2008年06月23日

続ける力―仕事・勉強で成功する王道

■ 書籍情報

続ける力―仕事・勉強で成功する王道   【続ける力―仕事・勉強で成功する王道】(#1250)

  伊藤 真
  価格: ¥756 (税込)
  幻冬舎(2008/03)

 本書は、司法試験予備校の「カリスマ塾長」として知られる著者による、「続ける力」の「ノウハウを紹介するとともに、最近ともすると軽んじられがちな『続ける力』の大切さ」を訴えているものです。著者は、日々の仕事や勉強でも、「結果そのものよりも、それに対する対処の仕方によって、その価値は変わ」るとして、「続けるかぎり、『負け』はない」と述べています。
 第1章「『続ける』ことはなぜ難しい?」では、「最難関といわれる試験の、合格・不合格を分ける決定的な能力」として、「続ける力」を挙げ、「新しく始めることを、『それをやらないほうが落ち着かない』という状態にまで持っていければ、目標の5割は達成したも同然」だと述べています。
 第2章「『やる気』を続ける技術」では、司法試験は、「地道にコツコツと勉強を続けることができれば、合格に手が届く試験」だとして、
・ゴールからの発想:確信の持てない努力を続ける不安の克服に効果的
・合格後を考える:「ゴール」だと思っていた合格が、たんなる「通過点」にすぎないことが分かる。
・「フェスティナ・レンテ」:ゆっくり急ぐ
の3点を挙げています。
 第4章「勉強・仕事をやり遂げる計画術」では、「毎日やるべきことを書き出す作業」を挙げ、「やることの優先順位をつけると、次に何をしたらいいか迷う時間」がなくなるとともに、「やることの絞込み」ができると述べています。
 また、よく「寝食を忘れて取り組む」ことが、「熱心でよいことのように」言われているが、「人間の脳は寝ている間に、記憶を整理して定着させるという、きわめて重要な働きをしている」として、「睡眠時間を削るのは、あらゆる勉強法の中でも最悪の勉強法」であると述べています。
 第6章「ピンチを切り抜け、事業を続ける」では、著者のライフワークとして、
(1)司法試験の受験指導
(2)日本国憲法の価値を広く伝えていくこと
という2つの「法教育」を、ライフワークとして挙げた上で、1995年に設立した「伊藤塾」の事業を続けていく中で「最大のピンチ」として、「法科大学院構想」を挙げ、教員の手配や校舎の改装等の準備を進め、学生募集も始めていたにもかかわらず、文部科学省の認可が下りず、「それらはすべて無に帰した」とともに、「司法試験そのものの受験生の減少」が追い討ちをかけたと語っています。
 著者は、「法教育を『続ける』ことによって得た『自信』」として、「ひとつのことを信念を持って続けていれば、必ずそれを理解し評価してくれる人が出て」来ると述べ、「自信」と「謙虚さ」と「他人への尊敬」こそが、「27年の継続によって得ることができた大きな財産」だと語っています。
 第7章「『やりたいこと』をやり続ける人生」では、著者が法律家を目指した動機として、大学で憲法を学び、「個人の尊重こそが憲法の中核的な価値であること」「憲法は国家権力に歯止めをかける規範であること」に感動し、「憲法の価値を生活の中で実現する法律家になりたいと思い、べんごしになった」と述べています。
 また、「若い頃からずっと、自分にしかできない仕事をしたいという気持ち」が強くあったと述べ、若い頃には、外資系企業からの就職の誘いもあったが、「迷ったときはいつも、自分がワクワクするほうを選ぶ」ことに決めている、として、「私の講義を受けたり、本を読んだりした受験生たちが、すばらしい法律家になって、日本中で憲法の価値を実現する。それによって、日本がまともな立憲民主主義の国、一人ひとりが個人として尊重される国になる。さらに日本の平和主義が世界に発信され、暴力に頼らない紛争解決によって、世界平和が実現する」という理想があったから、法教育を続けるほうを選んだと語っています。
 さらに、22世紀になって、21世紀を振り返ると、「平和のために様々な分野で活躍した人々」が、「若い頃に『伊藤塾』というところで学んでいる」という共通点があり、「彼ら彼女らの地道な努力が、百年後に世界平和という形で実を結んだ」という姿こそが、「最大の成功」であり、「最高の幸福」だと語っています。
 第8章「『続ける』ことから『力』が生まれる」では、「目先がクルクルと変わる『改革の時代』こそ、『変えてはいけないこと』を意識して守る姿勢が求められ」るとして、「守るべき本質」を見きわめるためには、「利他の視線」こそが必要だと語っています。
 本書は、司法試験に関わらず、地道に日々「続ける」ことをいかにシステマティックにできるかを、長年の受験指導の経験を元に語った一冊です。


■ 個人的な視点から

 本書は、基本的にはノウハウ本の類なのですが、本書の後半には著者ならではの憲法にかける思いが熱く語られています。ノウハウ本としてはおまけみたいなものなのかもしれませんが、実際の受験生にとっては、この後半部分こそが、前半の「続ける力」を支える根っこの部分として伝わり、著者の「大言壮語」に感銘を受けてしまった受験生はどっぷりとはまり、そうでない受験生にも、著者の熱意の源を知ることで「続ける力」の大切さが伝わるのではないかと思います。


■ どんな人にオススメ?

・「続ける」ことに自信がない人。


■ 関連しそうな本

 伊藤 真 『一点集中力』
  『「見てわかる」日本国憲法』
 伊藤 真 『合格のお守り 資格試験のカリスマが教える「夢をかなえる」心の習慣』
 M. チクセントミハイ (著), 今村 浩明 (翻訳) 『フロー体験 喜びの現象学』 2006年05月10日


■ 百夜百マンガ

寺島町奇譚【寺島町奇譚 】

 昔、東京電力のCMで「僕は3丁目の電柱です」っていうのがあったかと思いますが、その絵がこの人だったような気がしてなりません。残念ながら検索したけど裏が取れませんでした。

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2008年02月20日

結果を出して定時に帰る時間術

■ 書籍情報

結果を出して定時に帰る時間術   【結果を出して定時に帰る時間術】(#1126)

  小室 淑恵
  価格: ¥550 (税込)
  成美堂出版(2008/02)

 本書は、母親業と社長業など「四足のわらじ」を履きこなす著者が、「タイムリミットがあるからこそ、集中力が発揮でき、充実した仕事ができている」という自らの経験を元に、「限られた時間をもっと有効に使いましょう」と提案しているものです。
 第1章「忙しくてどうしようもないあなたへ」では、「時間にあまり制約のない人ほど、時間をうまく使うのが難しい」ことを指摘し、大切なのは時間をたくさん確保することではなく、「限られた時間をどう使って、何をするか」であると述べています。
 また、「ワークライフバランス」という言葉が、仕事を早く切り上げることや、仕事よりも家庭を優先するべきことと捉えられがちであることに対し、「私生活が充実することにより、結果的には仕事の質と効率が高まるという相乗効果が起きて、どちらもうまく回る状態を作ること」であり、むしろ「ワークライフハーモニー(調和)」ともいうべき意味であると解説しています。
 そして、「ワークライフバランスを大切にしていて、時間の使い方が上手な人」とは、「与えられた時間のなかで、自分の能力をフルに発揮することができ、さらに次の仕事につなげていく人」であると述べています。
 第2章「残業をやめてみよう!」では、「残業も苦になりません」という人に対し、「仕事が大切だからこそ、早く帰りましょう」と提案し、「外部の人脈やアイデア・最新情報をインプットしていない空っぽの人材が、残業代をかけながら社内でいつまでも生産性の低い仕事をしている状態」こそ、「一番会社にダメージを与えている」こともありえると指摘し、「仕事ばかりしていると、仕事がはかどらなくなってしまう」と述べています。
 そして、企業間競争で勝ち残っていくためには、「外部から情報や人脈・多様なアイデアをみんなで持ち寄れる集団」になる必要があると主張し、「普通の生活を楽しんでいない会社が、世の中の流行を捉えたヒット商品を作り出すことができるわけがありません」と述べています。
 また、仕事の進め方についても、深夜残業が当たり前だった過去の自分を振り返り、「仕事を早く切り上げることで、翌日の仕事がラクになる」という経験をしたことを語り、常習化している残業を切り上げるには、セミナーや友人と会うなど、他の人を巻き込んで予定を入れてしまうことを勧めています。
 第3章「『忙しすぎる人』の悪い習慣」では、残業する理由の定番である、「夜の方が、仕事に集中できる」という人に対し、早い時間に仕事をすることのメリットとして、
・体力・気力がある
・何かわからないことがあったときに、すぐ人に聞ける
・お店などが開いている
等の点を挙げ、昼間に集中できる環境を作るための提案として、トリンプ・インターナショナルで実施している、12時30分から14時30分までの2時間、「私語、オフィス内の歩き回り、仕事の依頼・確認など個人の職務に関する以外のことを禁止」する「がんばるタイム」を紹介しています。
 さらに、アフター5の付き合いを上司から声をかけられてしまう人は、「誘いやすい人」や「暇そうな人」に思われているのではないかと指摘し、「私生活が豊かで、約束がいっぱいだという雰囲気をかもし出している人」になり、「ほかに約束があるので」といっても、「あの人ならしょうがないか」と思われるような人になることを勧めています。
 第4章「周りを巻き込んで、時間短縮!」では、上司や同僚、後輩とのコミュニケーションの取り方の課題を挙げ、「いつまでも他の人の仕事に介入しようとしない。自分の仕事も人に譲ろうとしない」人が、「進歩のない人」「後輩を育てられない人」とみなされてしまう危険性を指摘しています。
 第5章「仕事時間が半分になるスーパー時間術」では、「集中力は、それほど長く続かないものだ」ということを前提に、A・B・Cの3つの仕事があれば、3つの仕事を並行して行なうことで、「短い時間で集中してやることが、集中力を高める」と述べ、特に女性には有効であることが多いこと、私生活でも活用できることなどを挙げています。
 また、ビジネス誌で連載講座を持っているプレゼンスキルに関しては、過去に2000回以上のプレゼンをこなした実績を挙げ、なによりも「実践練習をすることが大切」であるとして、ボランティアで開催している大学生向けのプレゼン教室の例や、発表前には誰かを捉まえて事前にプレゼンを聞いてもらうことを勧めています。そして、プレゼンがうまく行かない理由として、
・口癖が多い
・ネガティブワードが多い
・感情がこもっていない
・無駄なデータが多い
・前を向いて話していない
などのポイントを挙げています。
 さらに、ストレスをためないためには、なによりも「よく寝る」ことを挙げるとともに、「会社以外にも自分の世界を持っていること」と挙げ、「自分を支える柱が一本だけではなく、何本もあるほうが、気持ちが安定する」と述べています。
 第6章「プライベートを充実させる時間管理術」では、「ライフ」の時間を有効に使う上で、「人と出会う場所」に出かけること、そして、「自分が貢献できる場所に出かけていくこと」を勧め、そうすることで、「もっと役に立つためにはどうすればいいか」と考えるようになると述べています。
 また、休日を充実させるためには、人と約束したり、何かの予約を入れるなど「人を巻き込むこと」がポイントであると述べています。
 第7章「小室流!『四足のわらじ』を履く私の時間術」では、著者が、
・母親業
・2006年に創業した株式会社ワークライフバランスの経営
・商品開発グループ「ミアマーノ」主宰
・大学生のためのプレゼンテーション講座
の「四足のわらじ」を履いているため、「24時間では足りなくないですか?」と聞かれることが多いが、4つの軸を持つことで、人脈も4倍、入ってくるアイデアも4倍になり、短時間で多くのアウトプットが可能になるので、「四足のわらじを履くことによって、一つひとつの仕事が4分の1の時間で終わってしまう」ようになったと述べ、4つの世界を持つことで、「それぞれの世界でいきづまっても、別の世界での人脈がふっと助けてくれたりもする」と述べています。
 また、忙しい夫との育児・家事の分担については、朝の時間帯の育児・家事をうまく見直すことで、「どんなに帰りが遅い夫でも同じレベルで育児・家事に参加することが可能」であると、自らのスケジュールを示した上で、父親にとっても一定のまとまりのある育児を担当することで、かえって「育児の負担感が低い」というデータを示し、何よりも、「子育ての喜びを感じられる」ことを挙げ、「父親と子どもの絆は強くなり、愛情も深く」なると述べています。
 さらに、「ワークとライフはトレードオフの関係ではない」と述べ、「ライフが充実するからこそ、アイデア・人脈・スキルが得られて結果的にワークの質と効率が高まる」という「相乗効果の関係」にあることを強調しています。
 本書は、文庫サイズで手軽な上、中身も1つのトピックが数ページごとに短くまとまり、隙間の時間でも読みやすい工夫がされているので、忙しい人にこそ読んで欲しい一冊です。
(誤植チェック)
・p.35、13行目「かけなから」
・p.123、7行目「平行して」


