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2005年05月29日

学童保育経営レポート(3)

経営上の問題は経済資源だけがその主要なものではなく、むしろ人的資源の確保向上は最たる重要課題である。特に保育サービスである以上、サービスの需要主体は人、しかも学齢期の子供たちであり、まさしく「なまもの」を扱う微妙さがある。
ここ6年間にあった大きな変化は指導員の産休、代替要員の採用、復帰後の勤務形態の変更、退職、そして新規採用、さらに別の指導員の退職と新規採用とめまぐるしい変化の連続であった。
過去にさかのぼるには資料が不足するが、指導員の勤務年数は長くて7,8年、短ければ数ヶ月である。

勤続年数が短期になってしまう原因には次の問題があった。
(1)指導員個人の適性
(2)指導員個人のキャリアプラン
(3)長期雇用に耐える人事制度の不足
(4)社会保障制度の不足
(5)学童指導員という業務特性

(1)指導員の適性は、実際に「子供が好き」であっても、それを職業性をもってあたれる人材かあたれない人材であるかの見分けは非常につきにくい。また当初適性に疑問があった場合でも、「なまもの」の子供たちの成長とともに大きく伸びた人材もある。まさしくスタッフも「なまもの」であり、経営主体である父母会が実際は自らの仕事のために現場にいない以上、きわめて見極めが困難であるほか、資質向上のために具体的にうてる手立ても十分ではない。

(2)指導員のなかには、実際は腰掛けとして指導員という職業を選んでいるにすぎない場合も少なくない。少子化の影響で公的あるいは民間の保育事業の縮小がすすむなか、保育士や幼稚園教諭などの資格取得者が他の保育施設での適切な職を得ることが実際難しくなってきている。保育所で幼児を相手に働きたいと思っているが就職できないでいるので学童指導員の求人に応募する。であるので適切な就職先が決まれば指導員を辞する。

(3)過去の経営悪化の経験上、給与の引き上げに対する父母会の不安が大きいことから、昇給制度や退職金制度が未整備であった。また時間外勤務や年次休暇制度などの未整備もほとんど議論されていなかった。

(4)正規職員数が最大で2名という中で、社会保険制度の適用は常に先送りされてきた課題であった。せめて雇用保険制度の導入をと動いた時期もあったが、共同経営形態が足かせとなり、毎年代表者が変わる事業所への役所の反応(わたしは怠慢だと思うが)は冷たく、民間保険にたよらざるを得ない。

(5)これはずばり体力問題である。活発な子供たちと室内外で体を使って働く職業であることから、年齢が高くなってくるとたいへんにきつい労働となる。

毎年代表者を変えながら運営していく方法は、これら人的資源の確保向上に対して部分最適はとりえても全体最適をすすめていくことは容易ではない。この中で前進できた内容は、(3)の労働条件の確保と明確な契約行為、各種制度の明文化と実施促進のみである。(4)については継続的に検討をすすめなければ、実質上(2)の課題を解消できない。しかし一方で、(5)の問題など、学童指導員の「旬」の時期があるのもまた事実であり、理想的な勤務年数とキャリアプランの整合をとった採用のありかた、そして指導員の経験が次のキャリアへプラスに働くよう向上させていくかは、手間がかかるが実際真剣に取り組まなければならないことである。

子供が成長するように、そこで働く人もまた成長するのをどのようにサポートしていくか。方法論としては資格のない指導員が資格取得することを応援することもあれば、一定の年数勤務し実績をあげれば上位の地位につけ履歴事項に掲載できるような計らい(昇格)をしていくことが考えられる。
現在これは試行中で、さ来年の転職に向け準備をしている指導員をあれこれとたたきあげているところではあるがさてどうなるか。トライ&エラーである。

投稿者 kamimaki : 2005年05月29日 22:36