼る」こととしています。
さらに、人物撮影の基本として、「目にピントを合わせること」、横向きの写真を撮る場合には、「手前にある目にピントを合わせるのがポイント」だと述べています。
第5章「伝えるための編集術」では、どうしても書いてもらえない人への催促のテクニックとして、
・書けない人にアドバイスする:「こんなときは、こんな要領で」
・懇願する:「お願いだから書いてくださいよ」
・泣き言を言う:「原稿が遅れると、私が叱られるんですよ。どうにか書いてもらえませんか……」
・おどす:「この分だと発行が遅れますね。あなたのせいだとは言いませんが……」
・強硬手段:その場で書かせる
などを挙げています。
また、「掲載する原稿を社員に依頼する場合が多い」社内報では、「誰が読んでもわかりやすい平易な文章に書き直したり、決められた分量に短く削ったりする作業」である「リライト作業」が重要となるとして、
(1)文章量は適切か
(2)誤字・脱字はないか
(3)差別用語や他人や団体を中傷する文章はないか。
(4)表記の統一はなされているか。用字用語は適切か。
(5)意味の通りにくい表現はないか。わかりやすい言葉遣い・表現をしているか
などのチェックポイントを挙げています。
第6章「構成と効果測定」では、「初校チェックで指示を出した修正がしっかり直っているかどうかを確認する作業」であるべき「再校」で、「初校時以上の修正を入れてしまう」ことについて、「これでは、初校の意味がありません」と指摘しています。
また、社内報を「ある程度外に出してもかまわないのであれば、交換社内報をおすすめ」していて、「社内報を交換することで、他社の社内報を見ることができ、自社の社内報を考える上でのヒントにも」なると述べています。
第7章「戦略社内報という考え方」では、「社内報を明確に経営目標達成のツールとして位置づけ、企画から編集までを戦略的に行っていくという方法」について論じています。
そして、"課題解決ツール"としての社内報について、「経営レベルの課題」と「社員レベルの課題」のうち、「自ら主体となって行動する」「使命感に裏づけされた責任感を持つ」などの、「社員レベルの課題を解決することを第一義の目的として作られる」であると述べています。
具体的には、「課題を解決するためには、社員が行動を起こすことが不可欠」であるとして、「課題解決に必要なこの行動を、社員の意識を変えること(社員の意識変化)によって促すこと」を目指し、さらに、その意識変化を「共感」によって導くことが、「大きな特長」であると述べ、「『共感』→『意識変化』→『行動』という、いわば"共感行動サイクル"を生み出すことが、戦略社内報の役割」であると述べています。
さらに、戦略社内報をつくる際に、単年度だけの目標ではなく、複数年のフェーズ展開を考えたいとして、
(1)中長期に目標(社内報の役割・機能)を設定する。
(2)フェーズ(年度)ごとに目標(社内報の役割・機能)を設定する。
などの、「効果的な社内報の投下戦略」を論じています。
第8章「新しい社内報へのヒント」では、「これからの社内報担当者の役割」として、「経営者の代弁者であると同時に、社員の代弁者。その両者の視点をバランスよく持ち合わせることによって、初めて効果的な社内報、効果的なインナーコミュニケーションを実現することができる」と述べています。
本書は、社内報担当者当事者にとってはもちろん、社内のコミュニケーションの問題を認識している多くの社員にとって気づきを与えてくれる一冊です。
■ 個人的な視点から
個人的にも社内報の編集長をしていたので社内報の意義をわかりやすく解説してくれる本書には、「わが意を得たり」という感じです。
ネットと違って、昔の社内報を取っておくと、後になってから記事を探しやすかったり、家族にも読んでもらえたりするので、紙の社内報の意義はまだまだ失われていないのではないかと思います。
■ どんな人にオススメ?
・社内報は誰かが作っているものだという程度に思っている人。
■ 関連しそうな本
福西 七重 『もっと!冒険する社内報』 2007年12月18日
Shel Holtz (著), 林 正, 佐桑 徹, 浦中 大我 (翻訳) 『実践戦略的社内コミュニケーション―社員に情報をいかに伝えるか』 2005年10月06日
藤江 俊彦 『はじめての広報誌・社内報編集マニュアル―目からウロコのデジタル時代の編集・印刷知識』
丸山 尚 『広報紙・社内報づくりの実務』
佐桑 徹 『広報部 図解でわかる部門の仕事』
ポール・A. アージェンティ, ジャニス フォーマン (著), 矢野 充彦 (翻訳) 『コーポレート・コミュニケーションの時代』 2006年10月23日
■ 百夜百マンガ
作者については、巨人の星の作者として有名ですが、本書も野球マンガを、ということでオファーがあったのでしょうか。いなかっぺ大将みたいなギャグマンガになっても面白かったかも知れません。
現在は、熊本県の菊陽町に在住とのことです。作家では昔から田舎の山の中に居を構えるというのがありましたが、往年の漫画家たちが高齢者になった現在、田舎に暮らすことを選択した漫画家も増えるのかもしれません。
投稿者 tozaki : 2008年10月14日 06:00
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【勝ちたいんや!―劇画・星野仙一物語 】