■ 個人的な視点から

 著者の小室さんには、ちょうど1年ほど前に講演をお願いしたことがあるのですが、前評判どおりの説得力のあるプレゼンには聴衆も衝撃を受けたようで、それ以来、小室さんの話を引き合いに出すと「ワークライフバランス」という言葉が通りやすくなったような気がします。
 夫の家事分担は朝がいい、というのにも全面賛成で、寝ぼけていても短い時間のルーティンで作れてしまう朝御飯やお弁当などは、男の人にも向いているんじゃないでしょうか。サービス提供の時間が決められていて、そこに向けて複数のタスクを配置していく料理のスキルは、実はプロジェクトマネジメントの訓練には最適なのではないかと思います。


■ どんな人にオススメ?

・忙しくて本なんか読んでる暇もない、という人


■ 関連しそうな本

 小室 淑恵 『新しい人事戦略 ワークライフバランス―考え方と導入法―』 2007年08月22日
 大沢 真知子 『ワークライフバランス社会へ―個人が主役の働き方』 2006年07月24日
 デビッド アレン (著), 田口 元 (翻訳) 『ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則』 2007年09月09日
 中島 孝志 『仕事の道具箱』 2006年11月19日
 Thomas A. Limoncelli (著), 株式会社クイープ (翻訳) 『エンジニアのための時間管理術』 2007年01月06日
 奥井 規晶 『外資の3倍速仕事術―「できる自分」へのムダ消しレッスン!』 2007年09月17日


■ 百夜百マンガ

バーコードファイター【バーコードファイター 】

 コロコロコミックの全盛期を支えた作品(とは言いながらコロコロの全盛期は世代によってそれぞれな気もしますが)。ブームになったバーコード・バトラーの対戦物コンセプトは、カブトムシになったり恐竜になったりと手を替え品を替え、子どもたちの心とポケットのコインを奪っていきます。

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2007年12月22日

味方をふやす技術―[よのなか]の歩き方

■ 書籍情報

味方をふやす技術―[よのなか]の歩き方   【味方をふやす技術―[よのなか]の歩き方】(#1066)

  藤原 和博
  価格: ¥609 (税込)
  筑摩書房(2002/01)

 本書は、リクルートを経て、都内初の民間人出身校長になり、現在は杉並区立和田中学校の校長を務めている著者が、「スーパーサラリーマン」を標榜していた時代に、「[よのなか]の歩き方シリーズ」の一冊として著したものです。
 第1章「心を通わせたいなら『ネガティブ・コミュニケーション』で」では、著者が会社員時代、泊りがけの研修の初日の夜に、「自分はどこから来て、どこへ行こうとする人なのか、3分以上の長い自己紹介をしてください」と働きかけたことを紹介し、自己紹介で、「自分は何ができなかった人なのか」という<弱気の>自己紹介(ネガティブ・プレゼンテーション)をしてもらうと述べ、「マイナス・イオンの法則」と著者が名づけた、「人間が持っているエネルギーにも、プラスとマイナスが引き合い、マイナスがプラスを引き寄せる磁石のような性質がある」と解説しています。そして、「人は、なにか自分が失ったものをバネにして生きている」と語っています。
 第2章「『エネルギーを奪う人』から今すぐ逃げよ!」では、著者が「つきあわない方がいい人」として、
(1)ヨーガ星人:年賀状に「よろしく!」「がんばろう!」しか書いてこない人
(2)100%ソシキ星人
(3)カンリョウ成人
(4)アパルトヘイト星人:現場で仕事をしている人に対して、妙に色づけしたがる人たち
(5)ヤクショク星人:相手のヤクショクがわかるまで仕事ができない
(6)メイガラ星人:相手の会社のランキングが判るまで仕事ができない
など21の星人を挙げ、「21の成人はあなたの中にも住んでいるはずです。この21のキャラクターは、すべてあなたが仕事の主人公になることを邪魔します」と述べています。
 第3章「愛情について」では、「ケータイもPCも、名刺も会議もテレビも新聞も、お葬式も結婚式もみな、人間同士のコミュニケーションを深めるための『手段』である」にもかかわらず、いつのまにか、「手段のためのコミュニケーション世界が生み出されてしまった」と指摘し、これらの道具(ツール)の使い心地がわかったら、「しばらく道具たちから逃げてみる」と、「意外と何てことないじゃあないか」と気づくだろう、と述べています。
 また、個人として会食やパーティーで紹介を受けるときには、「自分を多少大げさに少し細かく紹介してもらえたほうがありがたい。なぜならその方が、紹介された相手方との間で話題を見つける糸口になるからだ」と語っています。
 さらに、「『自分探し』で何年もモラトリアムするより、『もうひとりの私』を何人も持つほうが豊かになれる」と述べ、「2人の私が、ひとりであった私よりも多層的な人とのつながりをつくる」、「つながりの多様さと確かさは、幸福感の源泉だ」と語っています。
 第4章「あなたを貧しくする『常識』を脱ぎ捨てよう」では、「20代から30代の変態期に、私自身は少なくとも3回ほど重症の病気にかかった」として、
・シゴト中毒症
・お買物症候群
・メニエル氏症候群
の「3つの病気の波状攻撃で、ついに私は正気に戻った」、「いったい自分の人生のオーナーは誰なんだっけ?」と我に返ったと述べ、「男というのはこんなふうに、3回くらい病気にならないと自分をビッグバンできない動物なのではないだろうか」と語っています。
 また、「過去に成功した人のイメージを追っていくと、自分もその成功や幸福を疑似体験できるように思ってしまうバーチャル・リアリティ的な錯覚は、いつも"幸福論の落とし穴"だ」と述べ、「自分で生み出した新しい幸福論に基づいて、オリジナルな仕事スタイルを作っていかなければ、自分が幸福にはなれない」が、それを阻害する心理的な理由として、
(1)どうしても過去の歴史的なカッコイイ人のイメージが頭に残ってしまうこと。
(2)自分のオリジナルなカッコよさを求めて、独自のワークスタイルを作っていくことは、けっこう孤独でタフな仕事だという点。
の2点を挙げています。
 さらに、「「私の息子たちは実に見事に家出電話を取るときの私の声の調子を真似する」、「幼児はこのようにパターン認識の天才だ」と述べ、子供にとって、「魔法のワンダーボックス」である「電話」に親が出る声に、「彼らは体中を耳にして反応する」と述べ、「だから、親の態度はこの態度として伝播するのだ。いでんするのではない。私たちの言葉と体の両方の調子(トーン)が、無意識にコピーされ、子供の言葉と体にペーストされてゆく」と語っています。著者は、「長男に、私が電話する姿を真似された日の夜」に、「会社を辞めよう」と決心したと語っています。
 本書は、冒頭に、「味方をふやすためには、嫌われる覚悟も必要だ」と書いているように、決して社交術ではなく、むしろ、いかにして自らが人に対して接するべきかを考えさせてくれる一冊です。


■ 個人的な視点から

 テレビを見ないし、いわゆるビジネス雑誌の類も知り合いが書いているところを立ち読みするくらい(それすらもあまりしない)という、社会人にあるまじき情報収集を怠っているためか、著者が、スーパーサラリーマンとしてテレビに出ていた時代というのを知らないのですが、最近ではこういうことを言う人はずいぶん増えているものの、まだ、会社員が外でものを言うことがはばかられた時代、こういう組織の中から突きぬけた人は、読む人に元気を与えてくれたのではないかと想像します。


■ どんな人にオススメ?

・人に嫌われたくない、という壁を超えて行きたい人。


■ 関連しそうな本

 藤原 和博 『父生術』 2005年06月12日
 藤原 和博 『公立校の逆襲 いい学校を作る!』 2005年06月17日
 藤原 和博 『世界でいちばん受けたい授業―足立十一中『よのなか』科』
 藤原 和博, 天野 一哉 『民間校長、中学改革に挑む』 2006年04月07日
 藤原 和博 『サクラ、サク』 2005年12月04日
 松山 真之助 『マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ』 2005年05月01日


■ 百夜百音

真夜中のギター【真夜中のギター】 千賀かほる オリジナル盤発売: 1994

 確か高田みづえがカバーしたのをカックラキン大放送か何かで聴いたのではないかと思うのですが、記憶が定かではありません。

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2007年11月25日

知の編集工学

■ 書籍情報

知の編集工学   【知の編集工学】(#1039)

  松岡 正剛
  価格: ¥672 (税込)
  朝日新聞社(2001/02)

 本書は、「編集工学研究所」の所長である著者が、単に雑誌や新聞に限らず(著者自身は伝説の雑誌『遊』の編集長でもあるのですが)、「人間の活動に潜む最も基本的な情報技術」である「編集」の入門書として著したものです。
 著者は、「編集」を、「該当する対象の情報の構造を読み解き、それを新たな意匠で再生するもの」と定義しています。そして、「編集」が本質的には「遊び」と同じ性質を持つとしながら、人間に潜む<編集能力>あるいは<自己編集力>に言及しています。
 著者は人間の「脳」に着目し、情報を<意味単位のネットワーク>にリンクさせ、この分岐の中を次々と進むことを<思考>と位置づけ、このことによって人間の脳は、14、5時間の情報を5、6分の情報に短縮する<情報圧縮>が可能になると述べています。
 また、日本社会がハード面において「情報化」することは「編集化」することを意味しないとして、「ハードの情報化(情報技術)とソフトの編集化(文化技術)の合体」の必要性を主張しています。
 なお、本書のタイトルである「編集工学」という言葉は著者の造語であり、「私がふと<編集工学>(Editorial Engineering)という言葉を思いついたのは、1980年前後のことだった。」ということが述べられています。
 本書は元々、10年ほど前に出版されたものですが、この10年で私たちの扱う情報の量は格段に増え、情報を扱う技術としての「編集工学」の重要性も大きく増しているのではないかと思います。


■ 個人的な視点から

 著者の松岡氏は、「行政経営百夜百冊」のネタ元のサイト「松岡正剛の千夜千冊」の主であり、千夜千冊は今も続行中で、最新は1207夜にまで達しています。
 「編集」という言葉をこれだけ突き詰めた人はいないんじゃないかと思うんですが、雑誌の時代以上に、ネットと検索の時代にあっては「編集」という言葉は重要性を増しているのではないかと思います。


■ どんな人にオススメ?

・「編集」という言葉の意味を考えたい人。


■ 関連しそうな本

 松岡正剛 『松岡正剛千夜千冊(8冊セット)』
 松岡 正剛 『フラジャイル―弱さからの出発』 2005年11月23日
 金子 郁容, 松岡 正剛, 下河辺 淳 『ボランタリー経済の誕生―自発する経済とコミュニティ』 2005年08月29日
 松岡 正剛 『17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義』
 松岡 正剛 『花鳥風月の科学』
 松岡 正剛 『日本という方法―おもかげ・うつろいの文化』 2007年06月09日


■ 百夜百音

The Sound of Music【The Sound of Music】 Original Motion Picture Soundtrack オリジナル盤発売: 1965

 日本人の多くはこの曲を聞くと京都に行きたくなってしまうらしいですが、よくよく聞くとやっぱりヘンな曲です。

『My Favourite Things』My Favourite Things

投稿者 tozaki : 21:00 | コメント (0) | トラックバック

2007年09月29日

KJ法―渾沌をして語らしめる

■ 書籍情報

KJ法―渾沌をして語らしめる   【KJ法―渾沌をして語らしめる】(#982)

  川喜田 二郎
  価格: ¥8971 (税込)
  中央公論社(1986/11)

 本書は、「KJ法」の産みの親である著者自身が、進化し続けるKJ法を「KJ法1986年版」という位置付けで総括した一冊です。著者は、KJ法の「最も大きな特色」は、「混沌をよく見つめ、そこから取材し、そうして『混沌をして語らしめ』」ることであると語っています。
 第1章「序論」では、著者がKJ法の創案を迫られた痛切な必要として、
(1)私の仕事のため
(2)私の生活のため
(3)現代の危機の打開のため
の3点を挙げています。
 そして、データをまとめて判断をする場面においては、「正直にデータをして語らしめねばならない」と述べ、「正しい判断に到達するには、『こうに違いない』『これがよいのにきまっている』『こうあってほしい』などという既成概念や通念や希望的観測を、初めから現実に当てはめて、判断を曇らされてはならない」と、このような姿勢や態度を「アテハメ主義」「アテハメ思想」と名づけ、「今日の世界に惨害を流しているのは、このアテハメ思想なのである」と述べています。
 第2章「人間行為の首尾一貫性」では、人間やチームにとっての一仕事の構造を、
(1)問題提起
(2)情報集め
(3)整理・分類・保存
(4)要約化
(5)統合化
(6)副産物の処理
(7)情勢判断
(8)決断
(9)まとめの計画
(10)手順の計画
(11)実施
(12)結果を味わう
の「一仕事の12段階」に配置しています。
 そして、「問題解決の3つの大きなプロセス」として、〔判断→決断→執行〕という流れを挙げ、「物事をやってのけるには、その主題をめぐり、(1)まず判り、(2)次に肚をきめ、(3)最後に手を下す、ということである」と解説しています。
 著者は、「人間にとって、行為の首尾一貫性は驚くべき根源的重要性を持っている」にもかかわらず、文明はその首尾一貫性の維持に失敗し、その最も重要な原因は、「問題解決の方法論の不均衡な発達」であり、「特に判断プロセスの方法論の発達が今日まで取り残されてきた点」であると指摘し、「この隘路を打開」し、「それに科学的方法と実技を提供したのがKJ法なのである」と述べています。
 第3章「W型問題解決のプロセス」では、「データをして語らしめる」ことと「事実をして語らしめる」ことの違いとして、「事実をわれわれは観察し、記録する。それがデータなのだ」と述べ、「知ることができるのは、(1)データと、それを獲得するに至った(2)方法・手段だけなのである」と解説しています。
 また、〔判断→決断〕は「算術の四則演算に似る」として、「状況把握は〔足し算→掛け算〕つまり加乗のようなもの。情勢判断は、〔足し算→掛け算→引き算〕すなわち加乗減のようなものなのだ。そこで、決断とは、加乗減を踏まえて最後に割り算を行うようなものである」と述べています。
 第4章「協議のKJ法一ラウンド」では、「最も基本となるKJ法の一巡工程」である「一ラウンド」の手順について、まず取材活動で定性的データが集められた上で、
(1)ラベルづくり
(2)グループ編成
(3)図解化(またはA型、A型図解化)
(4)叙述化(またはB型、B型叙述化)
の4ステップを順次踏んで完了すると解説しています。
 そして、「ラベルづくり」の最も肝要な心がけは、「各一枚のラベルが、一つの「志」を持つように書け」というものであると述べています。
 また、「グループ編成」は、さらに(1)ラベル拡げ、(2)ラベル集め、(3)表札づくり、の3つの小ステップに分けられることを解説しています。このうち、「表札づくり」については、問題は、ラベル集めによって作られた「一セットの内容を、どのように要約すればよいかという点にある」と述べ、「実に簡単なことのようにみえて、KJ法一ラウンドの諸作業中、最も難しい作業」であり、「この作業が的確であるか否かで、一ラウンドのまとめの成否が最も決定的に左右される」と述べています。
 「図解化」については、模造紙などの大きな紙の上に、グループ編成した紙束のラベルを空間配置し、「島どり」し、島の間の関連付けを行っていく手法を解説しています。
 さらに、「図解化が完成すると、作った人は今までの混沌の闇から一挙に解放されたかのような解放感に充たされ」、そこで「できた!」と叫ぶが、「この図解化を踏み台にしてさらに叙述化をしないと、本当に配置ラウンドが終わったことにならない」と述べています。
 この他、各ステップに対する注意点として、「ラベルづくり」は「ひとつのラベルはひとつの志を持つように記せ。ふたつ以上の志があるのはラベルづくりではない」こと、「表札づくり」に関しては、「理屈を考えるところから出発するのではなく、受けとめた完成から出発するのが自然というものである」こと等を解説しています。
 第6章「KJ法のグループ作業」では、「トランプ」というニックネームが付いた「グループKJ法」の作業のやり方を解説しています。
 また、「KJ法」という名称について、それまで「紙キレ法」と呼んでいたものを、ある会合に出席していた梅棹忠夫氏が、「この名称を改めよ」と注意し、解説パンフレットの隅に書いてあった著者のイニシャル「KJ」にちなんで「KJ法」という名を示唆したことが述べられています。
 第7章「取材の方法」では、「いかに取材ネットを打てばよいか」を意味する「探検」について、
(1)360度の視角から
(2)飛び石伝いに
(3)ハプニングを逸せず
(4)なんだか気にかかることを
(5)定性的に捉えよ
の5点を挙げ、「探検の五原則」と説明しています。
 また、取材に関して、「話題を提供した上で、『存分に好き勝手に語ってください』という方法をとれば、人間は喜んで答える傾向がある」と述べ、常滑市の青年会議所が、都市計画を作るためのフィールドワークで意見を求める中で、「漁民のあるおじさんは、『われわれのところまで意見を聞きにきたのは、あなたがたが初めてじゃ」と喜んで、とりたえのアワビを出してくれ、茶碗酒をついでもてなしてくれた」というエピソードを紹介しています。
 また、「探検ネット」は、「見かけが幾分KJ法のA型図解に似ている」が、探検ネットは、「野菜の仕分陳列」にもあたり、「遥かにスピーディーに楽に行える」反面、「データは本当には高度に活用」されず、「料理以前」であるのに対し、「グループ編成も空間配置も関係線も厳正なA型図解は、各種材料の持ち味を活かしきった調理済みのお料理である」と、その違いを明らかにしています。
 第8章「探検ネット再論――KJ法の実務化」では、探検ネット一ラウンドを、
(1)ラベルづくり
(2)ネットづくり
(3)統合図解化
(4)叙述化
の4つのステップに分けて解説しています。
 また、探検ネットをKJ法は、「根はひとつ」であり、「両者は発達の過程で分化した双子の兄弟と見ることができる」と述べ、「両者に独立した人格を認め、その上で連動させて活用すれば、両者ともに活かされることになる」と解説しています。
 第9章「会議討論法」では、ある組織において、幹部会で定例的に3年越しで論じられた重要問題に関して、著者が、過去の議事録を素に「僅か3枚のシートの図解」にまとめ、100名近い幹部会で20分ほど説明し、「おそらく全員が、論じられてきたことの主要な骨子を漏れなく、全体の構造としてよく理解した」ために、説明を終えたとき、「明解に判ったことのしるし」として、「かすかなため息がいっせいに漏れた」というエピソードを紹介しています。
 著者は、会議の最も大切な会議機能を、「衆知を集め最善の判断を導きだす」ことであると述べ、「算術の四則演算にたとえて、『加乗減除』方式こそ、採るべき大筋である」と述べています。
 第10章「累積KJ法」では、「一ラウンドだけKJ法を用いただけでも、実りは豊かである」が、複雑難解・巨大な課題に対しては、一ラウンドだけでは、「簡にすぎたり底が浅くて、用が足りなくなる」ため、「何ラウンドをも累積的に行使し、いわば畳み掛けるようにして問題を解決する」必要に迫られ、「累積KJ法(Cumulative KJ Method C-KJ)」が生まれたと述べています。
 そして、「W解決に位置づけた6ラウンド累積KJ法」として、
(1)問題提起ラウンド:当事者の問題意識を発掘し、それを確認する。
(2)状況把握ラウンド:当事者の問題意識をめぐる現実はどうなっているのかを冷静に見つめ、状況を総合的に捉える。
(3)本質追求ラウンド:判断の全過程に渡る情報が、能力の範囲で出し尽くされ、しかも消化され尽くす。
(4)構想計画ラウンド:達成されたときの状況が、ありありと具体的に思い浮かべられるような目標を探す。
(5)具体策ラウンド:構想を達成する手段・方法をめぐり、できるだけ発明的(もしくは創意工夫的)な心の姿勢を持つ。
(6)手順化ラウンド:「どんな作業をどんな順番で行えばよいか」に注意を集中する。
の6つのラウンドを累積した累積KJ法を解説しています。
 著者は、「累積KJ法では、心の姿勢をめぐり、集中と場面転換が最も大切だ」と述べ、「どのラウンドでも一見同じような手続に見えるものだから、集中と場面転換の重要性を見損なう人がよく出てくる」と指摘しています。
 第11章「思想としてのKJ法」では、「KJ法とは、技術であり思想であり、また科学でも宗教でも芸術でもある」と述べ、「KJ法とは、そのような概念やジャンルの分化する以前の、人間社会の『生きることそのもの』に深く喰い込んだ何か」なのであり、「KJ法を支え、それよりももっと深いものは、分割された営み以前の、人間が生きるという、その全体性を持った営みそのものなのである」と主張しています。
 また、方法論の立場から、「科学」を「書斎科学・実験科学・野外科学」の3つに分類し、「実験科学的方法は仮説検証的であるのに対し、野外科学的方法は、その仮説をどうして思いつき構成すればよいかを主眼にしている意味で、仮説発想的なのである」と述べています。
 著者は、「KJ法は、現代の最大の悩みのひとつである組織公害を克服する、最も有望な武器のひとつである」と述べ、「管理社会から参画社会へ脱皮するための、決め手のひとつとなりうると思われる」と述べつつも、「KJ法を用いたその組織開発は小さな組織では成功例がいくつかあるが、大きな組織ではまだ存しない」と述べ、「現状ではまだまだ大きな壁が立ちはだかっている」と指摘しています。
 本書は、多くの人が研修などで触ったことはあるものの、本格的に活用して、その効果を実感している人は少ないKJ法の基礎から思想までを網羅した「KJ法の経典」とも言える一冊です。


■ 個人的な視点から

 研修で「KJ法」について習う機会はありますが、実際に職場で使うことはほとんどありません。4月に異動する前までの職場では、付箋をペタペタ貼りながら議論することも多かったのですが、現在の職場では、いきなりパワーポイントで「ポンチ絵」なるものを個々人が作り始めることが多いようです。一応は「企画」という名前のついた職場なのですが、「KJ法」とか「ファシリテーション」とかには縁がないようです。この本自体も20年以上昔の本ですし、やはり時代遅れということなのかもしれません。


■ どんな人にオススメ?

・KJ法を極めたい人。


■ 関連しそうな本

 川喜田 二郎 『発想法―創造性開発のために』 2005年08月27日
 川喜田 二郎 『発想法 (続)』
 梅棹 忠夫 『知的生産の技術』 2005年05月05日
 久恒 啓一 『図で考える人は仕事ができる』 2005年08月13日
 トニー ブザン (著), 田中 孝顕 (翻訳) 『人生に奇跡を起こすノート術―マインド・マップ放射思考』 2006年05月07日
 トニー・ブザン (著), 神田 昌典 (翻訳), バリー・ブザン 『ザ・マインドマップ』 2006年12月17日


■ 百夜百音

雨 あなたが帰る時【雨 あなたが帰る時】 三善英史 オリジナル盤発売: 2005

 子供の頃によく母が口ずさんでいたのを聴いていましたが、なんて曲だかよく知りませんでした。Wikipediaによれば、最近カミングアウトしたらしいので、もしかするとまた流行るかもしれません。

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2007年09月17日

外資の3倍速仕事術―「できる自分」へのムダ消しレッスン!

■ 書籍情報

外資の3倍速仕事術―「できる自分」へのムダ消しレッスン!   【外資の3倍速仕事術―「できる自分」へのムダ消しレッスン!】(#970)

  奥井 規晶
  価格: ¥1470 (税込)
  日経BP社(2003/04)

 本書は、日本IBMから戦略コンサルタントに転身した著者が、転職直後の「敗北感と屈辱感、自己嫌悪に満ちた、私の人生において最も長い1年間」に身につけた「不安でも仕事ができコツ」を解説しているものです。著者は、これらのコツの中でも、
(1)百ミツの法則:本質的に重要なことだけを取捨選択する
(2)タテ・ヨコ思考:全体を構造化して理解する
(3)So What?×3:理解を深める
(4)3軸理論:ひとひねり加えて付加価値を増す
などを挙げ、「これらをマスターすることで、私の生産性は明らかに3倍以上向上した」と述べています。
 序章「『3倍速仕事術』のススメ」では、著者が「SE→プロジェクトマネジャー→ITコンサルタント→大企業の管理職→経営コンサルタント→経営者」とキャリアを積む中での実感として、「年収は仕事のスピード感覚に比例する」と述べ、経営コンサルタントは、「スピード感覚は経営者と同等かそれ以上でなくてはならない」と語っています。
 「タテ・ヨコ思考」については、「タテ・ヨコの分類が最も視覚的にわかりやすく全体構造を理解しやすい」と述べています。
 「So What?×3」については、「他人に対してではなく、自分に対して繰り返して」、「So What?(だから何なの?)」と問い直すことで、本質を掘り下げると述べています。
 「3軸理論」については、「物事を『時間』、『視座・立場』、『アナロジー』の3軸でとらえ、何か面白くて付加価値のありそうな『ひとひねり』を捻出すること」であると述べています。
 著者は、これらの「3倍速仕事術」の「コツ」を身につけた上で、どんどん仕事が増えていった上で真価を発揮するのが、「3倍速時間管理術」であると述べ、そのコツとして、
(1)「百ミツの法則」にしがたい、仕事の優先順位の高いものから3つだけに注力する。
(2)すべての仕事は、3倍速で集中できる単位(タイムスロット)に分けて管理する(タイムスロットマネジメント)
(3)常に複数の仕事を同時並行で進める(コンカレントワーキング)
(4)夜は残業せず、休みには好きなことをする(ノーオーバータイム)
の4点に集約しています。
 第1章「『百ミツの法則』でムダを消そう!」では、外資系コンサルティング会社の経営者として「バルクタスク(膨大な量の仕事)」に取り組む著者のタイムマネジメント法として、「とりあえず3つだけコンカレントにできる重要な仕事を選び、それらに常に注力する」一方で、「あまり重要でない仕事はそのタイムスロットの合間にこなす」と述べています。
 第2章「『タテ・ヨコ思考』と『So What?×3』」では、「タテ・ヨコ思考」の作業として、
(1)キーワードを洗い出す
(2)タテ・ヨコのグラフ、または表にして見る
(3)もれがないかを検証する
の3つを挙げ、これらの作業によって、「物事や課題を分類し、全体構造を把握して分析する」と述べています。
 また、「So What?×3」を、「ロジカルシンキング」的に言うと、「ロジカルツリーを3段階層化すること」であると述べ、その基本形として、
(1)What:構造を掘り下げる
(2)WHy:原因を掘り下げる
(3)How:どうすべきかの解決策を掘り下げる
の3点を挙げています。
 第3章「本質をつきつめ賢く説得する『3軸理論』」では、「3軸理論」は説得の場の「最後の一押し」で使われる理論であるとして、
・時間軸――時間の観点から新しい切り口を示し、納得間を加える
・視座・立場軸――視座を変えて客観性を持たせる
・アナロジー軸――わかりやすい話に置き換えて納得間を増す
の3つの観点を示しています。
 第4章「実践・『3倍速時間管理術』」では、「よくできる人」を、「工夫の度合」と「やる気」の2つの軸から、
       <工夫の度合>
          高
 C        ↑ A
   世渡り上手  | 典型的エリート
低←――――――――+――――――――→高<やる気>
 D        | B
   ダラダラ   |  がむしゃら
          低
の4つのタイプに分類し、「工夫」を積極性の高い順から、
(1)段取りをよく考えて効率のよいやり方を探る
(2)よく知っている人に聞いて効率のよいやり方や答えを教わる
(3)誰かにやらせてしまうか断ってしまう
の3つ挙げています。
 本書は、いつも仕事に追われている自分から抜け出したいひとには一読の価値のある一冊です。


■ 個人的な視点から

 「3倍速仕事術」という言葉を聞いて、
「よし、今と同じ時間で3倍の仕事ができるぞ」
と思うか、
「今の3分の1の時間で、今と同じ仕事ができるぞ」
と思うかで人間のタイプが分かれるような気がします。
 ただし、毎日深夜まで残業して人の「1.5倍」の仕事をしている人が、「3倍速仕事術」を使えば「4.5倍」の仕事ができるかといえばそういうものでもなく、本書の内容的には、残業しない(ノー・オーバータイム)で「3倍」の仕事をする、というイメージなのでしょう。


■ どんな人にオススメ?

・仕事の「加速装置」(by『サイボーグ009』or『虎よ、虎よ!』)を身につけたい人。


■ 関連しそうな本

 デビッド アレン (著), 田口 元 (翻訳) 『ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則』 2007年09月09日
 デビッド・アレン (著), 森平 慶司 『仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法』
 Thomas A. Limoncelli (著), 株式会社クイープ (翻訳) 『エンジニアのための時間管理術』 2007年01月06日
 アレック マッケンジー (著), 倉田 良子 (翻訳) 『時間の罠(タイムトラップ)―タイム・マネジメント20の鉄則』
 梅森 浩一 『残業しない技術』 2005年05月15日
 行本 明説, 日本タイムマネジメント普及協会 『図解・仕事術 最強の時間力―タイムマネジメントの法則60』


■ 百夜百音

The Best of Simon & Garfunkel【The Best of Simon & Garfunkel】 Simon & Garfunkel オリジナル盤発売: 1999

 高校時代の英語の先生がS&G好きだったので、英語の時間に歌詞を配布されて聴かされました。当時の政治情勢はわかりませんが、今聴いてもいい曲です。

『Bridge Over Troubled Water』Bridge Over Troubled Water

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2007年09月09日

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則

■ 書籍情報

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則   【ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則】(#962)

  デビッド アレン (著), 田口 元 (翻訳)
  価格: ¥1575 (税込)
  二見書房(2006/05)

 本書は、「仕事や生活の雑事に常に追いかけられているような気分」から解放され、「これまで逃してきたチャンスを活かし、創造的な思考を楽しむ余裕を取り戻」すための新しいアプローチである「GTD(Getting Things Done)」の根底に流れる52の「うまくいく考え方」を紹介することで、ストレスフリーの環境を手に入れることを手助けしているものです。
 著者は、今の仕事と昔の仕事との違いとして、「仕事の終わりがどんどんはっきりしなくなっている」ことを指摘し、こうした「終わりのはっきりしない仕事」、すなわち「やりかけの仕事」が頭の中にどんどん溜まっていくと述べています。そこで、GTDでは、この問題に対して、
(1)頭の中の「やりかけの仕事」を全部書き出す
(2)次に取るべき行動を決める
(3)信頼できるシステムでやるべきことを管理し、定期的に見直す→「週次レビュー」
の3つのステップによる解決策を示しています。
 第1章「創造力は、すっきりとした頭から」では、集中力と全体把握という2つの視点のバランスが必要であるとして、「あなたが全体を見渡せば見渡すほど、目の前のことに集中できるようになる。そして目の前にことに集中すれば集中するほど、物事の本質が見えてきて、全体を見渡す力が増していくのだ」と述べています。
 また、「すべての仕事を把握してはじめて、優先順位をつけることができる」として、生産性を下げている大きな要因が、日頃、「重要かつ緊急な」仕事にかまけて無視していた、「重要だけど緊急ではない」仕事であると指摘し、さらに、「この現象は世界中どこにでも見られるもの」であり、「繰り返し繰り返し再現され、永久機関さながら、永遠に断ち切ることのできないもの」であると述べています。そして、その理由の一つとして、「仕事の優先順位をABCでランク付けしましょう!」という間違った手法を挙げ、「仕事の優先順位はすべての『やりかけの仕事』を把握してこそ意味がある」と述べています。
 さらに、「心に余裕がなければ創造性など望むべくもない」として、我々が、「頭の中をいっぱいにしておくことによって、自分があたかも頭脳明晰で、仕事をたくさんやっているような気になることができる」という「困った問題」に陥りがちなことを指摘し、「無意識に抱いている恐怖に立ち向かい、自分のすべてを紙の上にさらけ出した人たち」こそが、「すばらしい解放感」を得ることができ、「不必要なストレスから解放され、自信に満ちあふれてくる」、「真に創造的な力を得ることができた」と述べています。
 著者は、「『考えない』というのは、なんと素晴らしいことだろう」と述べ、「毎週かならず『やるべきこと』をレビューする機会があるとわかっていれば、次の機会までまる1週間の間、『やるべきこと』について全く考えなくてよい、という贅沢を味わうことができるのだ」と語っています。
 第2章「成果を生む集中の仕方」では、「何事にもくじけないための、ごくシンプルな秘訣」として、「『何をするにもベストを尽くそう』と決心すること」を挙げ、「今この瞬間から、誰にでもできること」であり、「状況に応じて様々な形を取りうる、生き生きとした、躍動感にあふれる体験」であると述べています。
 第3章「成果を生む枠組みを作る」では、ドラッカーが、知識労働者の最も大事な仕事が「仕事を定義すること」であると述べていることを紹介し、そのための要素として、
(1)自分がなぜその仕事をしようとしているのか考えること。
(2)その仕事を片づけるために次にどんな行動を起こす必要があるのかを考えること。
の2点を挙げています。そして、「これらの2つの要素は、プロジェクトを適切に定義し、リスト化して管理することによって解決することができる」と述べています。
 第4章「リラックスして、さあ始めよう」では、「人が成長するとき、意識で捉えられることはさして重要ではないことがある。それよりも無意識下で、自分でも気づかないうちに起こっていることこそが素晴らしいときがある」と述べ、「たとえるならば表面的な変化は料理番組のシェフのようなものだ。素晴らしいのはシェフではない。そこでゆったりとかき混ぜられている鍋の中にこそ神秘が潜んでいるのだ!」と語っています。
 また、「プロジェクトは実行不可能」であり、「そこに至るまでの一つ一つの行動こそが実行可能」であると述べ、「具体的に目に見える次の行動が決定されない限り、『できるだけ早く』は『決して進まない』になってしまう」と述べています。
 さらに、ヨットの上での、「だれかが吐きそうになったら舵をとらせてやれ」という言葉を紹介し、「自分が乗り物を動かす張本人であれば、もっと深いレベルの平衡感覚を持つことができる」と述べ、「GTDの手法である、収集・処理・整理・実行をしているときに気分が良くなる理由は、何もそれによって仕事が減るからではない。その作業をすることで、自分が人生の運転席に座ることができるからなのだ」と語っています。
 第5章「基礎を忘れずに」では、GTDの5つのステップとして、
(1)収集する・・・・あなたの注意を引くものすべてを、一つ残らず「in-box」に入れてしまおう。
(2)処理する・・・「in-box」から一つずつやるべきことを取り出し、それについて行動を起こすかどうかを決める。
(3)整理する・・・ステップ2の結果を適当なカテゴリーに分ける。
(4)レビューする・・・カレンダーと「次にとるべき行動」リストを毎日見直す。このプロセスを維持するためには週次レビューを絶対に行わなくてはいけない。
(5)実行する・・・「次にとるべき行動」リストを見直し、現在の状況、持ち時間、エネルギーレベル、優先順位を考慮して行動に移す。
の5点を紹介しています。
 さらに、「行動につなげるための5つのステップ」として、
(1)目的、判断基準を決めよう
(2)望ましい結果をイメージしよう
(3)ブレーンストーミング
(4)考え得るオプションを整理しよう
(5)次にとるべき行動は?
の5点を挙げています。
 本書は、日々の仕事にストレスを感じている人には、ぜひ一読をお薦めしたい一冊です。


■ 個人的な視点から

 仕事術系の本は数多く出ていますが、本書の著者が推奨する「GTD」は、「Biz.ID」などのサイトで盛り上がっています。
 なにより、とりあえずやらなきゃならないことを書き出してみる、という汎用性の高さが多くの業界に通用するポイントになっているようです。


■ どんな人にオススメ?

・ストレスなく仕事をしたい人。


■ 関連しそうな本

 デビッド・アレン (著), 森平 慶司 『仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法』
 Thomas A. Limoncelli (著), 株式会社クイープ (翻訳) 『エンジニアのための時間管理術』 2007年01月06日
 アレック マッケンジー (著), 倉田 良子 (翻訳) 『時間の罠(タイムトラップ)―タイム・マネジメント20の鉄則』
 梅森 浩一 『残業しない技術』 2005年05月15日
 行本 明説, 日本タイムマネジメント普及協会 『図解・仕事術 最強の時間力―タイムマネジメントの法則60』
 奥井 規晶 『外資の3倍速仕事術―「できる自分」へのムダ消しレッスン!』


■ 百夜百音

三好鉄生 ベストセレクション【三好鉄生 ベストセレクション】 三好鉄生 オリジナル盤発売: 2001

 「すごい男の唄」や「涙をふいて」などテレビのCMソングで存在感を示していましたが、いまだにカラオケの席での「あ、ドンドン!」は存在感を保ち続けています。

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2007年05月13日

朝4時起きの仕事術―誰も知らない「朝いちばん」活用法

■ 書籍情報

朝4時起きの仕事術―誰も知らない「朝いちばん」活用法   【朝4時起きの仕事術―誰も知らない「朝いちばん」活用法】(#843)

  中島 孝志
  価格: ¥1260 (税込)
  プレジデント社(2003/11)

 本書は、「仕事で二倍の成果を出せ」という要求に応えること、すなわち、「同じ時間で今までよりも二倍」仕事をすること、生産性を二倍にするために、著者自身が実践している「朝4時起きの仕事術」をまとめたものです。「朝の1時間は夜の2時間、3時間に匹敵する」といわれるように、著者は、朝4時起きで、午前中に8時間分の仕事を、午後でも8時間分の仕事をこなすことで、毎日人の倍の仕事をしていると語り、睡眠時間を6~8時間とる、「1日三分割法」を実践していると述べています。
 第1章「こんなにあった! 『朝いちばん』だからできること、すべきこと』では、「成功する人」と「成功できない人」の間にあるたった一つの違い、すなわち、「いいと思った習慣をすぐに自分のものにできること」を指摘しています。
 また、著者が4時起きの習慣を始めたきっかけが、ビジネスマンから「自由業」になったとたんに、徹夜で仕事をし、朝から寝る深夜族になってしまい、子供から「泥棒」と言われたショックであることが語られています。
 さらに、朝の時間がパワーを発揮する理由として、「生理学的にはホルモンとの関係」であるとして、「副腎髄質から分泌されるアドレナリンと、副腎皮質から分泌されるコルチコイドという2つのホルモンが人を精力的にする」が、「これらのホルモンは夜明けから分泌され、午前7時頃にピークを迎える」ことを挙げ、「生理学的にも人間は午後10時頃に就寝して、『朝4時起き」をする」のが「心身ともに理想的なリズム」であると述べています。
 この他、著者が「徹夜」をするときには、「今日は忙しくなる。徹夜だ。よし、その前に寝るから邪魔しないように」とまず短時間の睡眠をとり、その後朝まで仕事をすることをさすことが紹介されています。
 第2章「これだけやればいい! 出社してから、『朝いちばん』にすべきこと」では、ビジネスマンにとって、片道1時間の通勤時間をどう使うか、そのために、「ガラガラに空いた電車乗るために早めに家を出たこと」を挙げ、片道1時間で年間240時間、30年続くと、7200時間、ほぼ丸1年分を何もせずにすごしていることになると計算しています。
 さらに、朝いちばんの挨拶の重要性を、「あなたが若手なら、いつも元気よく挨拶するべきである」として、「朝いちばんの様子だけで評価は天国と地獄に分かれてしまう」と述べ、著者自身の例を挙げながら、「直属上司だけではなく、他部門の上司に評価されてこそ、一人前のビジネスマンになれる」と述べています。
 そして、ビジネスマンが朝いちばんにやるべき仕事として、
(1)「重要な仕事」とは何か
(2)「緊急の仕事」とは何か
(3)「後回しにできる仕事」とは何か
という優先順位を決めるための3つのポイントを挙げています。
 第3章「成功する人、しない人! その違いは『朝いちばん』の活用法にあった」では、「人間の体は正直で、疲れたときは体が動かなくなる。頭も回転しなくなる。それが自律神経のなせる業である」と述べ、「疲れていても、なんら感じない、まだまだ元気というのは、身体がタフなのではなく、疲れを感じるアンテナが錆びつ「いている証拠。自律神経まで調子がおかしくなっている証拠」であるとして、「至急、病院に駆けつけた方がいい」と述べています。そして、疲れを元から取るためには「生活改善に勝るものはない」として、「朝4時起き」を勧め、夜の付き合い(赤提灯コミュニケーション、接待)も自然とできなくなる、今時、そんなものは死語である、と述べています。
 また、著者がこれまで会ってきた3万人の経営者、ビジネスマンの共通点として、ビジネスに成功する人は朝が早いことを挙げ、ある社長が朝早く起きることに込められたメッセージとして、
(1)早く仕事がしたい。
(2)遅れを取り戻せる。
(3)早朝出勤が習慣になっている。
の3点を挙げています。
 さらに、朝いちばんの勉強会への参加を勧め、その理由として、「『朝いちばん』に勉強しようと考える人間とはどんな人たちなのか」を勉強してもらいたいこと、を挙げています。
 第5章「『朝いちばん』の使い方で人間関係はこんなに良くなる!」では、日本企業を見たアメリカ人ビジネスマンが「どうにも理解に苦しむ制度がある」と語った、「なぜ能率のいいビジネスマンより、悪い社員の方の給料が高いのか」という残業代の問題について、彼が、「能率の悪い社員からはペナルティをとってもいいし、残業するなら、規定外労働としてデスクや電気、電話の使用料をとってもいいくらいだ」と述べたことを紹介しています。
 さらに、著者が「Eメールの返信は夜にするものではないな」と思っていると述べ、その理由として、「夜のEメールは昼より、もちろん朝よりも辛辣」ことを挙げ、これを「朝と夜の違い」、すなわち「朝から頭を使いすぎてしまったために、夜の判断はあてにならない」ことであると述べています。
 本書は、朝4時起きに踏み切れない人の背中を押してくれる一冊です。


■ 個人的な視点から

 本書は、朝4時起きの効能を薦める本でありながら、その書評を夜の10時過ぎに書いているのは、なんだか矛盾しているような気がしますのでもう寝ることにします。


■ どんな人にオススメ?

・朝4時起きの習慣を自分のものにしたい人。


■ 関連しそうな本

 中島 孝志 『仕事の道具箱』 2006年11月19日
 フランク・ベトガー (著), 土屋 健 『私はどうして販売外交に成功したか』 2006年11月17日
 行本 明説, 日本タイムマネジメント普及協会 『図解・仕事術 最強の時間力―タイムマネジメントの法則60』
 Thomas A. Limoncelli (著), 株式会社クイープ (翻訳) 『エンジニアのための時間管理術』 2007年01月06日
 アレック マッケンジー (著), 倉田 良子 (翻訳) 『時間の罠(タイムトラップ)―タイム・マネジメント20の鉄則』


■ 百夜百音

僕と君の全てをロックンロールと呼べ【僕と君の全てをロックンロールと呼べ】 サンボマスター オリジナル盤発売: 2006

 『電車男』の主題歌を歌ったことで知られていますが、電車男といえば「アキバ系」、そしてアキバといえば牛丼「サンボ」を知らなければモグリです。つまり、「サンボマスター」とは、アキバの象徴である牛丼サンボの達人(またはサンボの店長)を表していると考えれば、彼らが『電車男』の主題歌を歌うのは必然であったと言えるでしょう。
 ちなみに本当にメンバーたちが牛丼「サンボ」の常連だったという説もありますが、真偽のほどはどうでもいいです。
 
○参考「サンボファン.com」
http://www.sambo-fan.com/

『電車男』

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2007年04月30日

マッキンゼー流図解の技術

■ 書籍情報

マッキンゼー流図解の技術   【マッキンゼー流図解の技術】(#830)

  ジーン ゼラズニー (著), 数江 良一, 管野 誠二, 大崎 朋子 (翻訳)
  価格: ¥2310 (税込)
  東洋経済新報社(2004/8/20)

 本書は、「経営コンサルタントがまず身につけなくてはならないベースナレッジ」である、「メッセージを作り、伝え、実行するために広める」ためにビジュアル・コミュニケーションのスキルを解説したものです。
 序章「チャートで語る」では、「チャートについての熟考が足りず設計が悪い場合には、明確に伝わるどころか混乱を招く結果となってしまう」として、「APK(Anxiou Parade of Knowledge:知識の欲張りな羅列)症候群」として、「判読できないビジュアル」の例を示しています。
 そして、本書の目的を、「どんなチャートを活用するにしても、話し手と聞き手両方の役に立つチャートを選択し、活用してチャートで語る(say it with chart)ことを支援する」ことであると述べています。
 第1章「チャートを選ぶ」では、チャート基本形は、
・パイチャート
・バーチャート
・コラムチャート
・ラインチャート
・ドットチャート
の5種類しかなく、その作成のステップは、
(1)あなたのメッセージを決める(データからメッセージへ)
(2)比較方法を見きわめる(メッセージから比較方法へ)
(3)チャートフォームを選択する(比較方法からチャートへ)
の3段階であることを示しています。
 そして、「表形式のデータから抽出した何らかのメッセージを込めた5種類の比較方法」として、
・コンポーネント比較法→全体に対するパーセンテージ
・アイテム比較法→項目のランキング
・時系列比較法→期間内の変化
・頻度分布比較法→範囲内の項目
・相関比較法→変数間の関係
の5つを挙げています。
 また5種類の基本チャートフォームについて、
・パイチャート:ホットも実用性に欠けるので全体の5%に抑えたい。
・バーチャート:用途の幅が広く、25%ほどは活用すべき。
・コラムチャート:「古きよき信頼できる」チャートである。
・ラインチャート:働き者であり、コラムチャートと併せて全体の半分程度は活用すべき。
・ドットチャート:10%は活用の場を与える価値がある。
とした上で、残りはそれらを組み合わせて活用されると述べています。
 そして、比較方法と基本チャートフォームの関係を、
・パイ→コンポーネント
・バー→アイテム、相関
・コラム→時系列、頻度
・ライン→時系列、頻度
・ドット→相関
のようにマトリクス化してしめしています。
 著者は、チャートの選択から学べることとして、
・チャートは重要な言語形態のひとつである。よく考えられ設計されたチャートというものは、表形式のデータより迅速で明確なメッセージを伝えるのに役立つ。
・どのチャートフォームかを使うべきかを示唆するのは、データや目盛りではなく、それはまさしくあなたが伝えたいメッセージ、すなわち、あなたが何を表したいのか、どこの点を強調したいのかにある。
・チャートの数は少ないほど良い。あなたのメッセージを伝えるのに明らかに役立つと思われるときにのみ、チャートを用いる。
・チャートはあくまで補足的な資料であって、あなたが意図して書きたいことや、言いたいことすべての代わりにはならない。
の4点を挙げています。
 第2章「チャートを使う」では、「実践ではチャートから省く場合もある」が、「あなたが何を言いたいのか、あなたがどんな点を強調したいのかという、あなたのメッセージを明確にしなくてはならないことを確認し、プライオリティーづけを行い、最重要と位置づけるという最優先課題を決定するプロセスを省くべきではない」として、「メッセージ・タイトルなしにチャートは決定できない」と説いています。
 そして、5つの比較法について、
(1)コンポーネント比較法:全体を100%とした場合の内訳で、おのおのの部分の大きさを示す。
(2)アイテム比較法:アイテム(項目)間のランキングを示す。
(3)時系列比較法:一定期間にわたる変化を示す。
(4)頻度分布比較法::どれだけのアイテムが連続的な数値レンジに収まるかを示す。
(5)相関比較法:2つの変数の関係が予想通りであったかどうかを示す。
のそれぞれについての使い方を解説しています。
 第3章「コンセプトとメタファーを使う」では、「相互作用、レバレッジ(テコをきかせる)、障害、相互関係を表すイメージや、構造、論理的因果関係、プロセスなど」、「数量で表現できないメッセージを視覚的に伝えることは大変困難なことである」と述べています。
 その上で、4人のデザイナーたちによる、様々なイラストデザインの例を紹介しています。
 第4章「チャートをスクリーンで見せる」では、現在では10分もあれば作成できてしまうチャートが、著者がこの世界に足を踏み入れた1961年には、
・ビジュアル資料の製図専門家が製図机に座って青鉛筆を片手に、三角定規、T定規、分度器、コンパス、楕円定規、エンジニア用定規などを使って線や図形を作成する。
・写植の専門家に渡す。
・校正の専門家に渡す。
・できあがったチャートを再び最初の製図者に戻し、線を引くための専用のペンとインクで青鉛筆で引かれた線をなぞる。
・別の担当者が、市販のジパトーン(モノクロの地模様がついたシール上のもの)などを使ってモノクロの濃淡を施し、レイアウトを整える。
・プレゼンテーションで使うには、拡大複写写真やオーバーヘッド用の透明版や35ミリのスライドを作る必要があり、写真や産に依頼して一晩かかった。
という膨大な時間と工数が必要だったことが解説されています。
 一方、チャートの作成がお手軽となった現在、「聞き手の注目がチャートの方へ集中してしまい、話し手であるあなたに集中しなくなってしまう」ため、「ビジネス・プレゼンテーションで重要な聞き手との双方向のコミュニケーションを単調なビジュアルの羅列に終わらせてしまう危険性もある」ことを指摘しています。
 本書は、ビジネスや学会の場でプレゼンをする必要がある人にとって、とくに、「自分ではプレゼンが得意」と思っている人にとってはぜひ読んでほしい一冊です。


■ 個人的な視点から

 プレゼンテーションの上手な人のスライドは、情報がそれほど盛りだくさんではなく、それだけ見ても内容が分からないこともあります。それは、あくまで、プレゼンテーションの中身は、説明者本人が話す内容がメインであり、スライドはその補足資料でしかないからです。
 一方、スライドに書き込まれた情報量も満載で、これだけあれば他の人でも説明できるんじゃないか、むしろ、これだけ読めば十分なんじゃないか、というスライドも数多く見かけます。
 プレゼンの達人と言われている(株)ワーク・ライフバランスの小室淑恵氏は、営業のときのプレゼンの資料は、そのプレゼンを受けた担当の人が、社内で上司に向かってプレゼンするときに使いやすいように作るとよい、と述べていましたが、その場合でも、あくまで担当者氏自身が話す内容がメインであるからこそ、上司の心を動かすことができるのであり、やはり、情報過多のプレゼン資料はいかんと思いました。決して読むのが面倒だからというわけではありません。


■ どんな人にオススメ?

・心を動かすチャートを作りたい人。


■ 関連しそうな本

 久恒 啓一 『図で考える人は仕事ができる』 2005年08月13日
 松山 真之助 『マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ』 2005年05月01日
 川喜田 二郎 『発想法―創造性開発のために』 2005年08月27日
 トニー ブザン (著), 田中 孝顕 (翻訳) 『人生に奇跡を起こすノート術―マインド・マップ放射思考』 2006年05月07日
 トニー・ブザン (著), 神田 昌典 (翻訳), バリー・ブザン 『ザ・マインドマップ』 2006年12月17日


■ 百夜百音

Music Box Dancer【Music Box Dancer】 Frank Mills オリジナル盤発売: 2000

 昔、「吉田照美のてるてるワイド」の中の番組だった、「千倉真理の地球はまあるいよ」のテーマ曲ほかいろいろなところで耳にするのですが、何という曲なのか分からず調べました。
「From A Sidewalk Cafe」という曲のようです。
http://m.mystrands.com/track/2287517;jsessionid=4F2E44F8A...
で試聴することができます。
 同じように、曲名が分からなかったもので、「ハイパーオリンピック」のテーマ曲があったんですが、今調べました。「炎のランナー」ですね。 昔、「吉田照美のてるてるワイド」の中の番組だった、「千倉真理の地球はまあるいよ」のテーマ曲ほかいろいろなところで耳にするのですが、何という曲なのか分からず調べました。
「From A Sidewalk Cafe」という曲のようです。


『炎のランナー ― オリジナル・サウンドトラック』炎のランナー ― オリジナル・サウンドトラック

投稿者 tozaki : 22:00 | コメント (0) | トラックバック

2007年01月06日

エンジニアのための時間管理術

■ 書籍情報

エンジニアのための時間管理術   【エンジニアのための時間管理術】

  Thomas A. Limoncelli (著), 株式会社クイープ (翻訳)
  価格: ¥2415 (税込)
  オライリー・ジャパン(2006/10/19)

 本書は、著者のようなシステム管理者に効果のある方法として、「時間を管理するためのフレームワークを整え」るものであり、タイムマネジメントの「テクニック」本です。著者は、著者自身を含めたシステム管理者に共通する特徴として、
(1)問題の解決にねばり強く取り組む(ブルドッグのように問題に食らいつき、問題が軽減されるまであきらめない)
(2)他の人々が何かを成し遂げられるようにすべてを手配したいと心から望んでいる。
(3)自分の仕事に面白味を感じている(1日中働いた後、家でもまだ仕事の続きをしている)
という3つの共通点を挙げています。著者は、「システム管理」は仕事ではなく、ライフスタイルであると述べ、「私たちのライフスタイルを私たちの言葉で述べ、私たちの問題を解決するタイムマネジメントの本が必要」であると語っています。そして、「一度状況を分析し、それを日々の作業に活かす必要がある」と判断し、コード行を検出するたびに再解釈しなければならない「インタープリタ言語」ではなく、事前の準備に時間をかけ、プログラム全体を処理してマシン語に変換するためにはるかに高速で実行できる「コンパイル言語」の発想をタイムマネジメントにも用いるべきだと述べています。ここから重要なテーマとして、
・タイムマネジメントに関するものをすべて1カ所にまとめる
・今取り組んでいることに頭を使い、それ以外のことには外部ストレージを使用する。
・定期的に行うことに対しては日課(ルーチン)を定める。
・習慣やモットーを身につけることにより、事前に判断を下す。
・プロジェクトタイムでは集中力を維持する。
・これらのツールを仕事以外の時間にも応用し、日常生活を管理する。
等の点を挙げています。
 第1章「タイムマネジメントの原則」では、システム管理者(SA)が2人いる場合には、「相互不可侵協定」を結び、様々な割り込みへの対応を午前と午後で分担することによって、プロジェクトに取り組める環境を作る方法を提唱しています。また、SAが1人だけの場合も、マネジャーと話し合い、プロジェクトタイムの間は緊急でない用事には電子メールで対応するなどのルール化する方法を紹介しています。
 著者は、一般的な「タイムマネジメント」本とSA向けの本書とが一線を画す理由として、
(1)問題が異なる:非常に多くの割り込みにさらされる。
(2)ソリューションが異なる:高度なテクノロジを用いたソリューションを扱うことができる。
・(3)品質管理の欠如:作業リストの管理、工程表の管理、人生目票の管理の基礎を学ぶ必要があるが、指南役は世界各国の技術者仲間であり、上司が重役から学ぶように、観察することによって学ぶ機会はほとんどない。
の3点を挙げています。
 また、SAのタイムマネジメントの原則として、
(1)タイムマネジメント情報を1つの「データベース」にまとめる(1つのオーガナイザを使用する)
(2)能力は重要な作業のために温存しておく(RAMを節約する)。
(3)日課を定め、それに従う(コードライブラリを再利用し、無駄な作業を繰り返さない)。
(4)習慣やモットーを養う(実行時の計算を計算済みの結果と置き換える)
(5)「プロジェクトタイム」の間は(カーネルセマフォのように)集中力を保つ。
(6)日常生活の管理にも、仕事で使用するのと同じツールを使用する(日常生活はオプション機能ではない)。
の6点について解説しています。(2)に関しては、アインシュタインの衣装戸棚には7着分の同じスーツがあって、「自分の能力は物理学のために確保し、毎日何を着るかを決める日常的な作業に回さない」という(実話かどうかは疑わしい)逸話を紹介しています。
 第2章「集中と割り込み」では、集中しやすい環境を確保するために、オフィスを整頓するためのモットーとして、
「迷ったときは捨てる」
を定め、
(1)ファイルにとじてよいものはそうする。
(2)未処理の仕事は積み重ねて、すぐに取りかかれるようにする。
(3)残りのものはすべて、「今から3ヶ月経っても開かれなかった場合は、捨ててよし」と書いた大きな封筒に入れ、封をする。
の3つの手順に従っていると述べています。
 また、「オフィスがもっとも静かな時間」である平日の最初の1時間を、「電子メールや留守番電話のチェック」などの作業でつぶさずに、プロジェクトに充てることで割り込みが入ることはほとんどないと語っています。
 さらに、プロジェクトタイムに要求が割り込んできた場合の選択肢として、
・委任する:他に対処できる人がいれば、その人に委任する。
・記録する:緊急でなければ、顧客が信頼できる方法で要求を記録する。
・実行する:本当に緊急の場合は、作業を中断して要求に応じる。
の3点を挙げ、「委任、記録、または実行」と考えると、相手にどう対処するかに焦点を合わせやすくなると述べています。
 第3章ルーチン」では、
「ルーチンとは、一度だけ考え、何度も実行するための手段である」
と述べ、「頭で考えることが少なく、重要な作業のための脳のサイクルを確保できる点で、非常に効果的」であると語っています。
 そのためには、「常に約束事や作業項目をオーガナイザに記録し、常にオーガナイザを持ち歩く習慣を身につけることを勧めています。
 また、関係者と会議を組むよりも自分がスタッフのもとを定期的に「巡回」することで、「問題をリアルタイムにトラブルシューティングし、障害を取り除き、無視されていると感じていた人々の問題を解決するにはうってつけ」であったと語っています。
 そしてルーチンを作成する方法としては、
・予定されていない、繰り返し発生する出来事
・保守作業
・人間関係とキャリアネットワーク
・作業を先延ばしにすると、余計に時間がかかる状況
・よく忘れるもの
・重要度または優先度の低い仕事
・新しい能力の育成
・最新情報の把握
等を、検討すべき項目として挙げています。
 第4章「サイクルシステム」では、顧客が、「ほかのどの能力よりも、作業を遂行する能力(フォロースルー)を高く評価」すると述べ、作業を遂行する秘訣は、「すべての要求を記録して、それらを終了するまで見届けること」であるとし、著者が「サイクルシステム」と呼んでいるものを紹介しています。著者は、「すべての要求をそのつど書き留める」ことの重要性を、「要求を完了していなかったことに腹を立てた顧客と顔を合わせ、『忘れていました』というかなりまずい言い訳を述べなければならなかった過去」を引き合いに出して述べています。
 著者は、成功するシステムの特徴として、
(1)携帯性
(2)信頼性
(3)管理しやすいサイズ
(4)カレンダー
(5)長期的な目標のリスト
(6)毎日の欄(作業リスト、スケジュール)
の6点を挙げ、このシステムの鍵は毎日のページにあると述べています。
 さらに、著者が「10年以上にわたって実践してきたプロセスの集大成」である「サイクルシステム」について、
(1)365日分の作業リスト
(2)今日のスケジュール
(3)約束のカレンダー
(4)メモ
の4点で構成され、
(1)今日のスケジュールを作成する
(2)今日の作業リストを作成する
(3)優先順位をつけ、スケジュールを調整する
(4)予定に取り組む
(5)1日の終わり
(6)会社を出る
(7)繰り返す
の7点の使い方を紹介しています。
 第5章「サイクルシステム:作業リストとスケジュール」では、処理しきれない作業への対処方法として、
(1)もっとも優先順位の低い仕事を翌日に回す
(2)作業を小分けにする
(3)作業を短縮する(作業の範囲を狭める)
(4)推定所要時間を変更する
(5)委任する
(6)優先順位を確認するための意見を上司に求める
(7)会議または約束を延期する
(8)残業する・・・これは最悪の選択肢を言わざるを得ない。
の8点を挙げています。
 第6章「サイクルシステム:カレンダーの管理」では、「顧客との会議をすっぽかすことほど、あなたの評判を傷つけるもの」はないとして、 会議や行事には必ず出席するためには、「自分の記憶力を宛にしないこと」が最も重要であると述べています。
 そして、「仕事、家庭生活、社会生活、奉仕活動、個人的なプロジェクト、睡眠」はどれをとっても重要であり、これらすべてを1つのカレンダーにまとめる理由を、「仕事によってプライベートな時間が侵食されるのを防ぐ効果がある」からだと述べています。
 また、会社のサイクルについて考える上で、上司が考えているビジネスサイクルとして、
(1)この会社のビジネスサイクルは何か。
(2)プロジェクトのスケジュールを改善するにはどうすればよいか。
(3)休暇を取るのに最適な時期はいつか。
(4)システム管理グループはプロジェクトのスケジュールを改善できるか。
(5)システム管理プロセスをビジネスサイクルの閑散期と繁忙期に連動するようなサイクルに変えられるか。
(6)ビジネスに規則性を持たせることは可能か。
等をたずねてみることを勧めています。
 第8章「優先順位」では、「次にどうするかで思い悩み、時間を無駄にしているなら」、「決断を単純にして、リストの先頭の項目から順番に片づけて」しまうことを推奨しています。そして、すべてのプロジェクトは、

            容易(作業が少ない)   困難(作業が多い)
大きなプラス効果     A               B
表面的な効果       C               D

のカテゴリのいずれかに分類することができるとして、
・カテゴリA:最初に着手するのは明らか。
・カテゴリD:避けるのも当然。
ではありながら、ほとんどのプロジェクトはカテゴリBまたはCに属し、「簡単なカテゴリCのプロジェクトに惹かれるのは人の常」であるが、カテゴリBのような、大きな効果をもたらすプロジェクトを会社の目標と一致させることが重要であると述べています。
 さらに、多くの人がマネジメントを一方通行であると考えているが、「マネジメントとは関係であり、関係の発展の一翼を担っているのはあなた」であるとして、「マネージャとのよい関係を築かなければ、目標を達成することも満足のいくキャリアを築くことも」ままならないと述べ、「上司に自分の目標をきちんと知らせること」が重要であると述べています。そして、上司の権限を利用する場合にのみ「上方委任」が必要であることを解説し、「上司が目標を達成すること」のために時間を費やしていることが明らかであれば、「上司もあなたを成功させることにより積極的になる」として、「上司を成功させることに明らかな貢献を果たすと、多くの扉が開かれ」、上司が、「キャリアパスを後押ししてくれ」、「だんだん『おもしろい』プロジェクトに誰よりも先に参加できるように」なると述べています。
 第9章「ストレスの管理」では、SAのストレスの最大の原因は、
・過剰な負担を感じること
・上司から矛盾する指示を与えられること
の2点であると述べています。前者については、本当に負担が重すぎて、それでもうまく行かない場合は、何よりも上司に助けを求め、仕事の優先順位を決める手助けを求めるべきであるとして、「負担が重すぎるのを打ち明けるのは、弱いからではありません。助けを求めるのは強い証拠です。それには大変な勇気がいりますし、アドバイスを受け入れるにはもっと勇気がいります」と述べています。後者については、「可能であるなら、上司に優先順位を書かせて、次に矛盾する支持を受けたときに、それを引き合いに出せるようにすると良い」と述べています。
 また、SAに共通する休暇中の誤りとして、
・用事や洗濯を済ませるためにときどき休暇を取っている・・・それは休暇ではない。
・週末に休みを取る・・・リラックスした状態になるまでの数日間のプロセスがない。
・旅先にノートPCを持っていき、数時間おきに電子メールをチェックする・・・筆者なら、わずかな料金で周囲にいかなるインターネットアクセスも存在しないことを約束してくれるホテルを選ぶ。
等を挙げ、SAが、休暇が取れないことを「この会社は私がいないとやっていけないのさ。だからもう何年も休暇を取っていないんだ」と自慢するのを聞くとうんざりし、SAが殉教者の強迫観念を抱いているのではないかと不安になると述べ、このような人が、「会社を運営するためにこれほど尽くしているのだから、誰もが恩義を感じているはず、と思い込んで」いて、「このような人と一緒に働くのは不可能」であると指摘しています。
 第10章「電子メールの管理」では、目